好きがゆえ吐く嘘
「好きだからこそ嘘をついたんだ」
「嘘をつくくらい好きだった」
好きがゆえに嘘をついたことはありますか?
たとえば、好きな人を手に入れるため、好きな人を手放さないため・・など。
しかし、その嘘をつかれている側の気持ちはいったいどのようなものでしょうか。
私の経験からのお話です。
叶わなかった恋から生まれた新たな恋
大学の時、アルバイト先で好きな子がいました。
何とか彼に近づきたくて、アルバイト仲間(男)に相談に乗ってもらっていたことがありました。
ズルい私はその彼に、「私のことをどう思ってるか、さりげなく聞いてみてくれる・・?」と、今思えばとっても図々しいお願いをしました。
自分に自信がなかった私は、自らアピールする勇気がなかったのです。
すると数日後、回答がありました。
「全然興味ないって!」
”ガーン”(死語)という言葉がぴったりなくらい面食らった私は、「本当に?本当なの!?」と絶望しながら、そう何度か聞き返しました。
すると、「うん。はっきり無理って言いきってた」と真顔で言われました。
とてもショックだったのですが、その彼が一生懸命励ましてくれました。
そこからあるあるパターンですが、何度かその彼と会う機会が増え、だんだんアプローチされるようになり、私も彼のことを次第に好きになりました。
私は最初好きだった男の子のことなんてすっかり忘れ、その彼と付き合うことになりました。
「実は相談を受ける前から少し気になっていた」との告白もしてくれました。
付き合ってから数か月は絵に描いたような楽しい時間を過ごしていました。
バイト帰りに一緒に帰ったり、旅行に行ったりと青春を謳歌していました。
彼の嘘を知った日
しかしある日、私にとって衝撃的な出来事がありました。
最初好きだった男の子とたまたま話す機会があったときのことです。
その子とはすでにバイト仲間としての友情も深まり、冗談も言い合える仲になっていました。
何かの話の際に、急に思い立って私がその子に「昔、彼氏があなたに私のことをどうか思っているか聞いたとき・・」と冗談交じりで話を切り出しました。(無理って言ったらしいけど本当ひどいよね~と続けようとして)
すると、そう言い出した時点ですぐに反応して「は?そんなこと聞かれた覚えはないけど」と怪訝そうに言ったのです。
嫌な予感がしました。
「それで、無理って言ったって・・」と小声で続けると、その子は驚いたように「俺アイツから聞かれてもいないしそんなこと言ってもいない。マジで、何なんだアイツ」と真面目な顔で言ったのです。
少し怒っているような感じもしました。
「え?」と、私もしばらく硬直。
そのあとは何を話したかは覚えていません。
その子と別れたあと、私の中にある思いが芽生えてきました。
『彼氏は私を手に入れるために嘘をついた』という疑念です。
そこからいろいろと考えました。
好きだったから仕方がなかったのかもしれない。
とっさについた嘘だったのかもしれない。
それに私から「興味があるか聞いてみて」と依頼されたとき、きっと彼はすごく戸惑ったのだろうなと思い少しの罪悪感にも襲われました。
でもやはり、いくら好きだったからと言っても嘘をついてまで私を手に入れたことがショックだったし許せない部分がありました。
”目的を達成するために嘘をついた”という行為が受け入れられず、そこから『彼はあらゆることに関しても、目的のためには手段を選ばない人なのだろうか』と考えるようになりました。
さらに、『将来一緒になったら、知らず知らずのうちに嘘をつかれるのかもしれない』
こんな思いも生まれるようになりました。
一つ嘘をつかれるだけで、これだけいろいろな思いが巡るのです。
私的にはやはり、目的を達成するために嘘をついたということがどうしても許せませんでした。(心が狭いでしょうか・・)
なぜならそれはかなり利己的な行為だからです。
しかもあの堂々と言い切っていた姿勢を思い出すと、嫌悪感さえも感じました。
その日から、彼への気持ちが急速に冷めていきました。
楽しかった思い出も頭の中でフェードアウトしていき、好きだった気持ちがどんどん消えていくのが分かりました。
結局、彼には私から別れを告げました。
嘘をつかれた側の気持ち
私が思うことは、嘘をつくのではなく正々堂々とアプローチをしてくれたほうがはるかに嬉しかったのです。
当時、彼も若かったしあの状況でどうすれば良いかわからなかったのかもしれませんが・・
自分が良かれと思ってついた嘘でも、相手にとってはそうでなかったりすることもあります。
私自身は嘘をつくとその罪悪感で苦しむ方がストレスになるので、嘘は苦手なほうです。
『正直者は馬鹿を見る』との言葉もありますが、結果的に誰かを傷つける嘘を言うくらいなら私は馬鹿で良いです。
(急にカッコつける・・笑)
最後までお読みいただきありがとうございました。
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