イクイノックスの引退に思う

noteを始めて3回は麻雀の話を書きましたが、今日は競馬のことを書きたいと思います。

種牡馬としてどこまでやれるのか?

最強馬が電撃引退となりました。
残念という声、せめて有馬記念は走ってほしかったという声などが聞かれましたが、それもこれもオーナーのシルクレーシングが(というか社台が?)決めたことなので仕方ないことです。

今後は種牡馬としての期待が大きいわけですが、競走成績と種牡馬成績が必ずしも比例するとは限りません。
過去にはG1含めて重賞を勝ちまくったものの種牡馬として成功しなかった馬もいれば、競走成績は大したことなく終わったものの、種牡馬として成功した馬もいます。

それこそイクイノックスの2代前の父にあたるブラックタイドがいい例です。
重賞勝ち鞍はG2のスプリングSのみ。この成績ならば種牡馬なるのはかなり困難なはずでしたが、何と言っても日本競馬史上に残る名馬ディープインパクトの全兄なわけですから、ディープは高すぎて種付けできない人たちにとって、血統上同じものをお安く手に入れることができる、言うならばディープインパクトの廉価版として種牡馬入りできたわけです。

そして全般的に言えばディープインパクトに種牡馬成績でも遠く及ばないわけですが、1頭超大物を出しましたよね。それは言うまでもなくイクイノックスの父であるキタサンブラックなわけです。

続いても2~3代までが限界

ここまでサンデーサイレンス→ブラックタイド→キタサンブラック→イクイノックスと血がつながりました。日本競馬は1995年以降サンデーサイレンス系が主流であり、特にサンデーサイレンス→ディープインパクト→その子孫という流れがメインストリームであることは言うまでもありません。
ディープインパクトはとりあえずキズナが1番の後継種牡馬となっていますが、現状G1ホースは全て牝馬であり、将来種牡馬になれるほどの牡馬の大物はでていません。
今後産駒デビューが控えているコントレイルや今も現役のシャフリヤールなどに期待がかかるところではありますが、もしそこから後継種牡馬が出てこなければ、もしかしたらディープインパクトの血は途絶えてしまうということも起きかねません。もちろんキズナから大物牡馬が今後出てくる可能性もあるわけですが・・・

これまでの日本の競馬の歴史上、父系の血は2~3代で途絶えます。
1960年以降、サンデーサイレンス出現までに日本のリーディングサイアーとなったのは、ライジングフレーム、ヒンドスタン、ソロナウェー、ガーサント、ネヴァービート、パーソロン、チャイナロック、テスコボーイ、アローエクスプレス、ノーザンテースト、ミルジョージ、リアルシャダイ、トニービンですが、これらの父系はほぼ全て絶滅しています。

リーディングにはなれなくとも種牡馬として一時代を築いたトウショウボーイやマルゼンスキー、ブライアンズタイムなども血をつなげることはできませんでした。

唯一残っているのはテスコボーイ→サクラユタカオー→サクラバクシンオー→ビッグアーサーというラインですが、ビッグアーサーが種牡馬になれるくらいの大物を出さなければ、途絶えることはもはや必至でしょう。

イクイノックスに期待したいこと

サンデーサイレンス系のメインストリームであろうディープインパクトのライン。イクイノックスはそこから少し外れているわけですが、その血をどこまでつなげることができるのか非常に興味深いところです。
そういう意味でもイクイノックスには内国産の血をつなぐという大切な使命があると思います。余力を残して種牡馬入りしたのは正解だったと、数年後や十数年後に語られることをいち競馬ファンとして期待したいです。

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