ぼくと小説

僕は週に1冊ペースで小説を読む。
子供の頃から国語は得意な方。
人に何かを伝える、文章を書くのは
ある程度できる方で活字は特に嫌いではなかった。

高校生のころからスマホを持ち始め
SNSやサブスクの沼にどっぷりハマり
大学卒業まで本に触れる機会は多いとは
言えなかった。

僕が本を読むきっかけとなったのは
現在勤めている会社の最終面接。
面接官に
「君は感覚で話しているから推理小説を読むといい」
その言葉が妙に刺さり、帰り際に本屋へ立ち寄った。

昔から本屋特有の匂いが好きだ。
なんとなく安心する。

そこで手にした本は
『木漏れ日に泳ぐ魚』
あらすじと帯だけを黙読し、即購入した。

帰ってから久しぶりの活字。
こんなに文章を読むことができるだろうか
そう思いながら本を読んでいくと
ただの文字の羅列でしかないのに
頭の中には壮大なイメージが湧いてくる。

主人公はきっとこう言う顔だ。
この家から見える景色はおそらくこうだろう。

今まで自分が見た景色や自分ができる
最大のイメージでストーリーが作り上げられた。

読後の余韻に浸りながら、
主人公がこの物語の後どうなったのかを
考える時間が好きだ。
そこから僕は小説に魅せられ虜になった。

会社内の同期や後輩、上司でさえも
小説を読む人が少なくなっている。

Z世代と言われる方は映画を観る時間ですら
長いと感じ30秒程度の短い動画を
たくさん観ることに快感を覚えると言う。

こんな情報過多の時代だからこそ
自分で見たものをストーリーに当てはめ
自分だけの物語に変えてしまうことができる
小説を強くお勧めしたい。

その想像力がAIに対抗できる
人間にしかできない力なのではないかと、
AIに関する仕事をしていて思った。

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