火山大爆発 そして暴風吹き荒れ林は全て焼き尽くされた

最下位争いから一転・・・

EX風林火山にとってレギュラーシーズン77・78試合目となる2024年2月23日に、勝又健志選手と二階堂瑠美選手がともに4着となって最下位に沈みました。
この時6位にいたセガサミーフェニックスとは226.1ptsの差がついており、数値理論上は残り18試合でひっくり返すことが全然可能ではあるものの、3チームを抜き去る必要があるというのがなかなか厳しく、さすがにセミファイナル進出に黄信号が灯ったと言っても差し支えなかったように思います。

2/26の試合でフェニックスがマイナスしたことで少し差は縮まったものの、2/27の試合開始前では以下の通りの順位となっていました。

  1. 赤坂ドリブンズ・・・499.3pts

  2. U-NEXT Pirates・・・437.0pts

  3. KADOKAWAサクラナイツ・・・316.5pts

  4. KONAMI麻雀格闘俱楽部・・・197.1pts

  5. 渋谷ABEMAS・・・60.4pts

  6. セガサミーフェニックス・・・-313.6pts

  7. TEAM雷電・・・-334.0pts

  8. BEAST Japanext・・・-388.2pts

  9. EX風林火山・・・-474.5pts

6位フェニックスとの差は160.9ptsあり、依然として厳しい状況に変わりはありませんでした。
しかしここから信じられないような快進撃が始まります。

まず2/27を2-1着、3/1を3-1着として、ここで雷電とBEASTの2チームを抜いて7位に浮上、3/5は2-2着でプラスだったにもかかわらず、雷電とBEASTの頑張りもあって再び最下位に転落。しかしその差は1試合で十分ひっくり返せる微差でした。

3/8は3-2着でトータルマイナスであったものの、前日にフェニックスが4-4着、3/8は雷電が4-4着に沈んだことで再び7位に浮上しています。
3/5はトータルでプラスなのに最下位に転落し、3/8はトータルでマイナスなのに2着順アップの7位浮上という面白い展開になっています。

続く3/12は1-1着でついに6位に浮上。不振を極めていた松ヶ瀬隆弥選手が4戦連続連対となるトップを取れば、勝又選手が雷電本田朋広選手を半荘最終局に土俵際のうっちゃりで2着に沈めるトップと、この頃からチーム全体が超確変モードに突入した感がありました。

3/14は再び松ヶ瀬-勝又リレーで2-1着。勝又選手はこの日も再び雷電(黒沢咲選手)を半荘最終局で2着に落とす逆転トップを獲得。この時点でチームポイントは-169.6ptsまで戻し、7位BEASTと161.6pts差をつけていました。

もし風林火山が5/17にシャーレを掲げることとなるのであれば、3/12と3/14の計4試合で6位浮上&一気に下位を突き放す強烈な差し脚を見せたことが最大の要因だったのだと思います。そしてその中心には2戦連続でライバルの雷電を最終局のハナ差差し切りで2着に突き落とした勝又選手がいたということです。

もう止まらない

3/19は第1試合で亜樹選手が久しぶりの4着となるものの、第2試合は勝又選手がしっかりトップを取ってリカバーに成功。そして3/25は1-3着、3/29は勝又選手の連闘で1-2着となって、終わってみれば6位滑り込みどころかABEMASまで抜いて5位でレギュラーシーズンをフィニッシュしました。

最下位転落から最終試合までの18試合は以下の通りの成績でした。

*二階堂亜樹   1-1-1-1   10.5pts
*勝又健志    4-2-0-0 278.8pts
*松ヶ瀬隆弥   2-3-1-0 128.3pts
*二階堂瑠美   1-0-1-0   40.3pts
*チームトータル 8-6-3-1 457.9pts

18戦8勝で連対率は77.7%という驚異的な追い上げでした。

麻雀はどうしても運の要素が大きく絡むので、必ずしも実力通りの結果とはなりません。当然全勝することが最大の理想ですが、それが無理であるということは言うまでもありません。
個人的に思う最高の理想は、以下の3つが全て伴う成績ではないかと思います。

