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レンタル自転車生活と、都市の「意思」(2021/09/10)

2週間ほど住んでみて、日本で住んできた街と当地(特に再開発地帯)の違いをユーザー視点のみの第一印象でメモしておきます。

レンタル自転車でどこまでも

今はそれなりに都会のホテルに住んでいるため、そこかしこにレンタル自転車Vélo'vのステーションがあり、子どもが学校に行っていて不在の時間帯はメトロやトラムではなく自転車で出かけることが多いです。

当地には生活道路で自動車は一方通行のような狭めの道路でも自転車レーンの設定があり、しかも人と人がすれ違える程度の幅の歩道もあります(渡航直前に住んでいた神戸の自宅近辺はそれなりに歩道があったのであまり変化がないのですが、これまで住んでいた中で一番歩道が狭いミルフィーユ県シティーリバー市と比べると歩きやすさは格段です)。その分、車の通れる道幅が狭くて驚くくらいです。

「意思」を感じる都市整備

数日前、ショッピングモールに冷凍餃子を探すためだけに自転車を走らせたのですが、このインフラを整えるのにはやはり都市としての意思があるなと思わざるを得ない箇所を通り過ぎたのでメモしておこうかなと思います。

まず、下の写真は歩行者・自転車・トラムだけを分離した橋です。

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並行して自動車専用道路があります。このような分離構造自体は日本においても結構あると思うのですが、橋の両岸からそんなに離れていないところにVélo'vステーションがありますし、比較的橋の勾配がきつくなく、車以外での移動が当然の手段として利用できる感があります。

加えて、以下はモール近くの道路の写真ですが、右端が歩道、真ん中にあるのが自転車道、一段高くなっているトラムの乗り場という構成になっています。自動車「以外」に割かれた道路面積の広さが一定程度分かるかなと思います。

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都市のデジタル化と「意思」

昨今、スーパーシティ(全都市提案し直しのようですね)、それ以外のスマートシティなど、都市を便利にするためにデータを利用しようという動きが複数経路で走っていると認識しています(お休み前の業務としても近縁にはありました)。ただ既に人口に膾炙した話ですが、デジタル化すれば何でも便利になるわけがなく、やりたいことや解決したい課題に即して技術を当てはめるといった流れが自然であり、裏を返せば「意思」を持って進めたい何かがなければ技術がいくら進もうとも解決は得られにくいです。

さらに利害の異なる人々における集団の「意思」は把握も調整も難しいため、道や建物という物理物をもって解決につなげるインフラの整備はより難しくなっていくというのが自然な認識かなとも思われます。

いま当方が生活に伴って移動しているのが再開発が盛んな地域ということもあって、より明確に都市としてやりたいことが道路に現れているのかなと思わなくもないため、開発にあたってどのような目的と目標を持ち、住民の意見をどのように聞き、どのように意思決定して進めてきたのか、せっかくなので資料や論文も読んでみようと思っています。そろそろ日常生活以外の活動に入っていきたい。

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