見出し画像

コロネの宝本棚#001_R65不動産代表・山本遼さん

こんにちは!プロデュースユニットcornecom(通称コロネ)のしま&もぬです。コロネの宝本棚マガジン第1弾ゲストは、R65不動産代表の山本遼さん。心に残っている大切な本「宝本(たからぼん)」をうかがっていきます。

画像1

「コロネの宝本棚」マガジンとは?
新卒社会人しま&もぬによる、ゆるゆるプロデュースユニットcornecom
(通称: コロネ)のプロジェクト。様々な人たちの、心に残る本「宝本」をインタビューしていき、これから読むのがわくわくする本を集めていきます。インタビューの様子は、コロネのきまぐれラジオで音声配信もしています!※noteは一部抜粋
詳しくは→→→プロジェクト始動のワケ

---------

1. 第1回ゲスト・山本遼さんってどんな人?

山本 遼さん(以下: ポル兄)「株式会社R65不動産代表の山本です。僕は不動産が好きで、65歳以上の方に向けて不動産を紹介するサイトR65不動産や、いくつかのシェアハウスの運営をしています。"人の暮らしをつくる"ことにとても興味がある、29歳男性です笑。よろしくお願いします。」

しま&もぬ「よろしくお願いします〜!わたしたちは普段"ポール兄さん"と呼んで親しませてもらっています。」

画像2

左: もぬ、中央: 山本遼さん(ポル兄)、右: しま


もぬ「はい、まず今回ポル兄をゲストにお呼びした訳を簡単に話すと。ポル兄はたくさんの事業をやられているんですけれども、全部楽しみながらやっているなという印象で。私たちはすごくファンなんです。」

ポル兄「おお、ありがとうございます(照れ)」

もぬ「はい(照れ)。ただ、まだわたしたちが知らないポル兄の側面もたくさんあるだろうということで。宝本を通して、新たな一面も見てみたいな、ということで今回お話をおうかがいしたいなと思います。」

---------

2. 山本遼さんの宝本『死すべき定め』

ポル兄「今回ぼくがこのお話を聞いた時に思い出したのが、『死すべき定め』という本です。この本に出会ったのはつい最近で。『"人がどういう風に最期を迎えるか"をテーマにした本は色々出ているけれど、これはオススメだよ』と言われて読んだ本です。」

もぬ「本の中身をちょっと読んでみたんですけれども、お医者様が医学の観点も交えつつ、高齢者の老後の人生をいかに豊かにしていくかという話があったかと思うんですけれども。けっこうR65不動産でやられていることに近いこともあるのかな、と思いました。」

ポル兄「そうですね。あとは、登場人物の1人に29歳の女性がいて。最終的に癌で亡くなるんですけれども、その方ちょうど子供が生まれたばかりの時に、お医者さんはこの人はもう助からないと分かるんですね。そこでお医者さんの葛藤や、家族も最後までなんとかしてあげたいけども、そこで辛い治療を続けるか、最後豊かに暮らすかという選択が迫られるって話で。

画像10

著者: アトゥール・ガワンデ|訳者: 原井宏明|出版社: みすず書房

ポル兄「すごく人生の心理だと思いましたね。だから、65歳だからっていうだけでなく。例えば自分が明日死ぬんだったらどうするか。余命2,3ヶ月って言われたら何をするかっていうのを、すごく考えさせられましたね。1回目から、死についた話をするって重いかな?笑」

しま&もぬ「(笑)。いえいえ、ふだん自分から触れていかない領域なので、こうやって紹介していただけると、視野が広まります。」

---------

3. 自分がいつも一番のユーザー

ポル兄「少し話は戻り、"なぜそんなに色々な事業をやっているのか"ってことをよく言われたりするんですけれども。基本自分がお客さんとして欲しいものしかやらないんですね。シェアハウスは楽しいからやっているし、やっていて楽しいから一緒に住んでいる。」

画像4

ポル兄「例えばR65不動産もなのですが、自分が65歳になった時にどういう暮らしがしたいかを考えながらやっていて、基本的に一番のお客さんは自分なんですね。だから"これをやったら社会の為になる""これをやる意義は"ってこと以上に、自分がお客さんだったら嬉しいなってことしかやっていないって感じですね。色んな事業をやっているように見えて、実はその1つしかやっていない。