*連対率が5割以上
*2着より1着が多い
*4着より3着が多い

風林火山のラスト18試合は、上記3つが全て揃った理想的なものだったように思います。

セミファイナルでも勢い衰えず

セミファイナルは各チームが稼いだレギュラーシーズンのポイントが半減します。プラスのチームは純粋に半分に減らされ、マイナスのチームは逆に借金を半分返済することになります。
風林火山はレギュラーシーズンを-16.6ptsでフィニッシュしたため、セミファイナルはその半分の-8.3ptsでのスタートとなりました。
これは6チーム通じて1番ポイント変動が少なかったチームとなります。
ちなみに圧倒的なトップ通過だったU-NEXT Piratesは443.8ptsも減らされてのセミファイナルスタートでした。

セミファイナル2日目となる4/9からスタートとなった風林火山。3-1着でデイリーではプラスだったものの、前日のABEMASの連勝などもあって最下位に転落となりました。それでも2位浮上のABEMASとは88.2pts差なので、1日でひっくり返ることも十分ありうる状況でした。

4/11は2-2着で手堅くまとめて落ちてきたサクラナイツをかわして5位浮上。4/12は亜樹-勝又リレーで1-1着となり、3チームを一気に捲って2位となりました。
セミファイナルに入ってもレギュラーシーズン終盤戦の勢いはそのままで、実況の日吉辰哉プロが言うところの「風」がもはや暴風となって他チームを吹き飛ばしていました。

その後5日間10試合でも着実にポイントを稼ぎ、4/29にはついにその背中さえも見えていなかったPiratesを捕らえて首位に浮上しました。
そしてチームにとってのセミファイナル最終日となった4/30は、第1試合で松ヶ瀬選手が今期セミファイナルではチーム初となる4着を引いてしまうものの、第2試合で亜樹選手が+106.4ptsという超特大のトップを取って首位キープのままファイナル進出を決めました。

驚異的なチームスタッツ

セミファイナルは全部で20試合。それを以下の通りで終えています。

*二階堂亜樹     4-0-2-0 248.0pts
*勝又健志      2-1-0-0 123.1pts
*松ヶ瀬隆弥     2-2-1-1   68.2pts
*二階堂瑠美     2-2-1-0   81.2pts
*チームトータル 10-5-4-1 520.5pts

20戦10勝で連対率は75.0%。もはや誰も止めることができません。
2/27の試合前に-474.5ptsだったチームがセミファイナル終了時で512.2ptsです。前述の通り、セミファイナル進出に伴うポイント調整は8.3ptsしかなかったので、ほぼこのポイント通りの上昇であったということです。
そして何と言ってもチームの頼れるエースである勝又選手が1番登板数が少ないのにこの成績というのが大きいです。

さらにレギュラーシーズン最下位からの約2か月間、計38試合のトータルは以下の通りです。

*二階堂亜樹       5-1-3-1 258.5pts
*勝又健志        6-3-0-0 401.9pts
*松ヶ瀬隆弥       4-5-2-1 196.5pts
*二階堂瑠美       3-2-2-0 121.5pts
*チームトータル 18-11-7-2 978.4pts

38戦18勝で連対率は76.3%。1,000pts弱をたった2か月で叩き出すというとんでもないことをやってのけています。ラスがたったの2回というのも嘘みたいな話です。
そして勝又選手は1人で400pts以上を稼ぎ出してその間1度も逆連対なし。出れば確実にプラスを持ち帰ってくるので、これほど頼れる選手はいません。

風林火山は勝又選手もそうですがチームの傾向として、落ちるときは目も当てられないほどの悲惨な落ち方をするものの、上昇気流に乗り出すとスターを取ったマリオの如くこの世で最強の麻雀チームとなります。これだけ乱高下の激しいチームは見ていてハラハラドキドキで、それもチームの魅力の1つなのかもしれません。

そしてその後どうなる???

これを書いている今日5/2はセミファイナルの最終日。現在首位の風林火山と2位Piratesは84.3ptsの差がついています。
もちろん数値理論上は3位サクラナイツと4位ドリブンズにも1位通過の可能性はありますが、それは無理ゲーなので実質風林火山とPiratesの争いとなります。
風林火山がこのまま首位キープで終わったとしても、Piratesに差し返されて2位に落ちたとしても、いずれにせよ勢いは断トツの状況で、果たしてこの「超確変」状態がファイナルまで続くのかどうか、要注目です。

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