見出し画像

【音楽×珈琲 鑑賞録】4月13日~スティーブン・フォスター 歌曲『おおスザンナ』

音楽観を鍛える鑑賞録。 
4月13日のテーマは、【周辺】

とりあげる作品は、 
スティーブン・フォスター /
歌曲『おおスザンナ』

です。

スティーブン・フォスター
Stephen Collins Foster
1826年7月4日 - 1864年1月13日
19世紀半ばの"アメリカ音楽の父"

2月8日で記事にして以来のフォスター音楽。
「おおスザンナ」(Oh! Susanna)は、1848年に出版されました。
親しみやすいアメリカのミンストレルソングです。

改めて調べると、今日の音楽に通ずるものがいくつも出てきます。

アフリカ起源の楽器「バンジョー」、歌はその頃ヨーロッパからアメリカに伝わった「ポルカ」のビートを取り入れ、ペンタトニックスケールを使うなど、シンプルなメロディに国やジャンルを超えた音楽が取り込まれています。

さらに、歌詞は荒唐無稽でカオスなもの。
これもまた、現代のメインストリームで歌われる詞でもちょくちょく見受けられます。この当時のフォスターはどういった意図をもって歌詞を書いていたかは定かではありませんが、即興で面白可笑しい、あどけなさを演出したかったのかもしれません。
自由に言葉を紡ぐこと、ノリのよさ、それがまたアメリカ音楽の気風を作ったように思います。

そして、この音楽をつくって得た収入が100ドルばかりというエピソードは、音楽産業へ大きな影響をもたらした要因になっています。
これだけ人々に流布した音楽の作者が不遇なかたちで人生を終えてしまったこと。
このビジネスを是正する活動がアーティストの権利を築き、体制への反骨精神がアートワークの情熱を焚き付ける原動力にもなりました。
いまだに正されるべき構造はありますが、それでも過去に比べればマシになっています。
アーティストの権利と管理組織の利権バランスがよくなってきたことは、フォスターをはじめとする、過去のアーティストが苦闘して築きあげた権利の賜物です。
現在と未来に活動するアーティストは、恩恵を授かりながら歴史を築き、またバトンを渡していくことを宿命づけられています。

人々の感動を創出しながら、よりよい人生をもたらすアートとなれ。
そんなことを胸に抱き、活動に励みたいものですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?