論点（イシュー）

新規事業の企画をする際、すでに競争が激しい市場＝レッドオーシャンで成功するのは難易度が高いため、誰も手を付けていないブルーオーシャン（未開拓な新規市場）を狙いなさい、とよく言われます。とはいえ、ブルーオーシャンをどのように見つければ良いのでしょうか？

既存の競争軸（レッドオーシャン）での勝負は厳しい

例示として、架空の恋愛市場を例に取ってみます。現在、下記のようにレッド君とグリーン君がいて、激しく競争しています。現在の競争軸は、外見（イケメン度）と財力（車・年収）軸だと言えるでしょう。

この世界では、各競争軸（イケメン度～優しさ）までの各要素に割り振れるスキルポイントがあり、スキルポイントの合計はレッド君は23ポイント、グリーン君は20ポイントです。この世界に、スキルポイントの合計が13ポイントのあなたが転生してきたとして、どのように勝負していくのがいいでしょうか？
※スキルポイント合計値13ポイントを増やすことはできません。残念ながら、転生ボーナスのチートスキルはない状態です。

既存の主要な競争軸（外見・財力）に、スキルポイントをなるべく多く振って転生した場合は、下記となります。

あなたは、スキルポイント合計値は13ポイントと他の競合よりも少ない（経営体力が少ない新規参入者）であるため、頑張ってもせいぜい上記程度です。外見、容姿はレッド君・グリーン君を上回ることはできず、他の要素も競争相手と大きく変わらない状態のため特徴がなく、あなたに彼女ができることはないでしょう。

競争軸を変えてブルーオーシャンを見つける

次に、ブルーオーシャン戦略を取ってみます。下記であれば、どうでしょうか？
※あなたのスキルポイント合計値は13ポイントで変わっていません。スキルポイント合計値を全要素最大にできる35に増やすという戦略を取れればあなたの勝利は間違いなしですが、イーロン・マスクのような大富豪でないと難しいです。

あなたは、外見・財力という既存の競争軸での勝負（レッドオーシャン）での勝負は捨てました。当レッドオーシャンの要素を重視する女性が、あなたの彼女になることはないでしょう。

しかし、コミュニケーション力・誠実さ・優しさというソフトスキル面では、あなたは競争相手の能力を上回っており、特に誠実さでは市場トップです。外見はそこそこ・財力も慎ましくても、ソフトスキルを重視する女性であれば、あなたの彼女になってくれるかもしれません。「外見・財力は最低限クリアしていれば、ソフトスキルを重視する女性」が存在するならば、ブルーオーシャンだと言えるでしょう。

このように、スキルポイント合計値（経営体力）が競合相手よりも下回っていても、レッドオーシャンを避け、ブルーオーシャンに集中することで、他社に勝負に勝つことが可能となります。

足切りに注意

ただし、競争する上で最低限の条件を確認し、クリアすることには、留意が必要です。

下記のように、極限まで多要素へのスキルポイント配分を切り詰めて、ソフトスキルを更に強化したとしましょう。

さすがに、年収が0だと生活ができないでしょうし、清潔感ゼロも恋愛市場で予選落ちとなると考えられます。こういった衛生要因（ありすぎても評価向上には限度があるが、ないと低評価につながる要素）には留意が必要です。（当記事内容は例示であり、年収、清潔感が、衛生要因であるかは、人それぞれです。）

新たな競争軸の追加によるブルーオーシャンの創り方

需要があるのであれば、下記のような新たな競争軸（この例だとオタク度）を追加することにより、ブルーオーシャンを創り出すことができる可能性があります。
※下記も、あなたのスキルポイント合計値は13ポイントで変わっていません。

サマリ

既存の競争軸（レッドオーシャン）での勝負に勝つためには、多くの経営体力が必要であり、新規参入者には厳しい戦いになります。

レッドオーシャンでの競争軸を足切りラインぎりぎりまで簡素化し、その分の経営リソースを他の競争軸で勝つこと集中することで、低コスト化戦略と高付加価値戦略を両立させることが可能となります。

これがブルーオーシャン戦略の本質だと考えます。