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経済的なサポートを通じて、次世代の若者が農業体験できる場を

コトモファーム会員
田中さん 横浜市在住 60代

生産者と消費者を結び付ける活動に共感し、コトモファーム入会

田中と申します。年齢は来年で70歳になります。
1年前の2月頃にコトモファームに入会しました。まずはその経緯について紹介します。
 
元々、自分が食べる物を自分で安全に作る事や、半農半Xの考え方に共感していました。将来的には地方に移り住んで、野菜を作りながら田舎暮らしをしてみたいという夢が昔からありました。
横浜市内に50年近く前から住んでいますが、生まれは熊本県なんです。山育ちだったのでいつかは田舎に帰りたいという思いがありました。ぐずぐずしているうちに高齢者と呼ばれる年齢になって、今から実現することは難しそうですが。
 
昨年、インターネットの記事を通じて、コトモファーム代表の小島さんが実践されている農スクールの活動について知りました。人手不足の農家と、働きたいけど仕事が見つからない方をマッチングさせるとの事で、とても有意義な活動をされていると感じ、大変興味を抱きました。
 
詳しく調べた所、小島さんが藤沢市で体験農園を運営されていると知りました。車で1時間足らずで通える距離なので、試しに農園の見学に行きました。体験農園についても直接話をお聞きすることができ、生産者と消費者の距離を近づける活動に感銘を受けて、去年から野菜づくりを始めました。


畑で心を癒され、数多くの発見があった

熊本の住居には畑があったんですが、時々草取りを手伝ったくらいで、本格的な野菜づくりの経験は全くありませんでした。
 
1年間コトモファームに通ってみて、畑の持つ不思議な力を感じることができました。
これまでの仕事は、パソコンの前から動かないデスクワークだったんです。だからちょっとした非日常というか、畑に通って野菜を育てるという体験自体が貴重な時間となりました。
 
畑に行くことが癒しになりますし、無心に土いじりをしているとほっとしますね。気持ちのいい風が吹いている日なんかは最高です。
基本的には毎週日曜日に畑に行って、日曜講習を受けてから農作業をしています。毎週藤沢に通うことで、自分の中で生活のリズムが生まれたように思います。

土づくりには時間がかかると思っていましたが、1年目にしては多くの野菜を収穫することができて、夏場は食べきれないくらいでした。やっぱり収穫できるに越したことはないので、思っていたよりも多くの野菜が採れて嬉しかったです。
 
また、恥ずかしながらこの年になるまで、大根やサツマイモがどうやって育つのか、全然知りませんでした。畑を通じて初めて知ることが多く、野菜の収穫だけではない様々な発見がありました。
 
自分で食べるものは自分で作り出したいと昔から思っていましたが、生活範囲内に畑がないため、これまでは実現することができませんでした。
コトモファームに通うことで、自分の食べ物を作る経験ができて本当によかったですね。

思いのほか収穫できた里芋が特に印象的でした


次世代に農業体験の場を提供。畑を通じて生きる力を学んでほしい

ただ生活面の変化があって、残念ながらコトモファームに通い続けることが難しくなりました。どうしようかと悩んだ結果、これまで利用していた区画を若い世代の方に引き継いでもらうことを考えました。
 
感受性が若い内に、日常的に土に触れる経験を持つことは、将来的な大きな財産になると思います。昔の偉人も言っていましたが、土を耕して種を蒔くことは、人間にとっての本質となります。※
 
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(※田中さんが引用された言葉は以下の通りとなります)
トルストイ「いちばんより良い地上の勤労は、土地を耕したり種をまいたりすることである …耕作は万人にとって本質的な仕事である。この労苦は人々に、何よりも多くの自由と、何よりも多くの幸福とを与える。」(トルストイ 『人生の道』岩波文庫)
マハトマ・ガンディー 「土を耕すのを忘れるということは、自分自身を忘れることだ」
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ただ学生の方はまだお仕事をされていないから、お金をそんなに持っていないと思います。そういった方々に対して、もっと我々のような高齢世代が経済的な援助をする必要があるのではないでしょうか。年を取るとどうしても体が動かなくなり、いずれは若い世代に社会を託す他ないわけですから。
 
お金に若干余裕がある高齢世代と、お金が乏しい若い世代をマッチングするような仕組みが今後必要になると思っています。

私自身、決して経済的なゆとりがあるわけではないのですが、微力ながら若い世代のお役に立てればと思い、コトモファーム代表の小島さんにご相談させていただきました。小島さんを通じて、農業に興味がある大学生の皆さんを紹介していただくことができました。
区画のサービス料金は私がお支払いして、実際の野菜づくりは学生の皆さんに担っていただく事になります。
 
今回は私が金銭的な負担をしましたが、若い世代の農業体験のための口座を将来的に作れたらいいなと思います。高齢世代を中心にお金をプールして、若い世代が無利子・無担保で借りられるような仕組みができるといいですね。
 
本当は返済期限なしでもいいんですけど、それだと区切りがなくなってしまうので、期限を設けて将来的に返済していただくイメージです。あくまでも暫定的な期限として、返済が重い負担にならないようにする必要があると考えています。
 
高齢世代による資金援助が必要なのははじめの数年間だと思います。その後は利用者が返済したお金で、さらに次の若い世代が農業体験できるような、世代を超えた資金援助のサイクルができるのではないかと期待しています。
プール金からお金を借りる方は、自分がお金を返すことが次の世代を資金援助することになると理解していただいて、プール金を利用していただければと思います。
 
経済的な援助を通じて、一人でも多くの次世代に、農業体験の場を提供することに繋げたいです。私個人では活動を広げられないので、このような取り組みに賛同して、協力していただける方を増やしたいですね。
 
 
(2023年3月3日)

体験農園コトモファームのHPはこちらからご覧になれます。
https://www.eto-na-en.com/cotomo-farm/
お問合せ先 TEL:070-6556-5300
      メール:cotomofarm@eto-na-en.com



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