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GPT-4と作る「ソクラテスによるコーチング」

GPT-4と対話しながらソクラテスがコーチ役となったコーチング対話例を作成しました。結果的にはかなり手を入れてしまったので、大半は私自身の文章になっていますが、コーチングにおける基本的なコーチの態度を学んでいただくことや、ソクラテスの思想に触れていただく上で有益だと思いますのでご参考までに。ちなみにコーチングのスタンスはロジャーズのクライエント中心療法がベースになっています。

ソクラテスのコーチング

ソクラテス:こんにちは、今日はどういうテーマでお話ししましょうか?

クライアント:はい、、、最近、友達との人間関係がうまくいかなくてどうすればいいかわからなないです。

ソクラテス:友人との関係性を扱っていきたいのですね。分かりました。ご友人との関係に具体的にどのような問題を感じていますか?

クライアント:友達と話すと、いつも自分がつまらない人間だと思うようになってしまいます。仲間内で会話を盛り上げることができなくて、話題にもついていけないし。自分が話をしても反応が悪い気がして、だんだん自信がなくって、何を話していいかわからなくなります。

ソクラテス:なるほど、、、仲間内で話をしても、自分の話を受け入れてもらえていない感じがして、それは、、そう、孤独を感じてしまう。

クライアント:そう、孤独。友達と一緒にいても、自分は本当は一人なんじゃないかって感覚が出てくる。

ソクラテス:自信がないとおっしゃるのは話がつまらない人間だからとおっしゃった。他にも自信が持てない気持ちを深めてしまう何かはありますか?

クライアント:・・・・そうですね。でも自分に自信がないのは今に始まったことじゃないかなって、いまふと思っちゃいました。オレ、だめだな、はは。

ソクラテス:自分に自信がないのは今に始まったことじゃない。それは・・・以前から自分の中にあった気持ちだと。

クライアント:私は、これといって何も取り得がないんです。得意なことがないんですよ。自分には何の強みもない。周囲は何かしら誇れるような個性を持っているのに。

ソクラテス:・・・そうですか。今日は友人との関係への悩みから話を進めていますが、その思いを生じさせている根底には、自分への自信のなさ、誇れるような個性のなさに対する思いがあるのですね。

クライアント:そう・・・そうです。僕には自信を持てる強みがない。それが問題だと思います。うん、もっと言えば、そう自分が思ってしまっていることが問題かな。

ソクラテス:・・?いま、「強みがない」ことも問題だけど、「強みがないと自分が思い込んでいることが問題」とおっしゃいましたか?

クライアント:言いましたよ?

ソクラテス:私の理解のために教えてください。丁寧に理解したいのです。「強みがない」ことと「強みがないと思い込んでいること」をあなたは分けて話をしてくださった。このことは何を意味しているのでしょうか。

クライアント:いや・・・別に・・・。ただ単に・・・「本当にそうかな?」って思ったんです。それに強みと言えなくても、自分には自分にとって、得意であったり、好きであったりする何かもあると思っていて、そういうこと考えてなかったなって。自分はダメだって決めつけて。

ソクラテス:とても重要なことをおっしゃっている気がします。確かに諺には「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますね。楽しんでやることによってうまくなるものであるということ、又は、あることに熟達するには、それを楽しめるようになることが肝要であるということ。そういう意味がありますが、あなたの中には、「強み」と言えなくても「好き」と思えることがあるということでしょうか?それを掘り下げるのは価値があるようにも感じています。

クライアント:好きと言っても大したことじゃありません。昔から読書が好きで、いまも読書は好きですね。

ソクラテス:どのような本を読んでいますか?

クライアント:少し恥ずかしいな・・・・まあいいや。小説や詩集が好きなんです。少し昔のものが好きですね。明治から昭和の初めころの作品を好んでいます。なんであんなに人間は悩めるだろうなんてね。面白くて。

ソクラテス:それは興味深いですね。あなたにとって小説や詩集を読む喜びとはどんなものですか?

クライアント:うーん、いろんな人の人生や感情を追体験できることはすごく刺激になりますね。「昔の人はこんなことで悩んでたんだー」的な。自分の伺い知れない、様々な境遇とか感情とかを経験できるのは単純に楽しいです。好奇心ってやつかもしれないですね。そういう登場人物の感情の機微が書かれているように思うのが、昔の純文学なんです。

ソクラテス:そうするとあなたは、小説や詩集を読むことを通じて、ありとあらゆる人々の人生の見方や、喜怒哀楽などの感情経験を追体験し、それに感動したり、考え方を学んだり、新しい発見をしたりを繰り返していると。

クライアント:おっしゃる通りですね。いや、それが何の役に立つのか知らないですが、そういえば他者の感情に人一倍敏感だったり、人の想いに共感して手を差し伸べることができるタイプかもしれません。いままで気づかなかったけど、読書経験がそういう感性を育てている可能性はあるかも。

ソクラテス:あなたが読書を通じて培ってきた感性や知識、そして共感力は、あなたが読書を好んできたことによって自然に培われていった、あなた独自の「強み」の1つかも・・・私はそう感じつつあるのですが。

