見出し画像

PTAイベントの実行委員を任意で募ったら60人以上集まった話。

今年度のPTA運営で、タイトルのように役員一同驚愕することが起こったので、PTAを任意で運営しようとしている方に参考になるかな?と、記事にしてみます。

PTA改革してる方は、日本全国みんな仲間やで~。

昨年からうちの学校では、PTAのスリム化&ボランティア化を進めているのですが、「PTA主催イベント」を実行する負荷が本部役員にまるっとかかっていた件を、「全部任意にして、やる人いなければやめたらいいじゃん」という思い切った決断をしました。
(単純に本部役員に限界がきました。全員が「来年も同じ負荷なら続けれられない」「役員ゼロまったなし」という状況になったわけです)

昨年度はイベントごとにボランティアを募っていたのですが、実はこれがあまりうまくいかず…。

↓こんな感じになっていて、私もやさぐれていました。

で、私がこの十年以上、子育て支援の業界で各種ボランティアをやってきたことを振り返ると、ボランティアにとっては「楽しいこと」「仲間」「誰かの役に立った実感」が報酬になります。

で、ワンタイムのボランティアだと、子どもが喜ぶ姿を見られるので「役に立った実感」は得られるものの、作業が楽しいかというと微妙だし、仲間を作るまでは至らないんですよね。
これが一つボランティアを募るうえでの重要なポイント。

それでもう一つ、PTAが忌避される原因は「何をやらされるかわからない」「裁量権がない」「やりたくないことを強制される」です。

でこれを合わせた結果、「やれる「箱」だけ(校庭開放とか、家庭教育学級とか…)を提示して、やりたい人を集めて、その人たちにチームを作ってもらって企画から運営してもらう」という方向性です(単純に役員から仕事を全部はがす必要があったためでもありますが…)。

これを実現するために、どんなイベントができて、どんなメリットがあって、どれくらいどんな準備をする必要があるのかという資料と動画を作成しました(めちゃくちゃ優秀な役員さんが資料作成から動画作成まで引き受けてくれたからできたことですが…。ちなみに今はCanvaで資料作成から動画撮影&編集までまるっと無料でできます)。

そこで伝えたのは、アイデア次第でなんでもできるよ!ということ、またやりたいイベントにだけ関わってくれてOKだよ!ということです。
(その代わり、やりたい人がいなかったイベントは無くなるよ!ということも併せてアナウンスしています。実際に昨年度はいくつかのイベントを中止、縮小しています)

プラスして、専門部員さんと同様の「お仕事をした実績」としてカウントします…というメリットも提示しました(イベント担当をやったら、専門部会をやらなくて良い、部員をした方と同様に来年以降も役職辞退可能という扱いです)
ちなみに、部員さんの仕事も極限まで削減しているので、多い人でも年間通して学校に来るのは4,5回程度になっています。
仕事量として遜色ない…というより、おそらくイベント担当のほうが仕事量は多いはずなので、実績として充分…というカウントですね。

で、4月最初の保護者会で「手を挙げた人のみ」&「誰もいなくてもOK」という形で募集したところ、多いクラスでは10名もの方が手を挙げてくださり、学校全体として60名を超える立候補があつまりました(予想よりもあまりに多いので、担任の先生に「もしかして抽選で決めてませんか!?」と確認に行ったくらいです)。

先日、そのメンバーへオリエンテーションをしたところ、希望の担当者だけですべてのイベントが開催できることに(不思議と良い感じに分散していました)。
しかも、その担当者別ミーティングもとても熱量が高く、「こんなことやりませんか?」「こういう場合はどうしたら…」みたいなコミュニケーションがバンバン飛び交う場となりました。
何も知らなければ、「ああ、これ全員お友達同士で応募してきたのか…」と思うくらいの、実は初対面の人々の集まり。役員以上にやる気満々のエネルギーに満ちていました。

結論として、大切だったなと思うポイントは…

  1. どんな仕事をお願いするのかを明確にする(期間、内容、仕事量、子どもたちへのメリットなど)

  2. やりたいことをやりたい人にやってもらう。やりたい人がいないことは無理にやらない(適材適所)

  3. 担当ごとにある程度の裁量権を与える(担当者のアイデアを盛り込めるように)

  4. 継続的にチームとして動く場を作る(保護者仲間が作れるくらい)

  5. 受け取りやすい方法で情報を提供する(動画や見やすい資料などをプッシュ型で)

  6. 学校との綿密な打ち合わせと合意形成・協力を得る(保護者会や新入生説明会で説明の場ももらいましたし、PTAが具体的にどう子どもたちの役に立っているのかを校長先生の口から説明してもらいました)

  7. 各担任の先生に向けても、可能な限り情報を提供する

  8. 相応のメリットを提示する(ほかの専門部などの役職を辞退できる)

  9. 集まらなければ本当に中止する!と覚悟を決める(PTAも学校も)

正直、昨年度末からPTAに対してはネガティブなリアクションが続いていて、(校長や教育委員会に通報します!みたいなものも含めて…いや、まったくどんどん通報していただいて良いのですけどね)PTA改革に動いてきた役員全体のメンタルががりがり削られていたので、「正直たぶんいても数名、ほとんどのイベントができなくなるけど、今年度はもうそのままで行こう。みんな不要だと思うんだったらいいじゃんね」という半分あきらめの境地にいました。
(この決断するまでにも紆余曲折ありましたが、ここまで割り切らなければ役員全員がもたなかったのです)

それに最近のニュースもアンチPTAに満ちていたし、Xあたりを見ていると、存在だけで悪!みたいな風潮ですし。

そこからのコレだったので、「ああ、現実世界は愛に満ちているんだなぁ」とかしみじみと役員一同涙目でした。

PTA改革を色々やってきて、やはり一番のキーポイントは学校との信頼関係と調整に尽きるなと思っているところです。
幸いうちの学校では毎回の役員会に校長先生と副校長先生がいらしてくださっているので、PTA側の状況も都度都度把握していただいています。
ちょっとしたこともこの場で相談できることが、改革の大きな後押しになっていることは間違いありません。

この辺りは、歴代の会長や役員メンバーが、しっかりと関係性を築いてきてくれたからこそのものですね。


もちろんここから先、問題が出てくることも当然のようにあるかなと思います。
そのあたりをどう乗り越えていくのかも含めて、今年一年は役員にとっても大変な年になりそうですが、色々と前向きに試行錯誤していきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?