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インドで受けた医療②外科医のスーパードクターのおかげで

私の横で、集中して作業している、若いインド人外科医。

「ノープロブレム〜」

と、私に向かって声をかけてくれたのを、
うつろな記憶ながらもはっきりと覚えています。

インド人の「ノープロブレム〜」。

だいたい、本当は問題山積みなのにそう言ってのけることが多く、私は今まで何回も痛い目に遭ってきました。。。

あぁ、今回こそは信じたい。

私は、傷ついた顔の一部を縫われながら、本気でそう願いました。

秋葉系医師に託す

大した怪我もしたことのない私ですが、インド在住中、あろうことか、貧血によりばたっと倒れ、顔面を強打してしまいたした。

打ちどころが不幸中の幸い、眉毛の横。

しかし、傷が深く、救命病棟に担ぎ込まれ、
夜中に縫合手術を受ける羽目になりました。

病院はいつもお世話になっている、総合病院。

到着した時はしっかり意識もあり、
いつも財布にしのばせている、「海外駐在員用保険証券」を取り出します。

そして印籠のごとく見せつけ、
「私、支払いは問題ありませんから!」と、 アピールし、外科医の到着を待ちます。

15分後、 
チェックのネルシャツ、ジーパン、リュックを身にまとった、若いインド人男性が、息を切らせて登場。

一昔前の秋葉原で、見かけたなぁという感じでしょうか。

さっと白衣をまとい、ようやく彼が医者であることを認識します。

だっ大丈夫か???と不安はMaxに…

しかし、麻酔が回り意識がもうろうとなり、 彼に身を預ける他、選択肢はありません。

慎重に縫合してくれる彼。

インドに来て、まさか顔面を縫われることになるとは…私は半泣き状態です。

そんな状況を見て励ましてくれたのか、
最後に、「ノープロブレム〜」と、
彼が言っていたのを、微かに覚えています。

ベテラン医の交渉力

3日後、経過を診せに病院へ。

しかし、ネルシャツの彼の姿はなく、 
引き継ぎを受けた常勤の医師が対応してくれました。

このドクターは40代くらいのベテラン風。

傷口が跡に残らないようにと、 
海外製のシリコン製テープと軟膏を処方してくれ、毎日優しくマッサージするよう指導してくれました。

おかげさまで、数週間後、抜糸もなんなく終わります。

ベテラン医師、ここで治療を終わらせません。

私、
「この傷は今後、無くなりますか?少しでも目立たなくしたいんです。」
と相談したところ、

医師、
「レーザー治療をやってみましょうか」
と、提案してきました。

しかし、過度な治療は保険適応外のはず。
自己負担だと、そこそこの額です。

まして、美容目的の治療となると、保険適応は厳しいのでは…

そう伝えると、

「ノープロブレム〜」と、ベテラン医。

保険会社に交渉してするから、任せなさい〜と言い切ってくれました。

なんとも、心強いノープロブレム。

結果、2回レーザー治療を受けます。

完全に消えたとはいきませんが、
元々地黒だったことも幸いし、
今となっては、ほぼ傷は目立たなくなりました。

医療もビジネス

こうして、インドで一大事を経験した私ですが、若い秋葉系医師と、ベテラン医に救われました。

医療は、日本では慈善事業的なところもありますが、海外では、医療はビジネス。

支払い能力がある、保険加入と分かると、
それは不要では??と思う検査や治療を施されることもあります。

レーザー治療を提案されたのも、納得です。


その後、執刀してくれた、若い秋葉系医師と一度だけ院内ですれ違い、
「あー、あの時あなた!」と、
覚えていてくれました。

よくみると、笑顔が爽やかな中々のイケメン医師でした。

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