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2023年1月〜2月によく聴いたアルバム

明けましておめでとうございます。2023年も早くも3月になっていました。今年の初めによく聴いたアルバムの記録です。

Brendan Benson / Low Key

これは2022年末の聴き逃しアルバム。前作"Dear Life"以上にヒップホップにインスパイアされた…という前情報に一抹の不安を覚えましたが、27分間あっという間に駆け抜ける、ゴキゲンなポップソング集でした。メロウなソウル・バラード"Whole Lotta Nothin"なんて匠のお仕事としかいいようがありません。

We Are Scientists / Lobes

前々作、2018年の"Megaplex"からの好調さを引き継いだ、円熟のおもろうてやがて悲しきニューウェーブ〜ポストパンクがぎっしりで、彼ららしい低予算感溢れるMVも相変わらず楽しい…と、思わず2021年の前作"Huffy"とほぼ同じことを書きそうになりました。
本作を機にリスナーが若返る…なんてことはないであろう、つまり刺激は少ないものの安定したベテランの一作。私は楽しみました。

The Courteeners / St. Jude (15th Anniversary Edition)

なんと本国UKではこのリイシューでバンド初のチャート1位を獲得。リイシュー作での1位はビートルズ、ストーンズに次ぐ3組目、しかもリリースから15年後の首位獲得(オリジナルの時は4位)はUKチャート史上最も1位になるまで時間がかかったアルバムの記録を更新…と、何かと記録づくめのアニバーサリーとなったようです。日本では全く実感が湧きませんが、本当に本国では愛されているのですね。
早くも今にも通じるうっすらエレクトロっぽい雰囲気の曲にトライしていたり("Jacket")、意外と幅広いカバーの選曲など、やはり聴きどころはB面集でしょうか。
何度も書きますが、「俺が声を荒げた時のこと覚えてる?/君がThe La'sを聴いたことないって言たから」("Please Don't")は2000s後半を代表する名リリックです。

Bob Dylan / Fragments - Time Out Of Mind Sessions (1996-1997)

御大の90sの大名盤レコーディング時のセッションを纏めたブートレグシリーズの第17弾。アウトテイクもさることながら、賛否両論のDaniel Lanoisによるアンビエントなプロダクションが取っ払われた、オリジナルのニュー・ミックスver.が売りだとか。
果たして、ニュー・ミックスにより本作の曲の良さが際立ったのは勿論なのてすが、同時にやはり、御大を今のポジションに押し上げたのはー当時すでにデビュー30年を超えてなお、何をしでかすか分からない異形さをシーンに見せつけたという点においてーそのプロダクションによるものが大きかったのだと実感します。私は断然オリジナル派です。

Gorillaz / Cracker Island

個人的にGorillazはDamon Albernが前に出れば出るほど良く、ヒップホップに寄れば寄るほどつまらないという印象があります。特に最近はヒップホップとしては変に小慣れてしまい普通すぎるというか。
レジェンドStevie Nicksや今をときめくBad Bunny参加なんてトピックもありつつ、本作はDamonのメランコリックな歌心が前面に出ていて予想以上に良かったです。思わずフィジカルを買ってしまいました。Tame Impalaコラボは蛇足な気がしますが。

Gruff Rhys / The Almond & The Seahorse

同名映画のサントラということで、劇伴と歌ものが半々くらいで収められています。歌ものは7分間に及ぶサイケポップ、お得意のオーケストラルなバラードからNeon Neonを彷彿とさせるエレポップまでソロキャリアの博覧会的曲群で、本作単体でも十分楽しめますが、やはり「聴く人生哲学(©️snoozer誌)」ことGruff Rhys (Super Furry Animals)、映画と合わせて聴きたいところ。シャルロット・ゲンズブールも出ている映画は今のところ配信含めて日本では未公開のようです。

U.S. Girls / Bless This Mess

ベテランのアルバム…ということでは、上のWe Are Scientistsと好対照の作品かもしれません。これまでこの人のことをあまり熱心にフォローしてきていなかったのですが、これはいいです。そう言わせるパワーが本作にはあります。
ところどころに4ADらしいドリームポップ感が漂うソウル〜ファンクで実に気持ちいい。たまに晩年のDaft Punkっぽさも顔を覗かせる、緩くてゴキゲンなベッドルーム対応型ダンス・ミュージック。過去作も聴いてみようかな。

Ryan Adams / Blood On The Tracks

Bob Dylanによる1975年の名盤中の名盤の全編カバー。以前のTaylor Swiftに比べると好き放題やってないというか、割とまっすぐなカバーに仕上がっています。同じ時期にBruce Springsteenなんかもやってます。
ということで彼の歌のファンにとって素晴らしい内容ではありますが、せっかくなのでもう少しサプライズ的なものが欲しかったかなという感もなきにしもあらず。しかしこれで去年から6枚くらいアルバムを出していることになります。絶好調ですな。

Inhaler / Cuts & Bruises

BlossomsとCirca WavesとCatfish & The Bottlememを合わせたような、掴みどころや個性があるんだかないんだかよく分からないまま若さといい波乗ってる感で押し切る46分間のポップロック集。曲が、音がキラキラしているとはこういうことです。おじさんにはたまに眩し過ぎて直視できない時があります。素晴らしい。

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あとはディランを聴いたのをきっかけに60s、特にストーンズブームがきたりしてました。
今月はInhalerのお父さんことU2の再録集が出るので楽しみです。今のところ公開されている曲群は有名どころが多いのもあってかやっぱりオリジナルが一番、な仕上がりなのが若干不安ですが。

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