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このNegiccoはすごい! - 新しい小西康陽 -

今回のNegiccoの「お久しぶりです・お元気ですか」。
すごいです。
キャリアを持ったプロの大人たちが本気で仕事をするとこんなにすごいものを作れるかと言う思いです。
Negiccoは新潟の地元アイドルってテーゼは捨てていないけど、コンセプトを2019年以前とまったく異なるものにした。

まず、MVのすごさ。
このMVは低予算に見えますが、すごい手間がかかっています。
いまMVでインターネット、Youtubeで流すとなると今回のMVで会った人には全員にその確認をしなくてはいけません。
これ、どうやったんですかね?
撮影直後に確認したとしてもすごく大変。
これだけで手間がとにかくかかります。
さらに編集もいまのPCは性能があがってリニア編集がしやすくなったと言っても、撮影した全シーンが使えるものがあるわけもなくて、編集は大変です。
あとは演出。
Negiccoは地元のみんなに愛されているアイドルなのを見事に演出しています。
これ、僕みたいなオタクをまったく出さないで地元の高齢者や女性しか出していないでしょ。
多様性があるアイドルだとわかる。
ストーリーがあるMVを作るのは予算があれば手間がかからないでそっちが楽。
ただ、アフターコロナに入った、この時代の感覚としてはすごい合っている。
手間を惜しまないプロの大人の仕事。

次に小西康陽。
この曲はピチカート・渋谷系の系譜です。
その新解釈でとにかく新しい。
小西康陽の持つピチカートらしさや自分の持っている東京やおしゃれさを否定しないけど、そこで勝負をしていない。
ピチカートからの引用はあるけど、ピチカートをやろうともしてもいない。
再起動したNegiccoを追求した曲。
この曲はNegiccoの持つ過去と言うかキャリアを尊重しつつ未来を見つめている。
東京は夜の7時よりすごいかもしれない。
自分の持っているキャリアを最大限に活かしているけど、過去と同じことをしていない。
歌詞だけがすごいとか曲だけがすごいでもない。
曲がとにかくすごい。
いままでのNegiccoや小西康陽を否定はしていないけど、新しい曲にしている。
小西康陽が新しくなった。
これも、プロの大人の仕事。

そして、Negicco自身。
結婚も出産もして子供もいる。
自分たちはバージンではないってことです。
アイドルはアイドル自身が、これを言えなかったんです。
Negiccoはアイドルのタブーを破ったけど、アイドルをやめてもいない。
一方で年齢を重ねて大人としての安心感がある。
同世代のPerfume、ももクロはキープコンセプトです。
楽して稼ぎたいなら、過去の曲のアレンジを変えればよかった。
ここが重要かもしれないですが、新潟のご当地アイドルのままです。
でも、00、10年代の自分たちとも違うと言い切った。
これがテーゼは変えていないけど、コンセプトを変えている。
これもキャリアを重ねたプロの大人の仕事。

今回のNeggiccoは20周年としても、とにかくアフターコロナのこのタイミングにがっちりはまった。
これがコロナの5類移行前でもだめでこのタイミングがとにかくいい。
このNegiccoってNegiccoで小西康陽のエゴも出ていないけど、個性も消していない。
Negiccoなんだけど、この曲はやっぱり小西康陽でないと作れない曲。
かと言って、Negiccoを単なる歌い手にしていないでちゃんとNegiccoってアイドルにしている。
プロの大人がチームでした奇跡の仕事かもしれない。
もともとNegiccoはサブカルだったけど、サブカルのまま。

このNegiccoに似ているのがYOASOBI。
YOASOBIはAyaseのユニットだけどIkurarがいてはじめてYOASOBI。
YOASOBIはYOASOBIであって、Ayase、Ikuraのソロとは違う。
【推しの子】のアイドル、水星の魔女の祝福はそれぞれの作品のテーマソングではあるけど、やっぱりYOASOBIってユニットの曲。

まとめです。
このNegiccoはとにかく多様性があるのがすごいですね。
一見するとファンのための歌詞です。
その見つめる先のファンは新潟の人、男女を問わない全員です。
この曲はファンと同時に自分たちと同じ女性の不安・心情も歌っているんですよ。
でも、未来に絶望もしてもいない。


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