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2021年8月〜9月によく聴いたアルバム(備忘録)

一気に寒くなってきました。最近は自分の好きな音楽よりも子供番組の音楽を聴いている時間が長い気がします。ぷしゅっ!ぷしゅっ!。
そんな中、時間をなんとか見つけては聴き漁って活力を得ていたアルバム達です。下記の事情もありますが、時間がないと安牌(=元々好きなバンド)に行きがちで、新しい音楽をディグるのをサボりがちになってよくないですね。

The Rolling Stones / Ladies And Gentlemen

8月25日(日本時間)、Charlie Wattsの訃報以降は基本的にストーンズ漬けでした。彼のドラムを浴びたいとなるとやはりスタジオアルバムよりもライブ盤を聴きがちです。これは2017年に公式から出た1974年、"Exile On Main St."の頃のライブ。今のお祭り感とは程遠い現役感/熱気に満ちており、阿呆みたいですがストーンズってやっぱかっこいい、ってなります。
再開したストーンズのツアーでは"Tumbling Dice"が彼に捧げられたとか。Keithと親交の深いLee "Scratch" Perryも逝ってしまいました。改めてご冥福をお祈りします。

The Killers / Pressure Machine

先行カットがなかったせいか、なんだか唐突にリリースされた感のある新作。ただでさえ濃いBruce Springsteen色がキャリア史上最も濃厚で、意地でも売れてやるというBrandon特有の野心よりも根の生真面目さが前に出た作品という印象です。最大のトピックはギターのDaveが復帰したことであり随所にやはりDaveは大事、と思わせるギターが聴かれますが、全体的な印象としてはひたすら地味。所謂ダッド・ロックを愛する私は大好物ですが、世間的にはどうなんでしょう。異常なまでのキラーズ人気でお馴染みのUKチャートでの下降の早さが物語っているような気がしなくもありません。

Lorde / Solar Power

 タイトル曲がPrimal Screamみたいでイけてるなと思っていたら全編ラリってない"Screamadelica"みたいな感じで、なんだか締まりもなければ高揚もしきらない、惜しい作品。これまでの絶賛が嘘のように騒がれてない気がします…しません?ジャケットをみて全世界の青少年が歪んだ性癖に目覚めないか心配です。

The Vaccines / Back In Love City

今最も検索しにくいバンド、ザ・ワクチンズ。愛の街に戻るというタイトルも象徴的な気さえしますが、中身はいつも通りのグッド・メロディーなロックンロール。今作はやや時流の80sっぽさを取り入れてみたって感じでしょうか。この人たちはもう少しバンドサウンドでガツンとやってくれた方が好みです。
前作にも"Your Love Is My Favourite Band"という最高なタイトルの曲がありましたが、本作は"Headphones Baby"です。「退屈な連中しかいないのに何で飲みになんか行くんだい?/俺は君のヘッドホンの中に住みたいぜ、ベイビー」。この小っ恥ずかしいワード・センスがある限りこの人たちは大丈夫でしょう。

Matthew E. White / K Bay

ジャケット同様、これまでのゆったり、どっしりとしたサザン・ロックから随分とカラフルでグルーヴィになりました。一回普通に録音した後でそれに合わせてアドリブで演奏し、2回分の演奏を継ぎ接ぎして作ったそうで、聴いていてところどころで異物感のようなものがあってクセになります。これはもっとじっくり聴き込みたいなー。

Jordan Rakei / What We Call Life

もっとインディーっぽいとうかアーティなイメージがありましたが、君こんなだったっけ?というくらいポップなソウル/R&B作に仕上がっています。結果としてはArlo Parksを筆頭に人材豊富なUKネオ・ソウルの中では少し埋もれる作品になってしまったかなと。頑張れ先輩。

Manic Street Preachers / The Ultra Vivid Lament

祝・全英1位!なんと23年振りだとか。継続は力なり。フィジカルが集計に(強めに)加味されるとこういうことが起きるのが面白いですよね。その商業的な成功も納得できる、近年では一番彼ら特有の、ハードロック譲りの大仰さとUKロックの抒情性が上手いバランスで噛み合った、いいアルバムだと思います。見た目は流石にすっかりおじいちゃんになっていてビックリしましたが。

Super Furry Animals / Rings Around Thd World (20th Anniversary)

 ここからはリイシューものです。こちらは我らが超モフモフ獣、世紀の傑作の20周年(!)記念盤です。B面、デモ、リミックスとレア音源をしっかり押さえ、これまで噂には聞くもののよく聞こえなかったPaul McCartneyがセロリを齧る音も単体でしっかり聴くことができる、ASMRとしてもオススメの一品です。
本編ラストの「ウィル・スミスは嘘をつくんだろうか?/彼も崩れ落ちて泣いたりするんだろうか?」という言葉は分断の進む今こそ世界が耳を傾けるべき、相互理解の姿勢です。合言葉はそう、「並列しよう」。

Spiritualized / Ladies And Gentlemen We Are Floating In Space

こちらも今年の頭から続くリイシュー企画、その名も"Spaceman Reissue Project"の第三弾。1stから始まり、遂にこの代表作である3rdまで来ました。こちらはリマスターのみで蔵出し音源はありません。
個人的に本作は白いのと黒いのに続き3枚目(青いの)を買うことになってしまいましたが、好きなのでよし。一応、オリジナル音源からの「ハーフスピード・ラッカー・カットでマスタリング」したことがこのシリーズの売りですが、正直自分の脆弱なリスニング環境では黒いのとの違いがよく分かりません…。
1曲目が例の「エルビスver.」だったのがさらに残念です。オリジナルの方が好きなんですが、もうこちらをスタンダードにするつもりなのでしょうか。権利の関係かライブでは今もオリジナルver.で演奏されるようですが、偶然にも観る時に限って演奏しません。チクショー。

Bob Dylan / Springtime In New York (The Bootleg Series Vol.16)

御大の公式ブートもはや16作目。本作は80年代のレア音源集です。中川五郎氏の影響でこの辺りの御大が大好物なので待ってましたな内容で、最高でした。(セールス的な落ち込みからか)一番大衆に迎合してて聴きやすい時期だと思います。"Someone's Got A Hold Of My Heart"の「ユーユーユーユーユゥ〜」とかマジかって感じで堪らないです。Bob Dylanをもポップスにする80年代って凄い。いつかデラックス版を聴いてみたいです。

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個人的には、10月以降もリイシュー、記念盤祭りです。The Beatlesは勿論、ストーンズ、Oasisのネブワースライブ盤、Radiohead、Richard Ashcroftの再録集…。出るのは来年ですが、Bernard Butlerのソロ1st再録が恐ろしく楽しみです。
新譜ではWe Are ScientistsとColdplayが楽しみですね。Coldplayの本質は陰の者ながらもメインストリームで勝負するためにアヴィーチィともチェンスモともBTSともコラボする貪欲な姿勢、もといミーハー気質は嫌いになれません。アート志向の前作売れなかったですし、新譜は気張ってそうですね。


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