363. 臨床における夜間近視評価法の検証

Validation of a method to assess night myopia in a clinical setting

Andrés GS, Mercedes BM, Daniel MR, Susana MS, Inmaculada BG. Sci Rep. 2024 Jan 2;14(1):293. doi: 10.1038/s41598-023-51062-8. PMID: 38168766; PMCID: PMC10762171.


昼間から夜間にかけての屈折視力変化を検出するための屈折プロトコルを検証するために、夜間運転を定期的に行う115人の被験者を対象に研究が行われた。他覚的屈折と自覚的屈折は、薄明視の自覚的屈折の前に暗順応期間を設け、明所視と薄明視条件の両方で行われた。その結果、薄明視条件下では、視力は平均0.2 logMAR units低下し(p < 0.01)、近視性屈折シフトは-0.36 ± 0.20Dであった(p < 0.01)。ほとんどの被験者(92.2%)は、少なくとも0.12Dの近視シフトを示した。屈折力シフトの補正により、薄明視視力は平均0.06 logMAR改善し(p < 0.01)、屈折シフトが大きいほど高い改善を示した。近視性屈折シフトを有する被験者の82.1%がNight Rx(*Rxはrefractionのことのようです)を希望した。性別と年齢は屈折率シフトに有意な影響を与えなかったが、近視は正視に比べて高いシフトを示した(p < 0.01)。屈折シフトは、1日の時間帯を変えなければ、時間の経過とともに安定したままであった(p < 0.01)。Night Rxプロトコルは、明所視から薄明視に移行する際に屈折の変化があるドライバーを特定するための、確実で正確な方法であることが証明された。Rxシフトの高い有病率と個人間のばらつきは、カスタマイズされた屈折の必要性を強調している。

※コメント
夜間近視は多少なりとも起きる。
夜間に運転するなど、夜間状態の屈折矯正を望む人にはそのような屈折対応をすることも考慮した方が良いかもしれません、という結論でした。

115人の被験者(82人の非老眼者と33人の老眼者)
年齢:18〜65歳
+ 0.10 logMAR以上の遠見矯正視力、-8.00〜+ 6.00DのSE

discussion抜粋-
夜間近視矯正を行っても、明所視と比較して薄明視条件ではVAが有意に減少した。この結果は、低輝度条件下では屈折以外の要因がVAに影響を与えることを強く示唆している。VAの低下は、近視シフトによる光学的なぼやけよりも、網膜照度の低下に関連する神経要因のために、より低い光レベルで発生することが示唆されている。
自覚的夜間視力、ひいては薄明視の屈折シフトは、眼の光学的特性以外にも、光環境の変化に関連する受容器(網膜)および受容器後の複雑な視覚処理といった神経的要因の影響を受けているはずである。

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