10歳の誕生日
こたは自閉症で知的障害重度の10歳です。
先日、こた10歳の誕生日を迎えました。
ケーキと誕生日の歌を歌ってお祝いしました。
こたは自分の誕生日も理解していないけれど、ローソクの火がゆらゆら揺れるのが楽しかったようで、じーっと見入っては嬉しそうに笑っていました。
ケーキもフルーツ以外は食べました(^^)
10歳という節目、私の中では感慨深いものがあります。
今の私の気持ちをnoteに綴ります。
こた10歳、あと10年経てば二十歳。
頭の中は子どもでも、見た目にはすっかり大人になるんだなぁ。
どんな二十歳になるんだろう。
学校も卒業して、その頃どんな暮らしをしているのだろう。
10年間いろんな事があったけれど、あっという間に駆け抜けてきたような気がします。
まだ10歳、もう10歳。
嬉しさと焦りと、先々の不安といろんな気持ちが入り混じります。
障害児のママになるなんて思っていなかったけれど、今までたくさんの人に支えてもらいながらなんとかやってきました。
もう障害のことは受け入れているけれど
「こた君は、お父さんお母さんを選んで産まれてきました」とか
「あなたたちなら乗り越えられる」とか
もういちいちめんどくさいから「そうなのかなぁ」で済ましているけれど
今でもこたに障害があって良かったとは思えないし、
選ばれたとか言われても、選ばれたくなかったし
乗り越えられるって、そんな自信は無い。
五体満足、障害なく、健常児に産んであげたかった。
産まれて欲しかった。
今でも1年に1回ぐらい、こたがお喋りしている夢を見ます。
(あれ、こた喋っている。でも、喋ってるやーん!と大袈裟に喜んだり、動揺したらまた喋らなくなるかも?普通にしとこう)
夢の中の私はそんな事を思っています。
そして「あぁ夢だったか」と少し切ない気持ちで目が覚めます。
障害があって良かったとは思えないけれど、こたに障害があったから、障害の事を知り、理解を深め、たくさんの出会いや、暖かい世界も知れました。
人生、捨てたもんじゃないなと思える日もあれば
世の中、冷たいなぁと思う日もあって
こたの子育ては嬉しさ、喜び、悲しみ、辛さ、気持ちが揺れ動きます。
言葉が悪いですが、自閉症、脳の機能障害だかなんだか知らないけれど、とにかくめんどくさいです。
こたは繰り返しが好きで、やめて欲しいこともやめれなかったり、急に怒り出してつねってきたり、言葉の理解や名詞を理解していないので指示も通らないし、身辺自立もまだまだだし、目も離せない。
あーーーー健常児だったらこんな苦労しなくていいのにーーーって思います。
でもこたの事、愛しくてたまらない。
なんだろう、めっちゃめんどくさいのに愛しいってこの気持ち。
こたの笑顔、めちゃめちゃ可愛いんです。
愛想笑いなんてできないから、本当に嬉しい時に、幸せそうに笑うんです。
その顔を見たら、自然と私も笑っていて、幸せな気持ちになります。
赤ちゃんの時、目も合わず、微笑み返してくれなかったこたが、ニコニコしながら顔を覗き込んできて
抱っこすれば、体を反らして抱きにくかったのに、今は重たくなった体をなんの躊躇もなくデーンと乗ってきて
お迎えに行って声をかけても、聞こえていないかのように完全無視だったのに、今は外でも声を掛ければ振り向くようになって
母親と認識してもらえず虚しかった日々があったけれど、今はちゃんとママとわかってくれているよね。
いつからかちゃんと親子になったね。
こたがいるからしんどいし、こたがいるから頑張れる。
きっとこれからもそんな生活。
こたの事、大好きだよ。
家族の愛が、こたの支えになりますように。
こた10歳の誕生日おめでとう。
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