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2021年7月によく聴いたアルバム(備忘録)

 引き続きバタバタしており、あまりじっくりnoteを書く時間がありません。備忘録として先月よく聴いた/聴いているアルバムについてつらつら書いていきたいと思います。空いている時にポチポチ打っていたらもう8月後半になっていました。恐るべし。Time waits for no one.←(゚Д゚)はぁ?

The Wallflowers / Exit Wounds

 Bob Dylanの息子の…と枕詞をつけられ続けて早30年、Jakob Dylanのバンドお久しぶりのアルバムです。モダンさを取り入れようと張り切るとイマイチな彼ですがカバー作を挟んで吹っ切れたか、全編でルーツィなアメリカンロックを展開する本作は久々の快作です。「電車の音が聞きたいのに海の音が聞こえる」みたいな何を言いたいんだか分からないような分かるような、でもやっぱりよく分からない抽象的な歌詞も相変わらず父親かぶれでいいですね。個人的にButch Walkerの生々しさ皆無のプロダクションが好きじゃないのが少し残念です。

Clairo / Sling

 贔屓目を抜きにするともしかしたら本作が先月リリースされた作品の中で一番好きかもしれません。前作である1stはいかにもな宅録インディーポップでしたが、本作ではその小品的な魅力はそのままに70年代SSW的な、より開けた大らかなポップソング味が濃くなりました。と思ったらプロデューサーがかのJack Antonoffで納得。そんなつづれおってそうな曲に乗せて男性の嫌らしい視線に対する嫌悪感をぶちまけたりするところが2021年的(「どうしていちいち言わなきゃいけないの?/あんたがブラウスを覗き込んでる時にどう感じたか」)。御歳22歳、前途が明るすぎて妬ましいレベルです。

Kyle Falconer / No Love Songs For Laura

 The Viewがどうなっているのかよく分かりません(調べてない)が、ソロ2作目となる本作では、捻ってバンドとは違う味を出そうとした結果、よくあるバンドマンの微妙なソロアルバムになりくさっていた前作に比べ、持ち前のソングライティング力が遺憾無く発揮されています。"Laura"のブリッジ〜コーラスへの流れは2000sUKインディーを齧った人間なら抗うことはできません。

Son Volt / Electro Melodier

 今アメリカで、白人で中年男性で(オルタナ・)カントリーって物凄く肩身が狭いのではないでしょうか。それに抗うように「古き良き心はどこへいった?/共感の心はどこだ?/魂は?/USAで生きている…」と問いかけていたり、本人なりの葛藤も感じられます。初期の"Drown"のようなロケンローな名曲はありませんが、30年近くそのメロディーは衰えることがありません。評価的には元相方Jeff Tweedyにかなり水をあけられていますが、近年のやる気がないWilcoよりはこちらの方がいい曲を書いてると思います。

Tom Petty & The Heartbreakers / Angel Dream

 映画のサントラ扱いだった96年作に未発表曲を加えて「Tom Pettyのアルバム」として再構成したという、なんとも商魂たくましい作品。確かにサントラの方はバージョン違いが入っていたりしてまとまりがなかったので、本作でアルバムとしての流れは格段に良くなっています。名曲すぎるが故に二つのバージョンが入っていた"Walls"も敢えて私が好きな「サーカス版」ではなくシンプルなバンド演奏の「ナンバー3」の方が収録されている、といえばお好きな方には本作の雰囲気、意図が通じるのではないでしょうか。突然のペアレンタルアドバイザリーなBeck"Asshole"のカバーはやはり浮いていると思いますが。

Chet Faker / Hotel Surrender

 流石に本家Bakerのファンに怒られると本名Nick Murphy名義でアルバムを出してから、時機が来たとまたChet Faker名義に戻しての一作。正直曲を聴いただけでは本人の気分以外の違いがよく分かりませんが(気持ち本名の方が電子音楽寄りでしょうか?)、"Get High"のイントロを聴けただけでよし。オシャレさと不穏さの混じる鍵盤の響きは、今年これまで聴いた中で心のもしもピアノが弾けたならソング第一位です。

Durand Jones & The Indications / Private Space

 70sなジャケットもクールすぎるソウルフルでディスコテックな一枚。3rdとなる本作で初めて知りましたが、過去作はもっとクラシックなR&Bをやっているんですね。そんな作品のタイトルがプライベート・スペースというのも実にクールです。この辺はコロナが関係しているような気がしますが、インタビューとか漁っていないので正解は分かりません。
 The Indicationsのドラマーであり本作でも多くの曲でボーカルを取るAarlon Frazerのソロ作も今年の初めに出ていたようでこれも素敵なネオソウル作でした。2作とも、タワレコで今年の夏はJungleと彼らで決まり!みたいなポップが添えられていること請け合いの一枚です。最近行けてませんがタワレコ。発送をもっと早くしてくれればamazonじゃなくてタワレコオンライン使います。頑張れ。

John Mayer / Sob Rock 

 その80sな方向性の明白さから界隈ではある意味先月一の注目作だった本作。いや当然の如くよくできているんですけど、本当にそれ以上でも以下でもないというか。ギターがバカうまなうえどんな曲も器用にこなせるなんて、というパンピーのやっかみということにしておいてください。


 あとはBillie Eilishの新譜なんかを当然よく聴いていますが、ガチ勢の皆様に比べて語れるほど聴き込んでいません。サラッと聴いた感じ、前作を踏襲しつつポップな方に幅を広げた(よくある)手堅いセカンドという印象でした。ビジュアルの変化を筆頭に、諸々トータルで語るべき作品なんでしょうね。

 なんとギターのDaveが復帰したThe Killersの新譜など、8月も素敵な作品がたくさん出ています。個別に書くほどまとまった時間が取れないのでまたどこかのタイミングでまとめて書くことになる気がしています。

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