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ジョーカー50 2024#19 エンジンスワップ

ジョーカー50、これまた古い車両である。
走行中に駆動系でなにかが起き、走行不能になったらしい。
カバーを開けてみると、ベルトが切れ、ドライブフェイスが外れており、プーリーが外れないくらいにクランクシャフトがキズついていたので、エンジンを丸ごと交換することを画策したのだと言う。
ドライブフェイスのナットが外れて、ベルトが暴れて切れた、といったところか。

修理はできなくないだろうけれど、クランクシャフトを削ってプーリーを取り出すのは必須作業で、削ってダメならクランクシャフトの交換になる。
こうなると、高額の修理金額になるので、多くのオーナーは廃車にする。
エンジン一基を購入する金額で、もっと安定稼働する車両が買えそうなものだけれど、その車体・車両に思い入れがあるのであれば、エンジンスワップも修理の一環といえよう。
クランクシャフトの交換修理よりも、中古エンジンを購入して載せかえるほうが、安価になることが多い。
不思議な時代だ。
もっとも、載せかえた後のエンジンが、そのまま使えるのかは、ほとんどの場合やってみないとわからない。

ただ、小型スクーターのエンジン換装は案外簡単で、空冷ならなおさら簡単である。
しかも、ジョーカーはセンタースタンドがフレームについているので、簡単な中でも楽なほうといえる。

車体から外していくのは、ブレーキケーブル・電気配線・スロットルケーブル・サスペンション。
分離給油であれば、これにオイルホースが加わるけれど、準備をしてあればたいした問題じゃない。
ひととおり解放したら、エンジンのリンケージシャフトを抜く。
以上の逆手順で新エンジンを接続すればよい。
「換装」といってはいるけれど、じっさいには「着脱」である。
一般的な二輪車はフレームにエンジンが「載っている」けれど、スクーターのエンジンは「繋がっている」だけだからだ。

実録的にいえば、ホイールとマフラーの換装もやったけれど、作業開始から約3時間で換装は終わった。
エンジンオイルのエア抜きを兼ねて、数回キックを踏み込むと、そこそこの重さがあるので、持参したら圧力計は使わないことにした。
オイルのデリバリーパイプからオイルが出てきたところで、キャブレタにつないでエンジン始動。
その後、外装品を装着していき、試走にこぎつけたときには、日が傾いていたけれど、だいたい想定どおりの所要時間で完了した。

やったことのない人からすると、すごいスピードで作業したな、との印象らしい。
そんなに急いだつもりはないんだけどな。

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