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AF34Dio 2023#65 燃料ポンプ交換

すでにどこかで書いたかもしれないが、あらためてHONDA Dioについて書いてみよう。
初期型がAF18でメットインでフロントポケットがない。
次いでフロントディスクブレーキを装備したのがAF25
ドラムブレーキに戻ってポケットがついたのはAF27、そいつをディスクブレーキ化したのがAF28
シリンダーが寝ているエンジンに変わったのがAF34

そのあとが判りづらい。
AF34・AF35ともエンジンの型式はAF34E、しかもそれぞれ前期・後期と分類することがありバリエーションが多すぎて、車両を見ただけではもうわからないといってさしつかえない。
2001年に水冷4ストロークエンジンのAF56が発売になって、2ストDioの生産は終わるのだけれど、20世紀はもう20年以上前の話で、現在ではフレーム番号とエンジン号機番号が一致していない車両も多く、外観だけで車両の正体を言い当てることは不可能ではないかと思う。

では、整備・改造を進める上では、どうするかというと、手を入れたいところを開けて観察・計測してみるところから始めないとならない。
ドライブシャフトの長さが違っていたり、コネクタのピン配置が異なっていたりするので、いちいち確認してから部品調達しないとムダな買い物をすることにつながる。

困ったことに、AF35のZXは速い、との通説が出回っていて、これに手を加えてさらに速いマシンにするのだ、と意気込む人がいる。

もう一度いうけれど、AF35のZXかを判別するには、特徴的なところを開けてみないとわからない。
外側に「ZX」と貼ってあるから、は全くあてにならない。

「AF35 ZX」だ、と聞かされて見にいくと、ディスクブレーキがついていない。
これ違いますよ、と言っても、ご本人は騙されたことを認めたがらない。
なにしろ、交換部品をいくつも用意してある。
CDI、クラッチ、センタースプリング、セルスタートピニオンギア、ドライブベルト、燃料ポンプ。
このうち、CDIは装着してあるという。
で、始動できない、と。

そりゃ交換したCDIがダメなんでしょ、交換してから始動できないなら。
けれども、燃料ポンプを交換してくれ、と言う。
CDIを交換する前からエンストすることがあって、ネットで調べたら燃料ポンプを替えて対策した事例を多く見た、からだそうだ。

考え方が違うなあ、今どきの人だなぁと思いながらも、やってくれと言われればやります。

思ったよりも外装を外していくのは簡単に進んで、燃料ポンプのキャブレタ側ホースを外し、負圧ホースを口で吸ってみた。
ガソリンは出る。
が、それでも替えますか?とはもう訊かなかった。
では、新しいほうに載せ替えてタンクとホースでつなぎ、負圧ホースを同じく吸ってみた。

出る。

疑り深い人、あるいはちゃんとした設備があるなら、キャブレタに直接ガソリンを送り込んでエンジンを始動させ、燃料ポンプからの供給量を観察する。
なにしろ昨今は、新品で販売されているパーツが使えないことが多いからだ。
路上で作業しているなら、出る、だけしか見られない。

新燃料ポンプに替えて、エンジン始動を試みるも火が入らない。
セオリーどおりプラグを見ると、火花が飛んでいない。
CDI が原因ですよこれは、と言うと、ノーマルCDI があるのでつけ替えようと言う。
ノーマルCDI ではあっさり始動する。

う~ん新品CDI なんだけどな、と言うけど、AF35 用ではダメですよピン配置が違うので、と言ったけれど、あまり納得いかない様子。

ピンを差し替えれば使えるかもしれないです、とは言ったけれど、やらないだろうな。

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