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「失われた時を求めて」と「プルーストを読む生活」を読む 9

失われた時を求めて

2巻、83ページ迄。ついに2巻に入った。語り手は1巻同様主人公だけど、2巻「スワンの恋」はタイトル通り、1巻のコンブレーで隣人だったスワンの話。時代は主人公が生まれる前、当時スワンはパリに住んでいた。2巻の舞台はパリの社交界。と言っても貴族の社交界ではなく、ブルジョワのヴェルデュラン夫人が主催する、友人だけの小規模な社交界が中心となる。

1巻コンブレーの田舎風景とはうってかわって、2巻はひたすら都会の人付き合いをしている。サロンの主催者であるヴェルデュラン夫人は強烈な人で、人物は全然違うけれど、1巻におけるレオニ叔母的な立ち位置を占めている。サロンの人は、ヴェルデュラン夫人もドクター・コタールも、とてもめんどくさい。肝心の、スワンの恋愛対象となるオデットは印象が薄い。

今日読んだ部分では、スワンが音楽に感動する場面がとてもよかった。あんな表現方法は今まで読んだことがない。とても長く中身がしっかりしているのに、すらすら読み進めてしまう。1巻におけるマドレーヌのくだりに匹敵する。

僕は当然ながら貴族もブルジョワも社交界も縁遠く、それに類する作品もあまり見てこなかった。時代物という意味だったらキューブリックの「バリー・リンドン」が思い浮かんだけれど、調べてみたら18世紀が舞台で「失われた時を求めて」の時代よりもっと前にあたる。しかも社交界なんかではなく戦争ばかりしている。ドストエフスキーは時代的に近いと思うけれど、もっと泥臭い荒くれの話で、ロシアが舞台という違いも大きい。

フランスの社交界。なんとなくのイメージだけで読んでいる。僕が今まで触れてきた作品より、少女漫画や宝塚とか、そっちの文化圏が近いんじゃないかな。だからそういうのに慣れ親しんでいる人の方が、読みやすい気がする。きっとイメージ湧きやすく、親しみやすい。僕の目線では、今のところただ集まってずっとしゃべってるだけ。

プルーストを読む生活

47ページ迄。プルーストを読む生活というより、東京の日常生活。本を買い、店に入って読み、絵を見たり、描いたり。映画の話に聞き耳を立てている。ガタカが出てきた。ガタカってそういう位置づけの映画なの?

そこは下北沢。僕は行ったことない。そういえば下北沢を舞台にした映画があったなー。「街の上で」だった。今泉力哉監督で、若葉竜也主演のようだ。「愛がなんだ」の仲原が良かったからちょっと見てみたい。

「プルーストを読む生活」は手書きの日記から起こされてnoteに書かれていたそうだ。かなり手が加わっているようで、時系列も食い違っていたりするんだって。コンブレースタイルだ。僕のこの日記は数時間前に読んでメモしたことをそのまま書いている。書き溜めも余裕もなく自転車操業。

ドゥルーズの哲学に関する引用。僕は全然知らない話。あと読書論めいた話。それぞれ好きにやればいいと思う。僕はあまり、その行動であったり、読書でもいいんだけど、喜びとか楽しみとかあまり考えない。日頃から無意識であり、無自覚でありたいと思っている。うまく言えないけれど、そういうのを僕はうるさいというか、めんどくさいと思ってしまう。だから読書が楽しみなんて自覚は、いらないかなー。ただ読むだけ。それ以上はない。

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