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チュートリアルは暗記しなくていい

こんにちは。イラレ職人コロです。

イラレのチュートリアル動画を見ても、なかなか手順を覚えきれなくて結局また見直してしまう。そんな経験はありませんか?

ぶっちゃけると、僕は自分で作ったチュートリアルでも、複雑な内容のものは覚えてません。だってチュートリアルは暗記しなくていいんです。

チュートリアルがそのまま役立つことは少ない

あなたが「ビーチパラソルのイラスト」のチュートリアルを見たとして、それを実際の仕事で使うことが何回あるでしょうか。

もしあったとして、傘部分の形状がチュートリアルと違う時は?傘を閉じたい時は?ビーチパラソルではなく和傘の時は?

チュートリアルの内容がそのまま仕事で使えることの方が珍しいです。大体は何らかの応用や調整が必要になってきます。

ツールの働きを理解する

ではどうすれば応用ができるようになるのか。

指示通り作って終わるのではなく、ツールやアピアランスパネルをガチャガチャいじくり回してみましょう。

指示とは逆に動かしたらどうなるのか、効果の数値を変更してみたらどうなるのか、途中の効果を非表示にしたらどうなるのか、手当たり次第に実験するのです。

チュートリアルとは細かなテクニックの集合体です。それらひとつひとつを分解し、動作を検証することで「なぜそのツールを使ったのか」が理解できるようになります。

理解できると、今度は仕事で「あのツールが使えそう!」と応用できる機会が増えます。チュートリアルの内容は、あくまでツールへの理解を深めるためのきっかけにすぎないのです。

そして脳内イラレがインストールされる

僕がホイホイと新しい技を開発できるのは、ツールの動きをだいたい理解しているので「ここはあのツールが使えそうだな」とすぐ思いつくことができるからです。それこそ散歩中や入浴中に新しい技を思いつくこともあります。これがいわゆる「脳内イラレ」です。

必要な時にチュートリアルを見るのも良いですが、空き時間などに動画を見てあれこれいじってみましょう。ツールへの理解を高めておくと、あるかどうかわからないチュートリアルを探さずとも、自分で応用できるようになるはずです。

「技を見て盗め」の意味

ここからは完全に余談になるのですが、「イラレのレシピってどうやって考えるんですか?」とよく聞かれます。

あれこれこうやりましたと説明しますが、それを真似すれば万人がレシピ開発ができるようになる訳でもありません。なぜならその説明は結果から類推した後付けに過ぎず、そこに至るまでありとあらゆる試行錯誤が繰り返されているからです。

簡単に作っているように見えるのは、その試行錯誤をすでに何回も繰り返しているので脳内で自動的にショートカットされるから。つまり経験があるからです。

だから難しい職人技を「見て盗め」というのは、とても理にかなってるかもしれません。手順という言語化された「結果」ではなく、学ぶ側が「過程」を観察し試行錯誤することで経験を積んで、ようやく本人の技術になるのではないでしょうか。

例えるなら「テストで点数をとるための勉強」と「知識を身につけるための勉強」の違いでしょうか。前者は結果を暗記するだけなので、時間経過で忘れて活かすことができない。後者は様々な知識と紐付け「理解」するから、時間が経っても忘れ にくいし難しい内容も理解しやすくなるわけです。

道具に使われてるうちは半人前。自身で柔軟に応用できてこそ一人前、という締め括りでいかがでしょうか。

ではではー。d( ̄  ̄)

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