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金継ぎチャレンジ(更新終了)

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新婚旅行で買った思い出の茶碗を復活させるべく、金継ぎにチャレンジ中。その経過を書いていきます。
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金継ぎチャレンジ #4(最終回)

金継ぎチャレンジ第4回、今回で最終回です。 第1回から第3回まではこちら。 第7工程 塗りの研ぎ 第6工程で、接合部分を弁柄漆で塗ってコーティングしました。まずはこの弁柄漆を研いで、滑らかに美しく仕上げます。 上では接合部分の一部にしか弁柄漆を塗っていないけど、本当は継ぎ目全体に塗るはずです。弁柄漆が継ぎ目を水分などから保護する役割になるはずなので…。やってるときは良く理解してなくて、後から気付いたんですが。 僕はそのまま進めちゃったけど、ここの研ぎが完成品の美しさに

金継ぎチャレンジ #3

金継ぎチャレンジ第3回です。今回は一気に進みます。 第1回、第2回はこちら。 第2工程までで破片の接着が完了しました。器に欠けてしまった部分がある場合には、第3工程の刻苧(こくそ)付けで欠損を埋める作業をするのですが、今回は大きな欠けはないので、スキップして先に進みます。 第4工程からは、金粉を蒔く前段階として継ぎ目を美しくする処理となります。まずは「錆漆(さびうるし)」で細かい穴や段差を埋め(第4工程・錆漆付け)、これを研いで滑らかにし(第5工程・錆研ぎ)、その上から

金継ぎチャレンジ #2

金継ぎチャレンジ第2回です。今回は第2工程、接合です。 第1回はこちら。 第1工程の漆固めで断面部分に透漆を塗り、接着のベースができたので、第2工程では破片どうしを接着します。 材料は小麦粉と透漆と水。これらを練り合わせて麦漆(むぎうるし)という接着剤を作っていきます。 へらで掬ってびょーんと伸びるくらいになったら完成。水飴よりも若干固めくらい? できた麦漆を断面に塗っていきます。 ちなみに、漆は皮膚に付くとかぶれるおそれがあるので、しっかりと手袋を付けて作業しまし

金継ぎチャレンジ #1

2022年6月14日20時13分。 粗熱のとれたポテトサラダをそろそろ盛り付けようかと食器棚の奥から器を取ってテーブルに置こうと振り返った瞬間、背後でぱりん、と乾いた短い音がした。元に戻すことができないことの象徴のような不吉な音。恐る恐る振り返ると、二つ重ねた茶碗がちょうど半回転して口を下向きにして落ちていて、上に乗っている ― つまり食器棚の中では下になっていた ― 自分の茶碗が割れていた。下になっていて先に床に落ちたはずの妻の茶碗はノーダメージ。どうやら僕の茶碗が落下の