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「失われた時を求めて」と「プルーストを読む生活」を読む 1

失われた時を求めて

「失われた時を求めて」を買う経緯については以前にも書いたけれど、おさらい。最初は光文社古典新訳を買おうとした。しかしこれが完結していないことがわかり、6巻で止まっている。半分ほど。そしてその6巻が刊行されたのは、2018年。今から3年も前にあたる。これはもう、続きは出ないのではないか。少なくとも最後まで読むことは、この光文社古典新訳では当分かなわない。

岩波文庫の新訳が2019年で完結したことを知り、検索してみると美装ケース入り全14巻セットなるものがあることを知った。公式では売り切れており、たまたまネットで売っているのを見かけた。物として欲しいと思い、買うことにした。届いた物を確認すると、美装ケースとはただの箱で、そんなにしっかりしたものではなかった。これじゃなくてよかった。

でも念願の「失われた時を求めて」を新訳で手に入れたので、読み進めることにする。

コンブレー。最初に舞台の説明が書かれている。コンブレーとは架空の地名だけど同名の地域もあり、どのあたりをモデルにしており、などなど、設定の説明がある。これは訳者による説明書きであり、著者プルーストによるものではない。

次に登場人物の一覧。舞台演劇の台本のようだ。登場人物めちゃくちゃ多い。こんなもんは、とうてい覚えられない。

とにかく注釈が多い。ページをめくるごとに、その見開き内の注釈がある。物語は、子供の頃に住んでいた家、寝室の回想から始まる。注釈の内容は、当時のパリに住む人々であれば説明無しでわかる風俗、流行について、ふんだんに解説している。最初は一応全部読む。ページごとに読む。海外文学の注釈は巻末、もしくは章末にあることが多い。その場合の注釈は、ページを行ったり来たりしないといけないため、煩わしくて読まずに飛ばしていた。

最初の章がなかなか終わらない。この手の文章は、区切りがないところで中断すると一気に前後がわけわからなくなって再び読み直すことになる。章が終わらないことには中断しにくい。108ページまで読んでやっと最初の章が終わった。隣人スワンをめぐる家族のやりとりと、母親をめぐる主人公の感情。粋筋という言葉が出てきた。調べたら芸妓のようなものだった。

プルーストを読む生活

「プルーストを読む生活」の内容はあまり知らない。「失われた時を求めて」の読書日記のようなもので、それ以外の日常生活のことも書かれている、程度の認識。こちらも同時並行で読み進めていこうと思った。

1日20ページを行ったり来たりしながら読んだと書かれている。そんなんじゃ全然進まないじゃないか。しかし、のっけからのこの文章、タイトルをよく見ると「2018.11.19(1-p.144)」となっている。僕が読んだのは108ページまで。もう抜かされている。次のタイトルは「2018.11.20(1-p.168)」。「失われた時を求めて」を168ページまで読まないことには、「プルーストを読む生活」は全く先に進めない。最初からしてやられた。

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