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私の昭和歌謡79 遠くへ行きたい 1962

17歳どこか遠くへ行きたいと夢を見ていた今も見ている


【辰年の歌手特集 ジェリー藤尾】

1月は辰年の歌手を特集しています。


「遠くへ行きたい」は、日曜の旅行番組だった。
だからテーマ曲は、もちろん知っていた。
六八コンビだということも知っていた。
そして、デューク・エイセスの歌だと思っていた。

辰年の歌手特集なので、ジェリー藤尾を見つけた。そして「遠くへ行きたい」が彼の曲だって初めて知ったのでした。

この番組ではたくさんの歌手がテーマ曲を歌っています。
私は、この曲のテーマ、

なんだか、わからないけど、どこかへ行ってみたい。
そうすれば、夢とか愛とかにめぐりあえるような気がするから。

という気持ちにさせてくれるのは、藤圭子。
それから、渥美清。で、ジェリー藤尾。

朗々とうたったり、澄んだ声は、どうも、この曲には、合わないような気がする。音程が悪くても、しゃがれていても、胸を打つ声の質ってある。

そういえば、若いジェリー藤尾より、もうひ孫がいる77歳の彼が歌う、この曲は、しみじみしてしまう。

なんか、トミー・リー・ジョーンズみたいなシワクチャなお爺ちゃんになっちゃって、一言ひとこと、かみしめるように歌う歌は胸を打つ。

幸せ家族の見本から、泥沼離婚、娘は父親についた。晩年は、高級施設へ入居するも、モテるので恋愛ざたで退去して、次女と同居。そこへ、離婚した妻も顔をだすことができて、思い残すこともなく、「どこか」ではなく、「あの世」へ旅立っていった。

いろいろなことがあっても、最後がよければ、幸せな男といえる。

子供の頃、ボーイソプラノのようだった私の声は、今ではハスキーなおばあちゃん声になってしまった。

声を失う、と思うと悲しい。若い頃は、すごく上手に歌えた曲が、今では歌えない。思うように声が出ない。くやしい。

でも、よく考えたら、私の声だって、私と一緒に人生を歩んできたんだと思う。

そういう私でも、今の声で歌える歌がいくつかある。「遠くへ行きたい」はその一つだ。思いや声を受け止めてくれる作品なんだ。

ジェリー藤尾の77歳の歌。感動の歌唱だ。



【参考資料】






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