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『古本食堂』原田ひ香

#日々是好日
#読了 #小説 #原田ひ香

神保町で小さな古書店をやっている滋郎さん。
彼はもうこの世にはいない。
彼を軸に、彼の妹、珊瑚さんと、
彼の甥の娘、美希喜(みきき)ちゃん、
そして滋郎さんが大切にしていた古書店。
人と本と美味しいものの物語。

彼が亡くなって1年、
北海道に住んでいた妹の珊瑚さんは、
店の整理をしようと上京。
先行きをどうするか、
はっきりしないまま店を再開し、
その店を偵察するよう母に促されて、
美希喜ちゃんは神保町へ通うように。
遺産を巡っての身内の争い?
なんて、眉をひそめて読み進めたら、
みんな本が好きで知識が深くて、
そして神保町に実在する、
美味しいお店の魅力的なこと。
描写がとても丁寧で引き込まれ、
あっという間に読み終わってしまいました。

実は、冒頭は家事の片手間に読んでしまって。
珊瑚さんと美希喜ちゃんの、
二つの視点で書かれている事に気が付かず、
7ページ目あたりで、
違和感に気が付いて読み返しました。
最後に読み終わってからも、
何ヵ所か読み返して確認したりしました。
なんかこう、
「無理解のまま閉じたくない」
と思わせる本でした。

神保町は古書店街として有名。
私も本好きなので、
あの街が「居場所」だったらって、
思っていました。
あの街を居場所にしている人たちが、
とても充実した本当の読書家に見えたから。
でも、私が読む本はカテゴリーが狭くて、
上辺だけの本好きに思えて、敷居が高かった。
もっと勇気を出して、
何度も足を運べばよかったなぁ。

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