見出し画像

2021.10によく聴いたアルバム

2021年も残すところあと2ヶ月。あっという間すぎて軽くひいてます。早いところではそろそろ年間ベストなんかが出てくる頃でしょうか。今年はどうなるんでしょうね。

We Are Scientists / Huffy

覚えていますか、2000年代中盤、所謂ポストパンクリバイバルの括りで出てきた彼らのことを。コツコツ活動を続けて本作は7枚目になります。ポストパンクの鋭角さがなくなり地味なだけのアルバムを連発していましたが、ニューウェーブ風味を取り入れたポップな前作"Megaplex"で完全復活し、本作もその勢いを汲んだ好盤です。
彼らがポストパンクリバイバルに分類された所以である鋭角なリフを持ったギターロックも戻ってきており、円熟期を迎えていることを見せつけてくれます。低予算でユーモラスなMVも相変わらずでいいですね。

Sam Fender / Seventeen Going Under

一人キラーズで大人気になったSam Fenderの2nd。一歩間違えるとダサいブラス使いなど、彼のヒーローでもあるBruce Springsteenなアメリカンロック味が更に濃くなりましたが、結果やっぱりどう聴いてもThe Killersなのはご愛嬌。そもそもThe KillersもBruce狂ですからね。彼の場合は曲のパターンがあまりないので、アルバム通してだとやや一本調子なのが惜しいところです。

Matt Maltese / Good Morning It's Now Tomorrow

イギリスののSSW、マルチーズ氏の3rd。素敵なバロックポップ集です。「おはよう、もう明日だよ」ってタイトルから素敵ですね。「美術館に来た子どもみたいに君の周りを歩き回りたい」「君は僕の右靴、僕は君の左靴」「皆んなたまに君の写真を壁にかけたりしているよ/皆んな夜眠る時に君のことを考えているよ/僕が"皆んな"って言うとき、実は自分のことを言ってるんだけどね」等、スイートな曲の割に独特の気持ち悪い(いい意味です)世界観を持っているのが○です。

Coldplay / Music Of The Spheres

4th("Viva La Vida〜")くらいからそうなんですが、彼らはバラード以外はあんまり上手くないのに新しいことに果敢に挑戦するため、やりたいことと実力が見合わず(たまたま両者が合致した暗い6th"Ghost Stories"を除いて)半端なアルバムを作り続けています。勿論その不器用さが彼らのチャームですが。
シンセポップ風のこの9枚目も残念ながらそんな一作。今をときめくBTSとのコラボもあまり記憶に残りません。あまりコラボの必然性は感じませんでしたが、Selena Gomezとの曲はバラードなので良かったです。

Alessia Cara / In The Meantime

言い訳ですが、R&Bっていろいろ語れるほどディグっておらず、他のアーティストと比べてこのアルバムがどうとかってことが言えないんです。でも本作はいいアルバムだと思いました。ポップさ、メインストリームなチャラさとネオソウル/インディーR&B的なチル感、生音の気持ちよさのバランスが絶妙というか、ね。

Honne / Let's Just Say The World's Ended A Week From Now, What Would You Do?

そんなR&B系第二弾。タイトルが凄いです。ジャケットと新しいアー写もなんか凄い(BL感が)。素朴な作りだったこの前のミックステープは好きでしたが、本作は若干中途半端さが否めないかと。この人たちは2ndもそうでしたが、1stのようなエレクトロ強めかミックステープのように生音強めか、どちらかに振れないと少し退屈ですね。

The War On Drugs / I Don't Live Here Anymore

ドリームポップ/シューゲイザーとアメリカンロックとボブディランの融合というありそうでなかった斬新な音楽で大人気の彼ら。最近のアルバムは素晴らしいものの長ったらしくてそこまでハマらなかったんですが、本作は久々にコンパクトにまとまっていて聞きやすいです。といっても52分とかですが。心なしか落ち着いた曲が多いのも聴いてて疲れない要因かもしれません。彼らの評を読むとやたらボブディランの名前が出てくる気がしますが、個人的にはディランにかぶれてた頃のTim Burgess(The Charlatans)に似てると思います。

Richard Ashcroft / Acoustic Hymns Vol.1

The Verveからソロ、RPA & The United Nations Of Soundまで全キャリアの代表曲のアコースティック再録集。と言っても弾き語りではなくストリングスまで入ったバンド編成なため、エレキがないだけでほぼ完コピです。ということで期待していたほど面白みはありませんでした。しかしこうして並べられるとソロになってもいい曲書いてますね。ソロ屈指の名曲"C'mon People (We're Makin' It Now)"ではLiam Gallagherと、英国二大クセスゴシンガーが仲良くデュエットしていて面白…もとい感動します。元Ocean Colour SceneのDamonが相変わらず燻銀なベースを弾いているのも個人的にポイントが高いです。

The Rolling Stones / Tattoo You (40th Anniversary)

Charie Wattsの訃報により、ドラムにしか耳がいかない、なタイミングでリリースされた40周年記念盤。勿論、こちらの方が先に決まっていたことです。彼らの記念盤では最早お馴染みの、過去のお蔵入り曲に現在の彼らがオーバーダブして完成させたレア曲集が本作にも収録されていますが、過去のお蔵入り曲リメイクシリーズに比べて1番曲の粒が揃っている気がします。"Living In The Heart Of Love"とか、ねちっこくてソウルフルでザッツ・ストーンズ。最高です。
元々当時のお蔵入り曲に手を加えて作られた本作の更にお蔵入り曲…となんだか訳が分からなくなりますが、その由緒正しさ(?)を考える納得の出来です。

****

年内の新譜ではDamom AlbernとSilk Sonicあたりは楽しみです。世間的にはAdeleとTaylor Swiftでしょうかね。Taylorはリメイク版でもGary Lightbodyを呼んでくれたみたいでよかったです。
Spiritualizedの新譜が2月に決まったのでそれまでは頑張れます。早速SNSでは嘘だろ前作出てから早すぎる!と言われてて笑いました。とは言え5年。よく訓練されたファンばかりです。

次回の更新は年間ベストかもしれません。そろそろ気持ちに余裕も生まれてきたのでまた個別のアルバムについて書きたい気持ちもあります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?