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【宇宙イベント×コスモ女子】誰もが行ける宇宙旅行の世界を目指すには?!第3回★宇宙の基礎講座を開催しました♪

コスモ女子では現在、「宇宙に関する理解を深めること」をテーマに宇宙分野で活躍する方をゲストに迎えて、宇宙の各分野の基礎的な内容を学ぶことができる「宇宙の基礎講座」を開催しています。
宇宙の基礎講座は2023年12月から2024年11月にかけて全12回実施予定です。

宇宙旅客輸送推進協議会代表理事の稲谷芳文氏
▲宇宙旅客輸送推進協議会代表理事の稲谷芳文氏(コスモ女子撮影)

今回は「宇宙旅行」をテーマに、宇宙旅客輸送推進協議会代表理事の稲谷芳文氏を講師にお招きし、講義いただきました。

稲谷氏は宇宙科学研究所教授、JAXA参与などを経て、宇宙科学の世界でロケットの開発とこれを用いたミッションや将来の宇宙システムの研究などに従事されてきました。
小惑星からの帰還ミッションである小型惑星探査機「はやぶさ」の帰還カプセルの開発を主導し、世界で初めて地球への帰還と再突入飛行およびサンプルの回収を成功させ、宇宙業界の発展に貢献されました。

また輸送コストを大幅に低減するための往還型輸送システムの研究活動を行ったり、月から宇宙への人類の進出など、未来の宇宙利用の実現に向けて尽力されています。

稲谷氏から教わる!現在の宇宙旅行とこれからの宇宙旅行

宇宙輸送システムの専門家である稲谷氏がみる、いまとこれからの宇宙旅行についてお話しいただきました。

いまとこれからの宇宙旅行
▲宇宙の基礎講座の様子(コスモ女子撮影)

日本と海外の宇宙旅行の現状

2023年末に公開された映画「僕が宇宙に行った理由」で、前澤友作氏が宇宙旅行へ行ったことが改めて話題になったように、現在世界中で一般の方への「宇宙旅行」の期待が高まっています。
しかしながら、2024年時点で宇宙へ行くための費用は一人30億円程度とも言われ、宇宙旅行へ行ける人はごくわずかで限られた人たちのみであることも事実です。

2024年現在、世界で宇宙旅行業界をリードしているのはアメリカで、その背景にはスペースX社やブルーオリジン社など、宇宙ビジネス全体を牽引する会社が多くあることや、アメリカ政府が宇宙民間企業を資金面などでバックアップしており、技術開発の速度が他国より圧倒的に早いのが現状です。

宇宙の基礎講座の様子
▲宇宙の基礎講座の様子(コスモ女子撮影)

一方で、日本はというと、宇宙開発では世界で四番目に自力で人工衛星を打ち上げた国で、自国のみの力でロケットを打ち上げられる技術力があります。
最近ではH3ロケットの打ち上げにも成功し、日本政府が10年で1兆円規模の「宇宙戦略基金」を設置し、民間主導の宇宙活動や宇宙ベンチャー企業を支援する体制が作られようとしています。
全国各地でスペースポートを作って、宇宙業界を盛り上げる動きも始まっています。

詳しくは前回開催された第二回宇宙の基礎講座のイベントレポート記事をご覧ください。
▼引用(前回の基礎講座のURL)

真剣に学ぶコスモ女子メンバー
▲宇宙の基礎講座の様子(コスモ女子撮影)

誰でも行ける宇宙旅行の世界を目指すために必要なこと

世界中で国や民間企業が注力している宇宙産業において、宇宙旅行が大衆化していくためには、クリアすべき課題が多くあるのも実情です。

まず宇宙旅行の費用で、現在はロケットを1機打ち上げるごとに機体を使い捨てているため、打ち上げには数十億から100億円ほどの費用が必要なことが高コストの理由で、費用を安くするには打ち上げた後も飛行機のようにどこも捨てずに再使用可能なロケットの開発が必要になっています。
稲谷氏は、スペースシャトルなど過去の実績や経験をベースに今のロケットの技術をもう一歩前に進めることが出来れば、ロケットの運用コストを抑えて、だれでも切符を買ってロケットに乗るような世界は実現可能だとおっしゃいます。

稲谷芳文氏
▲宇宙の基礎講座の様子(コスモ女子撮影)

次に安全面の担保です。
ロケットは打ち上げた後、機体に異常がある場合その場で爆破させてしまうため、より安全な機体が求められます。
飛行機のように機体に異常が現れた際に安全に地上に戻る技術であったり、機体から脱出できる設備が必要だったり、また事故の損害をカバーする宇宙旅行専用の保険なども必要となってくるでしょう。


宇宙旅行の費用について
▲宇宙の基礎講座の様子(コスモ女子撮影)

そして旅行費用の低減です。
宇宙旅行を一般大衆化するためには、一人当たりの旅行費用を抑える必要があります。そのためには飛行機のように何千回も何万回も繰り返し飛んで運行できるシステムにすることが本質です。エアラインの世界では飛行機を製造する産業も大事ですが、運航したりリースする産業が、コストを抑えて旅費を安くするための仕組みが作られています。
また、前述したように30億円払えるような限られた人の宇宙旅行ではなく、100万円で宇宙へいける社会を目指すには、宇宙旅行に行きたい人が桁違いに大勢いることが必要です。
より多くの方に宇宙旅行を知ってもらうために、宇宙にでかけることの魅力や宇宙旅行がビジネスとして成り立つことを、みなさんに知ってもらうための活動が必要で、世の中をそういう動きを加速する雰囲気に持っていくことがとても大事です。

まとめ

今回は日本の宇宙旅行の現状とこれからの可能性を、稲谷氏から余すことなく教えていただきました。
宇宙旅行が一般大衆化する日はみなさんの強い意志と、ビジネスとして成り立つことができれば必ずやってきます、と力強く話される姿に期待とアイデアが膨らみました。

懇親会の様子
▲宇宙の基礎講座の様子(コスモ女子撮影)

次々回、第5回宇宙の基礎講座は2024年4月19日に開催予定です。
奮ってご参加ください。
Peatix URL

私たちコスモ女子は今後も宇宙業界を盛り上げるべく、コミュニティやイベントを通して皆様に宇宙の魅力を発信してまいります。

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