しま「自分が一番のお客さんかあ。素敵な仕事のつくり方ですね。」

もぬ「私たちはまだ社会人1年目で、研修中の身ですけれども。モノをつくる時って、ペルソナを立てて考えるのだけど、根底には"自分ならこうしたい"とか、"この人のためにこうしたい"ということがやっぱりあって。自分や身近な人に結びついているなって最近すごく実感しています。」


ポル兄「うんうん。ぼくは新卒の時に不動産の会社に入社したんですけれども、新卒最後の月に、全社で一番営業成績が良かったんですね。とても嬉しかったけど、その気持ちが続いたのは2ヶ月くらいで。後は"どうしたらまた1番をとれるか"ってことを考えてるばかりで、それって何か違うなあという気持ちになってしまい。」

画像5

ポル兄「ただ、そこで仕事で嬉しかったことを思い返してみると、先輩が喜んでくれることとか、入居者の人がまた遊びに来ることとかで。そういうことを仕事にしていきたいなっていうのを初めて心の底で思ったんですね。数字には出ない喜びっていうものがきっとあるなと。」

もぬ「新卒社会人には、希望の持てる話ですね。そういった色々を経て、いまのポル兄があるのかっていうのを再認識しました。なかなか普段こういう話をしないので、改めてお話を聞くと新鮮な気持ちですね。」

しま「そうだね。ポル兄は入居者さんやお客さん1人1人を大事にしているなとこれまで感じていたのだけど、今のお話を聞いて"関わる人たちが喜んでくれることをしたい"という想いがより見えた気がするね。」

ポル兄「自分がお客さんだとしたら嬉しいよなってことをしたいとずっと思っていて。だから、事業でやっているって見られがちだけど、ほぼ趣味に近い感じ。趣味の延長線で事業ができているのは、良かったなって思いますね。」


もぬ「コロネは、たぶん今趣味と仕事は別々な状態で。この宝本棚プロジェクトは、どちらかというと趣味に近いような感じなんですけど。いつか趣味と仕事を近づけていけたらなということを話しています。」


ポル兄「そうか。そのためにどうしたら良いかは分からないけど、ぼくはシェアハウスを良くしようっていうよりも、自分の暮らしをよくしてから、それをシェアしているというか。自分がすごく楽しいって思える環境をただ人にシェアしているだけ。だから、マーケティングでココにぶつけにいこうっていうのをやっているわけじゃなくて、ぼやぼやと"65歳の僕がこんなことできたら幸せだな"ってことがあってから、R65不動産ができている。」

画像6

ポル兄「他にも、東京に出てきた時に友達が全然いなくて、友達と暮らすとか、大学の部室のような場所があると良いなと思ってシェアハウスをつくったとか。そういう風に、一番自分が欲しいと思ったことをやっているわけで。めちゃ言語化は難しいんだけど、そんな風にまず自分のほしいってことをやっていくと仕事と趣味が近づいていくのかもね。」

---------

4. 自分の人生を生きる①

もぬ「そのお話を聞いていると、『死すべき定め』の中では29歳の女性は病気になったことで、残りの人生をどう楽しんでいこうかってことを考えるきっかけになっていたけれど。わたしたちみたいな、病気とかではないけど、日々悩み考えながら生きている人たちにも、『死すべき定め』は改めて"自分の人生をどう楽しく生きていくか"ってことを考えるきっかけをくれそうですね。」

ポル兄「そうだね。まあ、『死すべき定め』の内容に戻ると。病院にいる間って、時間が止まっているような気がしませんか?入院している間って、状態としては無なんですよね。延命治療をすれば、寿命は伸びるかもしれない。でも、治療中のほとんどが無の時間だったらどうなのか?治療はせずに最後まで自分の人生を"生ききる"ってこともありなのかも?という葛藤があって。」

画像7

ポル兄「この話は誰も答えを持っていないし、誰にも答えが無いことなんだけど。いざ自分の親や自分の身にその選択を迫られた時に"治療は大丈夫です"って言えるかどうかは難しいよねって話が書かれていて。この本は、そういった話を改めて客観的に考えるきっかけをくれましたね。そして、死を意識した時に、大きくする・儲かることよりも、何より自分が楽しめることをひたすらつくっていくことが大事かなとも改めて思いましたね。」