クライアント:ええ、そうですね。確かに自分の感受性や共感力は自分の強みというか持ち味ではあると思います。でも、それって友達との関係にどう繋がるんでしょうか。

ソクラテス:そうですね・・・友達との関係にどうつなげていくのか・・・でも少なくともあなたの持っている感受性や共感力は、人との豊かな対人関係を作る助けになりますね。しかも、あなたによって励まされ、勇気づけられる人が生まれ得る。

クライアント:ええと・・・少し見えてきた気がします。仲間内で会話を盛り上げることができなくて、話題にもついていけないと思っていたんですが、それって何というか、ゲームとか趣味とか、そうしたコンテンツに関する話題だったりするんです。そういう話題にはあんまり自分は興味が湧かない。でも、誰かの悩みを聞いたりとか、チームをどうまとめていくかとか、人の気持ちをテーマにした会話だと、結構頼りにしてくれる人がいることに気がつきました。

ソクラテス:なんと。ではあなたが自分自身を「話が下手」だと表現するのは正確ではなくて、外的なコンテンツの話題に関心がなくてキャッチアップできないけど、人の気持ちをテーマにした内省をようする会話であれば、人の助けになれるし、あなたも関心を持てて、自信も持てるということですか?

クライアント:そう。まさにそうですよ。それは自分にできるし、自信が持てる。そうか、強みはあったんだな。

ソクラテス:ここまで解像度を深めたあなたの豊かな才能、しかも素晴らしいことに、これはあなたの長年の読書経験が可能にしたかけがえのない個性でもあるわけですが、さて、これを友人関係など日常にどう活かしていくか、そこを明確にできると素晴らしいと思います。

クライアント:友達との会話において、趣味や特定のコンテンツなどの話題に無理に合わせて盛り上がろうとしなくていいのかも、って思えてきました。そのようなことをして話を合わせても、それは自分にとって満たされる経験にならないと思います。その結果として、興味が合わなくなって疎遠になっても、別に構わないなと。でも自分はもう少し深い対話、感情をシェアしあうとか、悩みに共感するとか、そうしたことは得意で、しかも楽しい。そうした関係性でつながれる人もいると思うし、いまの友人たちとも、そういう話題に踏み込んで、お互いに助け合う関係になれるかもしれないと思います。

ソクラテス:あなた自身が見出したあなたの個性や強みをしっかりと意識し、あなたが動機を持てる形で、いまの友人関係をより豊かなものにしていく。あなたがおっしゃったのはそういうことです。素晴らしい・・・。互いに動機が持てない場合には疎遠になるかもしれないけれど、それに確かに、趣味や興味が合わないと疎遠になることもあるでしょう。しかし、あなたが得意と思えることに対する熱意や情熱を持って人と関われば、それを受け入れてくれて、心を通じ合うことができる友人もいるのでしょうね。

クライアント:なるほど、こういう考え方もあるんですね・・・。自分が自信を持って、自分にとって楽しいことをしていれば、友達との関係含めてたくさんのことが自然に改善するかもしれない。なんかそう思えてきました。

ソクラテス:少なくともあなたの資質、高い感性、共感力というものは非常にパワフルなものだと思います。この、あなた自身が自信を持ち、自分にとって楽しくて発揮したいと心から思える感性、共感力に焦点を当てて表現することは非常に有望だと思います。友達との関係性が深まることは間違いないように思います。

クライアント:わかりました。自分の個性に自信を持って、自分が楽しいことをして、豊かな関係を作る。改めて考えると、自分がどうすればいいかわかってきたような気がします。ありがとうございました。

ソクラテス:どういたしまして。また何かあったら相談してください。

クライアント:今日、ソクラテスさんは私の話を丁寧に聴いてくださったので有難かったのですが、何か心掛けたというか、話の指針にしたことってありますか?

ソクラテス:

そうですね。本日の対話で納得できる答えを見出したのはあくまであなた自身ですが、今日の対話において私が指針にした考え方をお示ししておきますね。

人間は、より善く生きていく上で自己探求をすることがとても大切だと私は思います。自己探求を通じて自分自身を認知することで、自分の思いをどのように尊重し、自分自身を勇気づけ、幸福な人生に導くことができると考えています。例えば今日のあなたのように。

自己探求は、自分自身に問いかけることから始まります。自分自身に真摯に問いかけることで、自分自身の内面を探求することができます。これが案外人間にはできないのです。現にあなたもコーチングの冒頭では、自分の読書習慣で築き上げた豊かな美徳を意識していませんでした。自分自身を丁寧に省察することで、自分自身について理解することができ、人生をより充実させることができますよ。

自己探求は、自分自身にとって時にはとても勇気のいることです。自己否定感が強いと、自分自身に向き合おうという気持ちに人はなかなかなれません。自分自身に正直に、率直に向き合うのは時に難しいことですが、それを進めていくプロセスが自己成長に繋がると私は信じています。自己探求を通じて、自分自身を理解し、自分自身について素直に話すことができるようになることは、とても価値のあることです。

自己探求は、自分自身に対する愛情を深めることでもあります。自分自身を愛することで、自分自身を受け入れ、より成長することができるようになります。そして、自己探求をすることで、自分自身を知り、自分自身を認知し、尊重し、勇気づけることができます。それが、あなたが自分自身を知ることで、人生をより充実したものにすることができるということです。

(筆者より)

ソクラテスの考え方もそうですが、この対話の非指示的なスタンスも個人的には素晴らしいなと思っています(自画自賛w)。

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