BEASTはどう戦うべきなのか
セミファイナル進出は厳しい!?
2023年のMリーグ全試合が終了した時点での順位は以下の通りでした。
U-NEXT Pirates 324.0
赤坂ドリブンズ 291.6
KONAMI麻雀格闘倶楽部 259.7
KADOKAWAサクラナイツ 255.1
EX風林火山 71.3
渋谷ABEMAS -105.8
TEAM雷電 -123.7
セガサミーフェニックス -386.8
BEAST Japanext -585.4
最下位に沈んでいたBEASTは、セミファイナル進出ラインの6位ABEMASとは479.6P、8位フェニックスにも198.6Pという大差をつけれらていました。
いくら麻雀は何が起こるかわからないと言ってもこれは相当厳しい差で、さすがにセミファイナル進出はほぼ無理ではないかと思われました。
なので2024年からは積極的に中田花奈選手を起用していくべきではないかと思ったのです。
カギを握る選手は・・・
中田選手は2023年終了時で全36選手中唯一のトップなしの選手でした。そしてこれを書いている現在も継続されています。そして個人ポイントは-192.1Pで32位でした。
チームがセミファイナルに進出するためには、中田選手が最低でもマイナス2ケタ台、できることならばプラスマイナスゼロくらいで終えることが必須ではないかと思います。もし-100Pを超えてくると、それをカバーすべく他の選手が大きくポイントを稼がなくてはいけなくなります。
この時チームメイトの猿川真寿選手が-299.3Pの最下位に沈んでいましたが、さすがに実績のあるベテラン選手なので沈みっぱなしで終わることはないと考えた時に、やはりプロ歴が浅く実力もまだまだと思われる中田選手がいかに頑張れるかが最大のカギとなると思うのです。
そういう意味でも2024年は中田選手を積極的に起用して、経験を多く積ませることが今度のBEASTにとって大事なことだと思うのです。言うならば来シーズン、2024-25シーズンに向けての下地作りをすべきではないかと。
未来と今、どちらを見るのが得策か
私がここまで書いていることは、人によっては2023-24シーズンを捨てろと言っているように見えるかもしれません。確かにそう言われればそうなのかもしれませんが、仮に今シーズンセミファイナル進出が叶わなくても選手交代を強いられることはありません。なので悪い言い方をすればセミファイナル進出を逃してもまだ問題ない範疇にあると言えます。
しかし2023-24シーズンでセミファイナル進出を逃し、さらに2024-25シーズンでもセミファイナル進出を逃せば、レギュレーションによって最低1名以上の選手交代を強いられることとなります。それを防ぐためにも中田選手が単なるインフルエンサーではなく1人の選手として戦力になることが不可欠です。そのためにはより多くの経験を積ませることが1番の近道であり、今よりも未来を見据えた選手起用をしていくべきではないかと思うのです。
アメリカのメジャーリーグでは毎年7/31がトレードデッドラインであり、その時プレーオフ進出が厳しい状況にあれば主力選手、とりわけシーズンオフにはFAになるような選手であれば若手と引き換えにトレードに出すことが多々あります。このような「今が厳しいのであれば未来を見据えていきましょう」という動きがよく見られます。
しかし我々日本人の場合、「たとえ可能性が0.1%であったとしても最後まであきらめない」ということが美徳だったりします。そしてあきらめることが許されない風潮があるように思います。なのでもし実際にBEASTが中田選手を積極的に起用して来シーズンを見据えた戦い方を始めれば、特に麻雀ガチ勢から激しく非難されるか呆れられることは容易に想像がつきます。
ところが・・・
2023年が終わった時、前述の通りBEASTのセミファイナル進出は極めて厳しいというのが私の見解で、なのであれば来シーズンを見据えて少しでも中田選手に出場機会を与えることが必要であると思っていました。
しかしこれを書いている1/28現在の順位を見ると少し様子が変わってきています。
U-NEXT Pirates 483.3
KADOKAWAサクラナイツ 380.8
KONAMI麻雀格闘倶楽部 273.2
赤坂ドリブンズ 177.1
渋谷ABEMAS -44.9
EX風林火山 -203.6
TEAM雷電 -225.4
BEAST Japanext -388.0
セガサミーフェニックス -452.5
BEASTのセミファイナル進出は依然として厳しい状況に変わりはありません。しかし順位はフェニックスを抜いて8位に浮上し、さらにはボーダーが下がったことで現在6位のEX風林火山との差は184.4Pと「もしかしたら・・・」と期待を持ちたくなる状況となり、1か月前よりもはるかに好転しています。
個人成績最下位に沈んでいた猿川選手は約130Pを返して32位に浮上、菅原千瑛選手はリーグ最多タイの8勝を挙げて102.1Pの9位にランクアップ、鈴木大介選手も何だかんだで大きくへこむことなく持ちこたえています。
一方で中田選手は初の箱下を食らうなど-263.9Pで35位に後退。前述の通りトップは未だになしと厳しい戦いが続いています。
さらにはチームが上昇してきて「もしかしたら・・・」となっていることが、かえって中田選手を起用しずらい状況を作ってしまっています。すでに規定試合数の10試合はクリアしているので、このままレギュラーシーズン終了まで登板なしでもレギュレーション上は問題ありません。
兆しは見えてきている
そんな中田選手が壮大な箱下を食らった1/19の第2試合。その決定打となったのは南3局のTEAM雷電の萩原聖人選手への18,000点の放銃でした。
最後に当たりの8萬を切った場面は辺3ソーの聴牌が入った時でしたが、私はこの放銃はむしろ良かったのではと思ったくらいでした。
これまでの中田選手は、相手からリーチが来たり聴牌気配が漂い始めるとほぼオリの進行となっていました。もう少し押せばいいのにと思える局面でも安全牌を切って聴牌を崩したり、高打点が期待できそうなイーシャンテンでもやめたりして放銃回避へと向かっていました。
よく言えば大きくマイナスしない堅実な打ち方なのかもしれませんが、これが1着を取れない、なかなか連対もできないという原因になっていたように思うのです。
あの18,000点放銃の時、もしこれまでの中田選手であればあの8萬は切っていないように思います。
もしそうなっていれば結果放銃回避となっていましたが、その打牌姿勢が逆に他のチャンスをつぶしてきていたのも否めないでしょう。
しかしあの時は8萬を切ったのです。しかも辺3ソーという決していいとは思えない待ちです。相手の萩原選手の5・8萬待ちと比べればかなり不利でした。
確かに点数状況的に押したい場面ではありましたが、もう1度書くとこれまでの中田選手であればすぐにオリに回る打牌傾向に加えて待ちの悪さもあって8萬を切らなかったでしょう。
あの放銃は、今後中田選手が攻撃的に麻雀を打ってトップを取る、少なくとも連対するという兆しに見えました。なので好転しつつある現在のチーム状況下でも中田選手を起用していくべきだと思います。中田選手自身も打牌姿勢が上向いていると思うからです。そしてさらに結果としていいものが得られるようなことがあれば今後の自信にもなり、チームが「もしかしたら・・・」を実現する原動力になる可能性があると思います。
しかし、現在の「もしかしたら・・・」の状況とこれまでの中田選手の成績を鑑みて出番があまりないということになって、さらには1度もトップを取れずレギュラーシーズン終了なんてことになれば、今シーズンはおろか来シーズンのレギュラーシーズン突破でさえも厳しいものになると予想します。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?