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O.R.k. 『Screamnasium』(2022)

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7/10
★★★★★★★☆☆☆


O.R.k.は、元Porcupine TreeのColin Edwin(ベース)、King CrimsonのPat Mastelotto(ドラム)、Marta Sui TubiのCarmelo Pipitone(ギター)、そしてLEFことLorenzo Esposito Fornasari(ボーカル)の4人組。後者2人はイタリア人。Kscopeに所属しており、本作が4作目となる。

ヘヴィでエネルギッシュなハードロックサウンド。怪しげなアコギのアルペジオ。やたら爽やかな展開。疑心暗鬼に陥るサイケなシンセ。枠に囚われない自由な演奏。そして熱唱に次ぐ熱唱…。すべての要素に遠慮がない。あるのは豊富なアイデアと、それを100%形に出来る高い演奏能力。こういうバンドこそ真の意味でプログレッシヴロックだと思う。

もしSoundgardenがThe Mars Volta以降のネオハードコアとPorcupine Tree以降のネオプログレに影響を受けたら…というのが初聴して浮かんだイメージ。もしくは、William Duval加入以降のAlice In Chains、特に『The Devil Put Dinnsaur Here』(2013)にもイメージが近かったりする。

Porcupine Treeの新作とは違ったベクトルだが、突き抜けた良さがあるのは同じ。こっちの方がエナジー豊富で爽快感がある。Soundgarden同様、ボーカルが私には少しマッチョ過ぎるので大好きとまではいかないが、サウンドの質の高さ、完成度には目を見張るものがある。ロートルのヨボヨボな新作を無理に褒めてないで、こういうゴリゴリの傑作をしっかり見逃さないようにしたい。


1は早速激アツな熱唱。2はサイケな揺れがある。3のアルペジオやメロディはどうしてもThe Mars Voltaを思い出す。ダークサイドに落ちていく歌詞とメロディの4。5,6の展開はアツすぎる。爽快感マックス。ファルセットとシンセを使ったサイケな7。絶唱とストリングスによる10。Jeff Buckleyを思い出す。

全10曲、42分。濃密だがコンパクト。




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