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「失われた時を求めて」と「プルーストを読む生活」を読む 11

失われた時を求めて

2巻156ページまで。スワンがオデットを好きな理由の一つが顔で、ボッティチェリの「モーセの試練」という絵画に描かれているエテロの娘チッポラに似ているからというものだった。きっと好みの顔なのだろう。

そういえば昔の知り合いで、好きになる女性の顔がみんな同じタイプという人がいた。そんなこと本当にあるんだなというぐらいわかりやすい。そしてその系統の顔の女性と結婚した。なんでそういうことになるのだろう。僕がこれまで付き合った人は顔も性格もバラバラだから、こういうのがあまりよくわからない。

スワンとオデットの趣味が合わないという話が出てくる。スワンはブルジョワだけど上流の社交界に出入りする人で、洗練された人。一方でオデットは、ココットと呼ばれるキャバ嬢みたいな人種で、俗悪と表現されている。表層の見栄えだけを重視するミーハーな人物。

しかしスワンはそんなオデットに合わせることを楽しむ。まるで無邪気な子供を愛でるような態度だ。金持ちで教養のある人が、同程度の相手を望むとは限らない。むしろキャバ嬢みたいな愛人を囲っていることは現代でもよくあることなのかもしれない。

スワンはそんなオデットや、オデットを含むヴェルデュラン夫人のサロンに馴染むことを楽しむ。オデットを通して、今までの自分に縁のなかった世界に迎え入れられ、周囲を見渡しながらなんとか調子を合わせていく。これも享楽の一種だと見える。ヴェルデュラン夫人とサロンは序盤によく出てきたが、オデットの話が中心になるにつれ、陰が薄れてきた。

プルーストを読む生活

57ページまで。保坂和志の話が出てきた。雑誌「文學界」で、著者の柿内正午さんは保坂和志と対談していた。すごく好きで尊敬していて作品をたくさん読んだそうだ。僕は保坂和志の小説をひとつも読んだことがない。いつかそのうち読みたいとは思っているが、なかなかその機会がない。

保坂和志と言えば現代日本を代表する小説家の一人なんだろうけれど、村上春樹に間違われるというネタみたいな話しか知らない。なんせ作品を読んだことがないから。でも保坂和志を好きだと言う人のことはたくさん知っている。ただ読む機会がなかった。

「失われた時を求めて」のスワンの大学生みたいな恋愛話にうんざり、という話が出てきた。人の手紙を勝手に見ようとするとか、まだ読んでいないところだ。また追い抜かれた。「プルーストを読む生活」は次回また一回休みになるかもしれない。

横浜駅西口のカレー屋?の話。横浜には一回行ったことがある程度で、今後も行くことはないだろうな。僕は今京都に住んでおり、同じ関西でも神戸はあまり縁がない。さすがに横浜ほどではないが、ほとんど滅多に行かない場所だったりする。

大阪は昔住んでいたこともあり、それなりに知っている。東京は住んだことないけれど、何度か足を運んでおり、今後も足を運ぶことはあるだろう。中堅都市は意外と行かないもんだ。

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