リアルホラーな夜の遊園地
「あれ乗りたーい」
そう叫んだのはぼくら子供ではない。母親だ。 ゆっくりと回り始める円形の金網に内側を向いて立ち並ぶひとたち。その金網にに張り付いたまま回転の速度が上がり、やがて円の中心部がクレーンで空に向かい上昇して行くアトラクションだ。
小学生だったぼくら兄弟三人は母親の運転する車で、夜の遊園地にいていた。父親が出張で不在がちだった我が家。ストレス解消のためだったと思しき車好きの母親に付き合わされ、事あるごとに夕食後に都内のドライブに出かけるという習慣があった。休みの