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【音楽×本 鑑賞録】"366日の西洋音楽" 2月9日~ヨハン・セバスティアン・バッハ G線上のアリア

音楽観を鍛える鑑賞録。
2月9日のテーマは、
【作曲・演奏】
とりあげる作品は、
ヨハン・セバスティアン・バッハ /
G線上のアリア

です。

いますぐ聴きたくなる! 1日1ページでわかるクラシック音楽の魅力
1週間で7テーマ! 1年で「クラシック音楽」の虜になる!
本書には、いまでも多くの人に愛好されているクラシック音楽の名曲の数々を、より深く楽しむための知識や情報を盛り込みました。366の名曲を、「音楽史」「主題」「ジャンル」「逸話」「作曲・演奏」「周辺」「謎」といった7つの共通テーマで考察・解析・推理・解説します。

ヨハン・セバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach)
『管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV1068』の第2曲「アリア(エール)」
(独: Air auf der G-Saite,英: Air on the G String)
この楽曲は、19世紀ドイツヴァイオリニスト、アウグスト・ヴィルヘルミがニ長調からハ長調に移し替えると、G線だけで弾けることを発見。
これ以降、正式名より他者の編曲の方が有名になる。

あまりに有名な楽曲なので、言葉にすることもままなりません。
久しぶりに聴いてみて、こんな穏やかで悠久な雰囲気をもたらすメロディは、ひとつの世界観の完結を感じさせるものがあると思いました。

そこでなぜか、r>gという不等式が思い浮かびました。

rは「資本収益率」を示し、gは「経済成長率」を示しています。
トマ・ピケティの「21世紀の資本」で描かれた、資産運用により得られる富と、労働によって得られる富との絶対的格差、資本主義の富の不均衡を数式で表したものです。

gを"Growth"と訳すならば、「成長」を目的とした営みだといえます。
rを"Rate"と訳すならば、「利率」を目的として営むということ。
わたし個人としては、いくら多少投資に励んでいるからといって、労働に勤しむ以上、G線上を延々と弾き続けているような身だと言えます。
1億円以上の資産運用で4%ルールでFIREして、優雅に暮らすという選択。そういう仕組みはたしかにあります。
日々えっちらおっちらと頑張ることを傍目に、ぽん、と置いてあるだけで指数関数的に増幅していく仕組みというのは、たしかに不公平にしか見えません。
ただ、それを理解したうえで、オプションして、G線上を歩むことは尊いことだと思います。
もちろん格差是正の機運が高まり、人類全体がG線上を歩み、より良い環境を得られる仕組みづくりは大切です。だからこそ、本気でやりたい仕事があれば、それをやればいい。ないなら創ればいい。それを使命に根ざした事業にすればいいでしょう。
そもそも視点をより俯瞰的に長尺で見れば、人類は結局、ヴァイオリンでいうG線上の世界線でしか蠢いていません。それならば、内在する自己と環世界が幸福になるよう励めばいいだけです。

今回もよくわからない帰結になってしまいました。
まぁバッハも、まさか「ニ長調(D Major)をハ長調(C Major)にされて1弦だけで弾かれるなんて思わんかったわ!」となったでしょうし、
今回まさかG線上のアリアからr>gを考えるという跳躍誤訳も許して下さるとありがたいです。

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