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超個人的コンテンツアワード2023~「あたらしいテレビ」にならって

NHKで毎年新年に放送する「あたらしいテレビ」では、各界の著名人やクリエイターが前年に見て印象的だった映像コンテンツ10選を挙げます。私も作ってみましたー。
基本的に2023年のコンテンツから選びましたが、世は配信やサブスクの時代。番組にならって、それ以前にリリースされたものも一部混じっています。

画像の完成度の低さは笑ってください🤗

●「슈취타」

「シュチタ」と読みます。BTSのシュガがホストをつとめる対談コンテンツ(公式YouTubeチャンネルから配信)。
もともと、メンバーを招いてそれぞれのソロ活動について語らせるために始めたらしいが、好評を博したため、他のアイドル、歌手、俳優、芸人、大物MC、国民的人気のサッカー選手などなど各界のスターが続々と出演し一年ですでに24本が放送された。
30歳のシュガのインタビューのうまさ、豊かな人間性にひれ伏す…! 編集もうまい。
彼が兵役に入ったあとも粛々と配信が続き、BTSのハードワーカーぶりをよく知るファンたちすら「いったい何本録ってたの?」と驚いている。

●「ブラッシュアップライフ」(安藤サクラ、バカリズム)

バカリズムの脚本とクールな演出が光った連続ドラマ(日テレ系列)。いやほんとバカリズムの脚本のブラッシュアップっぷりに驚愕。「人生〇周目」「徳を積む」など独特な設定に視聴者をどっぷり浸らせ、湿り気のないエモに熱狂させた。
それぞれのキャラや関係性、年齢、'90年代以降のそれぞれの時代性、また生まれ変わるごとの職業など、森羅万象への批評眼、その距離感が絶妙。すべて女同士の友情に収れんしていくのも“今”の気分で、まちがいなく、2023年の地上波連続ドラマの台風の目になった。
こういう安藤サクラが見たかったんよー! 水川あさみ、夏帆、木南晴夏、志田未来や野呂佳代など女優たち全員最高。染谷将太もよかったねー。

●「私の解放日誌」(イ・ミンギ、キム・ジウォン)

2022年放送、韓国のテレビドラマをネットフリックスにて。
往復何時間もかけてソウルに通勤する30代~アラフォーの独身3きょうだい。その実家の家内制手工業と畑仕事を手伝う、世捨て人のような男。
極端に無口だったり、口をひらけば延々と悪態や憎まれ口だったり。イライラ、ギスギス、鬱々とした閉塞感にみちているのに、こんなにも人を癒すドラマが作れるんだという驚き。「心がときめくことを探す」とか「自分の気持ち次第で変わることがある」みたいなことの描き方の成熟度がハンパじゃない。ク氏はもちろんだけど、ミジョン(3きょうだいの末っ子女性)もかっこよすぎました。私も、大切な人たちそして私自身を崇めて生きたい‥‥

●「賢い医師生活」(チョ・ジョンソク、チョン・ミド)

2020年と21年放送、韓国のテレビドラマをネットフリックスにて。
ソウルの大病院で医者として働く大学時代の同期5人と、周囲の人々、そして患者たちの群像劇。病院を舞台にした数あるドラマの中で、私の人生最高峰かも!
「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」のときも思ったが、韓国のドラマは医者とか弁護士のような専門職を安っぽく描かないし、変なキャラ化もしないので本当にいいですね。知性と努力に対するリスペクトがある。
なんといっても主演5人が魅力的。彼らは週末バンドを組んでる設定で、歌も楽器もびっくりするほどうまくて韓国の俳優のレベルの高さがわかります。

●「こっち向いてよ向井くん」(赤楚衛二、波瑠、生田絵梨花)

日テレ系の連続ドラマ。
さらっと見られるラブコメなんだけど、「人とガチで向き合うってかんたんなことじゃないよね、完璧にできる人なんていないよね、それでももがくしかないし、もがく価値のあることだよね」という人として当たり前の話をストレートに、そして今の時代らしくやってると感じる。赤楚さんってこんなに魅力的な俳優さんだったんだー🤩と、思わずインスタをフォローしたw
恋愛や結婚に関する固定観念や、自己肯定感、コミュニケーションなどをいきいきとした会話と愉快なモノローグで描いている。波瑠のファッションもいつも素敵だった。

●「ヴィンチェンツォ」(ソン・ジュンギ、チョン・ヨビン)

2021年、韓国のテレビドラマをネットフリックスで。
イタリアンマフィアの顧問弁護士(韓国人)が、雑居ビルの地下に眠る莫大な金塊を見つけ出すためソウルに舞い戻る。やがて、巨大企業バベルグループの悪徳に立ち向かう成り行きに‥‥。
いってみれば、めちゃくちゃお金をかけた「コンフィデンシャルJP」(長澤まさみ主演)みたいなB級なテイストがあるドラマなんだけど、韓国ドラマがお金をかけるとおもしろさがハンパない。バイオレンスで残酷なシーンもあるが、社会正義と“弱者の味方”が貫かれていて爽快! 全20話、家族で夢中で見た。

●JungKook 'Seven (feat. Latto)'

