見出し画像

会社という「船」について(会社を離れるにあたり)。

2020年は、誰にとってもいろんなことがあった1年だっただろうと想像します。僕にとっても御多分に洩れず、36年生きてきた中でかなり「特別な年」でした。

そんな年の最終日のご報告ですが、エードットを12月で離れることとなりました。取締役副社長は11月にすでに退任しており、12月で仕事を終え、1月から新しい会社をスタートします(新しい会社についてはまた年明けに報告します)。喧嘩別れなどではなく、僕の新しい挑戦というワガママを聞いてもらったという流れです。

5年ほど前に、まだ10名ほどだったエードットの伊達さんと出会い、その思いを共感・共有してエードットにカラスという会社を作るかたちで参加しました。

そこから5年間はただただ全力で走り続けてきました。常に会社の徒歩圏内に住み、プライベートはほぼ捨てさり、仕事に打ち込む日々でした。会社は2019年春にマザーズに上場し、150名ほどの規模になりました。

会社というのは、一つの有機的な「船」のようなものだという認識を持っています。行き先があって、それを共有する人たちとともに、仕事をしながら船をこいでいく。大きな船もあれば、小さな船もある。嵐の日もあれば、風がなく進まない日もある。行き先もそれぞれで、進む速度もそれぞれです。

僕がエードットで共有していた行き先は、自分たちの世代で「広告産業のオルタナティブをつくる」というようなものでした。「メディア」を軸にした広告産業から脱却し、メディアに依存しない「クリエイティブ」を軸にした会社としてインパクトをつくっていくことです。

その行き先へは、僕がひとりで漕ぐよりも、伊達さん・エードットと漕いだほうが早く辿り着くだろうと感じたし、その僕の見立てはまったく間違っていませんでした。この5年間がなければ、到底いまの自分にも辿りつけていなかったのだと思います。

しかし5年間もやっていれば、少しずつそれぞれの「目指す行き先」も変わってきます。もしくは進んだにつれて、目的地が明確化していくということもあります。それもそれで、間違ったことじゃないと思うのです。

今回、僕はエードットという船を降り、自分の小さな船を漕ぎ出します。そのほうが5年後・10年後にこのずっと遠くの海で再会したときに、より意味のある大きな仕事が共にできるだろうと確信しているからです。

僕は自分の人生の中で、この広い海で「どこまでたどり着けるのか」ということにしか基本的に興味のない人間です。できる限り遠くまで、できる限り新しく、できる限り美しい景色までたどり着けないだろうか。そのために船をわかち、進んでいくことに決めたという話です。

最後に、僕は伊達さんという経営者を心から尊敬しています。輝かしい未来への航路を信じています。そして、またこの海のどこかで大きな仕事を共につくれる日を夢見ています。ここまで、本当にありがとうございました。

2020年は海に大きな嵐が吹き続けたような1年でした(まだ終わっていないけれど)。2021年は誰にとっても気持ちの良い航海でありますように。素敵な朝日や夕日を眺め、穏やかな心で美しい景色をみれますように。誰にとっても幸せな未来を、心から祈りながら。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?