しま「うーん、自分の人生をどう生きていくかということを考える時に、死というテーマは大きいですよね。。。第1回から、ディープな回になっていますね笑。」

もぬ「ディープなほうが良いんじゃないでしょうか。色が出て。笑」

ポル兄「新卒の2人にオススメするなら、もっと違う本がよかったかな?笑」

もぬ「いやいや、わたしたちにオススメしてほしい本ってよりは、わたしたちは誰かがすごく感動した本・心に残っている本を読んで"あの人はどういう風に考えて読んだんだろう"ってことも考えたいので。お話聞けて、とても面白いです。」

---------

5. 自分の人生を生きる②

ポル兄「『死すべき定め』を読んで感じたのが、今の高齢者って型にはまっているというか。例えば、施設にいると食事も、トイレも、お風呂も全部時間が決められていて。それって本当に自分がしたい暮らしかと考えた時、きっと違っていて。やりたいことがあって、それに沿ってスケジュールが組まれた方が良いし。ちょっと外に出たら徘徊って呼ばれるようなところに居たくないわけですよね。最後まで自分の人生を生きるとはどういうことか。」

画像8

ポル兄「施設にいないと危険だって言われることもあるんだけど、自分で考えてやっていることなら、本人が満足しているならいいんじゃないかって。例えば、僕のおばあちゃんは亡くなる前に寿司食べたいとか、肉食べたいとか言っていて。体には確かに悪いけど、おばあちゃんすごく嬉しそうだったんですよね。だから、安全よりも、今の人生の質というか....ぼくたち世代の話にしても、たとえリスクがあったとしても、自分の時間が濃くなるならやったほうが良いこともあるよね。」

もぬ「そうですね。最近は多様性がよく論じられていますが、価値観っていうのもそれぞれだなって感じていて。老後に限らず、ちょっとリスキーであったり、普通じゃなくても、自分にとって充実していればその方が良いのではと思いますね。人に迷惑をかけなければ、という条件もあるかもですが。」


---------

6. 「やりたいと思ったからやる」でいいじゃない

ポル兄「あとは、例えば"なんでラジオやるの?"とかってよく聞かれるけど、"なんかやってみたかったから"くらいでいいじゃないですか。でも、それをみんな聞きたがるというか。答えのないものに答えを欲しがるというか。他にも"安全だからこっちの方が良いよ"ってことも言われるけれど、果たしてその安全なのが楽しいのか?とか。安全だからやろうじゃなくて、楽しいからやろうっていうことを、言えるといいなと思ってますね。」

しま「たしかに、何かを始めたりとか、何かをやっていたりすると、裏付けが必要みたいな雰囲気あるじゃないですか...感動的なストーリーを期待するような笑。でも、きっかけって偶然の出会いとか、タイミングだったりすることってけっこうあると思っていて。もっと"やりたいからやる"とか、"楽しいからやる"を、いいね!って言えると良いですよね。」

もぬ「うんうん。理由は、けっこう後付だったりするしね。いや、面白いね。1つの本から話を聞こうってなって、ここまでいろいろな話に派生するのがすごく面白いですね。」

---------

7. 最後に

コロネの宝本棚マガジン第1弾ゲストは、R65不動産代表の山本遼さんをお呼びして、宝本についてうかがっていきました。コロネの宝本棚に新たに加わった『死すべき定め』これから読むのが楽しみです。


▼Check!
死すべき定め』の購入・ちょこっと読みはこちらから!

画像11

「死すべき定め」
著者: アトゥール・ガワンデ|訳者: 原井宏明|出版社: みすず書房


気になった方はぜひ読んでみてください!インタビューや、本を読んだ感想など、ぜひいただけると嬉しいです!!

▼感想やメッセージはこちらから!
コロネのインスタ
コロネのFacebook

「コロネの宝本棚」マガジン第2弾もお楽しみに〜!!


🌟インタビューの生の様子は『コロネのきまぐれラジオ』からもお聴きいただけます。こちらも合わせてお楽しみください!
https://anchor.fm/cornecom/episodes/01_-e4dtq8


画像9


アオシグレ外観の一部。針金で「青時雨」の文字が!

画像10

今回インタビューは、ポル兄が「移動する暮らしの実験」としてつくった
モバイルハウス「アオシグレ」にて行わせていただきました。ありがとう
ございました〜!!

いただいたサポートは、活動資金としまもぬが一緒に作業する時のビスケットサンドあいす購入代にさせていただきます🍪🍨