まだ若かりし10代後半の頃、夜中にボーリングをしに行こうという約束があり、
待ち合わせまでにまだ時間があったので、友人とバーで時間を潰すことになった。
大阪心斎橋から横手の筋に入ったところをウロウロしていて適当に入ったお店が昔よくあったようなカラオケバーで、楽器が置いてあるお店だった。
そのまま奥へ入って行くと、何やら外国人のオバちゃんが歌っているではないか。

店員に聞いてみると、歌ってるそのオバちゃんはチャカ・カーンだと言う。
どうやらコンサートが終わってこの店で打ち上げをするらしい。
当時、チャカ・カーンはそれほど聴いているアーティストではなかったけれども
ビッグネームなので勿論知っていた。
本当は貸切になるところなのだけども、私達は待ち合わせがあるからすぐに出るということだったのでラッキーにも入れてもらえた。

しばらく様子を見ていたら、ずーっとチャカ・カーンがマイクを独占して煙草スパスパ吸いながらカラオケでカーペンターズを歌いまくるではないか（笑）
その当時はカラオケに洋楽が入って間もない頃だったので、洋楽と言えばカーペンターズくらいしかなかったので仕方ないのだけど、チャカ・カーンがカーペンターズを熱唱していた（笑）
いや、ここに来るまでに散々ステージで熱唱してきただろうに、、、、
ステージで何時間も歌ってきた後とはとても思えない程歌うは歌う、他人にマイクを決して渡さないことに心底驚いた。
私達がお店に入ってから出るまでずーーっとチャカ・カーンが歌っていた。
しまいにはサポートメンバーらしきミュージシャンとドラムまで叩いてセッションし始めたゾ。
恐るべしファンクの女王だね。これこそファンクだよね。
煙草スパスパだとか、ファンクを強調したらただのガラ悪いオバちゃんみたいなイメージを持つかもしれないけど、チャカ・カーンって人道主義者で慈善活動にも積極的みたいなのよね。

私はその時本当にたまたまカメラを持っていて、一応一緒に写真を撮ってくれないかとご本人に頼んでみたけど「ノー」と言われたので、彼女が楽しそうに歌っているところだけ写真を撮らせてもらった当時の写真が出てきたのでここに上げておこう。もう何十年も前の写真なので解禁してもいいかなと思う。
おそらくこの頃はチャカ・カーンがまだ３０代後半くらいと思われる。
ドラムを叩いているチャカ女王（笑）

ちなみに、Erykah BaduがChaka Khanをカバーしていた、、、

今後人前でパフォーマンスするという表現活動が大変革してゆく時代に突入して、離陸した飛行機から離れゆく地上の世界を見渡すような心情で映像を眺める。
今度着陸したらどんな世界に辿り着くのか、飛行機を降りるともう元の世界には戻れないのか、まだそれは誰にもわからない。
今はただ、美しかった世界を眺めている。