364. アメリカの青年における身体的指標と近視との関連:NHANES 1999-2008

Association between physical indicators and myopia in American adolescents: NHANES 1999-2008

Chen N, Sheng Y, Wang G, Liu J. Am J Ophthalmol. 2023 Dec 25:S0002-9394(23)00521-4. doi: 10.1016/j.ajo.2023.12.014. Epub ahead of print. PMID: 38151196.


目的:近視は最も一般的な屈折異常であり、経済的負担が大きい。身体的指標は近視の重大な影響因子である。NHANES(National Health and Nutrition Examination Survey:全米健康栄養調査)は、米国の子供と成人の健康と栄養状態を調査している。本研究では、NHANESを活用し、アメリカの青少年における身体的指標と近視との関連を検討した。

デザイン:レトロスペクティブ症例対照研究
方法:最終的な研究コホートは9008人の青年で構成された。人口統計学的データ、身体的指標、視力データが抽出された。近視と人口統計学的因子および身体的指標との関連については、重み付け法を用いた。身体的指標と近視の関連を明らかにするために回帰モデルが利用された。身体的指標と近視の程度との関連を調べるために、累積オッズロジスティック回帰分析を用いた。身体的指標と近視リスクとの間の潜在的な非線形関係を調べるために、制限付き三次スプライン分析を採用した。

結果:近視の発生は、年齢(p<0.001)および人種(p=0.019)と有意に相関していた。体重(オッズ比[OR]1.38、95%信頼区間[CI]1.13-1.70)および体格指数(body mass index:BMI)(OR1.26、95%CI1.05-1.51)が4パーセンタイルの青少年は近視の可能性が高かった。近視のリスクが最も高かったのは、BMIが30に近づいたときであった。身長は近視の程度の危険因子として浮上した(OR 1.02、95%CI 1.01-1.03)。

結論:身体的指標と近視の間には一定の関連が存在した。体重とBMIは近視の発生と関連し、身長と人種は近視の程度と関連していた。

※コメント
BMIが近視と影響するということが事実であるならば、やはり眼球globeの機械構造的な要因が大きく影響している可能性が高そうです。
しかし(この文章を書きながら浮かんだのは)、BMIが高いということは運動不足の可能性もあり、外へあまり出ない≒近業↑ という交絡因子もあるかもしれませんね。
お国柄によっても違うかもしれません。

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