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ギタリスト的夏の自由研究 2 BOSSのバッファーってどんな音?

こんにちは。
Navy Springsのギター、瀬田コルネです。

今回は自由研究の第2回です。


やろうと思った理由

さて、皆さんはこんな話を聞いた事があるでしょうか?
「BOSSのエフェクターを使うと『BOSSの音』になるから嫌だ」
とか、あるいは、
「BOSSのバッファーはわざとらしいから好きじゃない」
とか。

ネットではそんな意見が散見されますが、私はこれに異を唱えます。
「バッファーの音って、分かるんか……?」と。

いや、分かる気がしないんですよね。直感では「誤差では?」という気分になります。新品を買って使った事ありますけど、違和感とか特にないですからね。
でも、条件を揃えて確かめた事はないんです。
じゃあ実験する他ないですよね。
という訳で実験しました。

「古いBOSSのエフェクターと新しいBOSSのエフェクターで差があったのでは?」という観点から、今回は比較的古いエフェクターも用意して実験しました。

条件

・使用機器

1.フェンダーカスタムショップ製ストラトキャスター(以下、ギターと記載)
今回の実験ではリアピックアップのみを使用し、ボリューム、トーンは常に最大とした。

2.KAMINARI GUITAR製シールドケーブル(以下、シールドと記載)
2mのものと5mのものを1本ずつ使用。

3.DSM HUMBOLDT製SIMPLIFIER (以下、アンシミュと記載)
イコライザーのつまみは全て12時とした。
マーシャルタイプ・スタックキャビネットのシミュレータを使用。


4.Roland製GO:MIXER PRO-X (以下、ミキサーと記載)
アンシミュのアウトから、インストゥルメント端子へ接続した。

5.パッチケーブル
ソルダーレス、約30cm。アンシミュとミキサーを接続するのに使用。

6.iPhone 13(以下、スマホと記載)
動画モードで撮影、録音した。
スマホとミキサーの接続には、ミキサーに付属していたLightning ⇔USBケーブルを使用。

7.エフェクター
内訳は以下。
 ①Petla Ive(トゥルーバイパス)
 ②BOSS DF-2(バッファードバイパス)
 ③BOSS SD-1W(バッファードバイパス)
 ④BOSS DD-8(バッファードバイパス)

・手順
1.ギターに2mのシールドを接続し、そこから各種エフェクターのインプットへ接続する。
2.エフェクターのアウトプットに5mのシールドを接続し、アンシミュのインプットへ接続する。
3.アンシミュのアウトプットにパッチケーブルを接続し、ミキサーのインプットに接続する。
4.ミキサーとスマホを接続し、撮影・録音。
5.アンシミュのインプットへ接続したシールドを抜き、エフェクターを次のものに変え、再度アンシミュのインプットへ接続し、撮影・録音。
6.手順5.を繰り返し、全エフェクターのデータを取る。
7.録音データを比較・評価する。


結果

結果は以下。


考察

トゥルーバイパスである結果1と他の3つを比べると、ハイの出方にちょっと違いがありますね。
バッファありの方が高音が出ているように感じられます。
その一方で、バッファードバイパスである結果2,3,4の違いはほぼ無いように感じられます。
聴いている分には、個人的には「弾き方でちょっとばらつきが出たか?」くらいの感覚でした。

古いBOSSと新しいBOSSの技とレギュラーラインではあまり差はなさそうですね。

では、「何故BOSSの音が悪い」という評価になったのか、という事を考えていきます。
これは私の予想ですが、昔は「音痩せして当たり前」という状態だった、という環境だったのではないか、と考えています。
そうなると、
接続が増える→ハイが落ちる→相対的にローが増えて迫力が増したように感じる
という状態だった、と考えられます。
それが、バッファーを挟む事により、
接続が増えてもハイが落ちにくい→相対的にローが細くなる→迫力がない→悪い音
という評価になったのでは?という推察が出来ます。

また、「ハイが削れて当たり前」という前提で機材が作られていたとしたら、「落ちるのを見越してちょっとハイが強目に出るようにしよう」という設計をしていた可能性もあります。
そうなれば「ハイ落ちしない」という機能のせいで、今度は「ハイが出過ぎる」という事象が起こりかねません。
そういった要因があって、「音が悪い」「音が変わりすぎて嫌」という評価に繋がっていったのでは?と考えられます。
まあ、求める音によって「何が良い音か?」は変わります。
「ちょっとハイ落ちして丸くなった音の方が好きだぜ!」という方もいると思いますので、「良い/悪い」は人それぞれですけどね。


まとめ

・トゥルーバイパス単体ではハイが落ちる
・バッファードバイパスのものを使用すると、ハイがあまり落ちなくなる
・BOSSのエフェクターに搭載されているバッファーは、年代による差、及び、技シリーズと通常版の差はほぼ無い


というところでしょうか。
個人的には、「古いBOSSのはやっぱ現行品のとはちょっと違うんじゃないの?」と予想していたので、この結果はちょっと意外でしたね。学び。


これを読んだ方の「自分の好きな音を出す」一助になれば幸いです。
機材の特性を理解して、君だけの最高の音を作り出そう!
と言ったところで、本日は以上です。

That's all for today!
これを読んだ皆様がより良い機材に出会えますように。


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