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「自分探しの、妄想旅」

リモートワーク12日目。

先週から進行中のプロジェクトが、いよいよ佳境を迎えている。それは「リモートワークのみで、それもたった2週間で旅雑誌をつくる」ということ。こういう状況で僕らが今やるべきことはなんだろうとあれこれ思案を巡らせたのだけど、大小さまざまな旅の魅力を詰め込んだ”anna magazine”というメディアを運営(container-web.jp参照)している僕たちだからこそ、どうしても「旅」をテーマにしたコンテンツを発信したいと思ったのだ。

https://note.com/container_anna/n/n23ab84ea7b2f

「旅」というカテゴリは、緊急事態が宣言されている今、最も新しいコンテンツを作りづらいテーマのひとつだと思う。けれど逆に言えば、旅に出ることが許されない今こそ、旅に出ることの魅力を改めて実感し、その行為の本質的な価値を再認識できるまたとないチャンスでもある。

そこで僕らが特集のコンセプトに設定したのが「部屋でできる、妄想旅」だった。普段から僕らのメディアに参加してくれているメンバーに声をかけ、それぞれに自由なイマジネーションを最大限使って、思い思いの旅のストーリーを思い描いて日記を書いてもらうことにした。

旅をイメージしたり、原稿を書いたりということが重くのしかかってしまうようだと本末転倒なので、「妄想10分、日記30分」という小さなルールを作ってまずは自分たちでチャレンジしてみたのだけど、これが最高に面白かった。最初の数行を書き始めると、頭の中にどんどん旅のイメージが広がっていくのだ。後から後から湧き出てくる想像上の風景を、言葉にして書き留めるのが間に合わないほどに。

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すでに30人ほどの「妄想旅」のストーリーが集まってきたのだけど、これがまたどれも最高に面白い。基本的には「妄想旅日記」なので、旅先での出来事があれこれと綴られているのだけど、どのストーリーにもそれぞれが置かれた「今の状況」そして「今考えていること」が色濃く反映されるのだ。フィクションでありながら、ノンフィクション。まるで「深夜特急」の後半の3巻や「限りなく透明に近いブルー」のような、実体験をもとに描かれたストーリーを短編にして読んでるみたいだった。イマジネーションの中で旅をすることで、自分を知り、そして未来の居場所をイメージする。そのプロセスはまさに、ティーンエイジャーの頃に憧れた「自分探しの旅」そのものだね。

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うーん、やっぱり人間の想像力はすごい。そして「旅」というテーマは、その僕らの想像力をこれほどまでに刺激する、最高にポジティブで魅力的な行為なんだと、改めて実感することができた。

あと1週間。これからは編集とデザインワークの時間だ。誰もが自宅でできる妄想旅の魅力を余すところなく届けられるよう、全力を尽くすことにする。

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