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人生の目的 その2

先々週にこのような投稿をしたら、同じような問題提起をした書籍を書店で発見した。まるでタイミングを合わせて発刊されたよう。これも一種のシンクロニシティ?

筆者は、「経済とテクノロジーの力によって物質的貧困を社会からなくす」というミッションは終了しており、これからは「新しい活動」を通じて、この世界を「安全で便利で快適なだけの世界」から「真に豊かで生きるに値する社会」へと変成させていく必要があると説く。

個人的には以下の引用が印象に残った。オルテガの「大衆の反逆」からの引用なので、引用の引用になるが。

(94ページ)
「理想を実現するための途方もない能力はおびただしく持っていると思っているのに、いかなる理想を実現するべきかはわからない、そういう時代に我々は生きているのである。万物を支配しているが、自分の支配者ではない。自分の豊富さの中で途方に暮れている。結局、現代の世界は、かつてないほどの資産、知識、技術を持っていながらかつてなかったほどに不幸な時代である。」

今の時代に閉塞感を感じる理由を端的に表した指摘であると思う。
これらを打破するための処方箋を本書は提示している。筆者の主張は

1.私たちの社会は、明るく開けた「高原社会」へと軟着陸しつつある。
2.高原社会での課題は「エコノミーにヒューマニティを回復させる」こと。
3.実現のカギとなるのが、「人間性に根差した衝動」に基づいた労働と消費
4.実現のためには教育・福祉・税制等の社会基盤のアップデートが求められる。

方向性としてはその通りで、具体的な取り組みについてはみんなで考えていく必要があるだろう。筆者はこうも述べている。

もし、いま本書を読んでいるあなたが、世の中は悪い方向に動いていると感じているのであれば、その原因をつくっているのは他者でも政府でも企業でもなく、間違いなく自分自身なのだということをまず認識する必要があります。

みんなで我々の生きる意味、そしてどのような社会をめざすかを考えていく必要があるだろう。



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