BTSのジョングクがまんをじしてソロ曲をリリース、そのミュージックビデオ。
最初のフレーズの音と画面からして成功が約束されたクオリティ(まじで初見で度肝を抜かれた)。
雨が降ろうと槍が降ろうと、何の迷いもなく彼女と共にあることを選ぶジョングク。恋人役を演じるハン・ソヒを子犬のように彼女を追いかけまわすが、基本的に一定の距離を保ち、自分からは決して触れない。
一途さとユーモア、そして若々しいフェロモンが今のジョングク自身のキャラクターと合っているし、マイケル・ジャクソン「スリラー」へのオマージュのような目配りも気が利いている。

●NewJeans@Lollapalooza 2023

BTSが育てた会社(←BTS“を”育てた会社というより、こっちのほうがしっくりくる)HYBEの新鋭、2022年にデビューした10代5人のガールズグループ、NewJeansが、シカゴで行われる伝統の巨大フェス、ロラパルーザに出演。YouTubeでの中継を見て大興奮! 
デビューしてたった丸一年で、アメリカでこれだけの人を集めるのもすごけりゃ、それに応える堂々としたパフォーマンス、英語でのコミュニケーションもナチュラル。
性別も肌の色もファッションもてんでばらばらの観客たちが、弾けるような笑顔で踊ったりシンガロングしたりしてる姿に胸が熱くなった。やっぱりK-popは拡張する音楽。拡張と普遍、これがポップミュージックの力だー!

●「채널십오야」

チェノルシボヤ、と読みます。「チャンネル十五夜」の意。
韓国の人気バラエティ番組。YouTubeでも見られる。
時々K-popアイドルが出演する回があり、2021年のBTSの回も最高だったけど、今年はSeventeenががっつりフィーチャーされていて、これでセブチ13人の名前と年齢関係をだいたい覚えました。
プロデューサーのナ・ヨンソクというおじさんがMCのように前面に出て番組をすすめる。この人は韓国では知らぬ人がないほどの芸能人らしいんだけど、若いアイドルでもいじったり変なキャラ付けをしたりしないからほんとに気持ちよく見られます。

●「パリピ孔明」

フジテレビ系の連続ドラマ。向井理、上白石萌歌、森山未來など。
諸葛孔明が現代の東京に転生し、「音楽で天下泰平をめざす」とぶち上げる‥‥というと、トンデモドラマの匂いしかしないんだけど、その実、人も音楽も記号的でなく、大切に扱われていて、真心とセンスを感じるドラマだった。VIVANTほどじゃないにせよかなり予算を投じていたと思うが、その使い道が正しい。家父長制度的でも国粋主義的でも新自由主義的でもなく、クィアでインクルーシブな世界観。こういうドラマはたいてい、プロデューサーなど女性が要職をつとめている、というのが長年のドラマウォッチャーとしての感覚です。
40代になった向井理に、ついにこんな当たり役がきた!


というわけで、7つが韓国系のコンテンツになったのは、私が見ているコンテンツ全体の内訳の割合とも一致する感じ。
日本のコンテンツを避けてるわけではなく、おもしろいものが出てくることを心待ちにしてます。

◆ほかに良かったコンテンツを思いつくままにメモ

(日本のドラマ)
・100万回いえばよかった(井上真央、佐藤健、松山ケンイチ)
・日曜の夜ぐらいは‥‥(清野菜名、岸井ゆきの、生見愛瑠)
・コタツがない家(小池栄子、吉岡秀隆、小林薫)
・セクシー田中さん(生見愛瑠、木南晴夏)
・下剋上球児(鈴木亮平、黒木華、井川遥)
・今夜すき焼きだよ(蓮佛美沙子、トリンドル玲奈)
・ブギウギ(趣里、水川あさみ、菊地凛子)

・大奥(鈴木杏)

(韓国ドラマ)
・サイコだけど大丈夫
・椿の花咲くころ

(映画)
・Yet To Come(BTS2022年10月の釜山公演をシネマ化)
・スウィング・キッズ(ド・ギョンス)
・ベイビー・ドライバー(アンセル・エルゴート)
・キングスマン(タロン・エガートン)
・モガディシュ(キム・ユンソク、ホ・ジュノ)

(アニメ)
・推しの子

(マンガ)
・大奥
・SPY FAMILY

(YouTubeや配信コンテンツなどその他)
・YOASOBI「アイドル」@紅白歌合戦
・BLACKPINK@コーチェラ
・LIGHTHOUSE(星野源、若林正恭)
・IUのPalette
・Road to D-DAY
・Tiny Deskコンサートより beabadoobee、Sam Smith
・Killing Voiceより Seventeen(しまった、これ10選に入れてもよかった)、Red Velvet
・It's liveより Seventeen
・THE FIRST TAKE より XG "WINTER WITHOUT YOU"

(ミュージックビデオ)
‥‥ビデオ(映像)を含めて勘案、2023リリース分のみ

・꽃(FLOWER) / JISOO
・손오공(SUPER)/ SEVENTEEN
・on the street (with J. Cole)/ j-hope
・해금(解禁) / AgustD
・Love Me Again / V
・Standing Next To You / JungKook
・특(S-Class) / Stray-Kids
・What Was I Made For? / Billie Eilish
・Bad B*tch 美学 Remix / Awich, NENE, LANA, MaRI, AI & YURIYAN RETRIEVER
・Gorilla / Little Simz
・Eve, Psyche & The Bluebeard's Wife / LE SSERAFIM

私が見ていない中にもおもしろいものがたくさんあるのはわかってて、時間がもっともっとあればなあー!
2024年もいろいろ見られるといいな。


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