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「失われた時を求めて」と「プルーストを読む生活」を読む 8

失われた時を求めて

1巻397ページ、読み終えた。巻末に場面索引(作中のシーンがそれぞれ場所ごとにまとめられている。このシーンはスワン家のほう、このシーンはコンブレーのレオニ叔母宅というふうに)、プルースト略年表、そして膨大なあとがきがあった。あとがきのタイトルはしっかり「あとがき1」となっており、2巻以降もそれぞれの巻に対応したあとがきがあることがうかがえる。

とりあえずこの巻末付録みたいなのは飛ばすことにした。一度本文を全部読んでからでいいだろう。再読するときなどは、1巻ごとにあとがきを読むと良さそうだ。

1巻の終盤は、ゲルマントのほうの散歩シーン。ヴィヴォンヌ川沿いの精緻な描写も、この作品の持ち味なのだろう。プルーストはとにかく自然を優美に表現する。モネの睡蓮を元にした池が出てきて、まんまそういう映像がすっと頭の中に浮かぶ。検索したら、モネの睡蓮っていっぱいあるんですね。

モーヴ色という言葉が出てきた。ラベンダーの紫色だそうだ。

主人公はゲルマント伯爵夫人に対して、アイドルオタクのような視点を持っている。こういう表現は、真面目に書かれるとけっこうおもしろい。笑いそうになる。

有名作家になりたい、と作中で公言する主人公。文学を志しているが、才能がないと悩んでいる。主人公が作家志望というケースはよく見かける。太宰治のような私小説は、作者が主人公だからそのまま。もしくは若い頃を描いていれば、小説家志望となる。村上春樹の1Q84みたいに、架空の物語でも主人公は小説家志望だったりする。作者が一番勝手知ったる世界で、書きやすいのだろう。

画家志望、俳優志望、ミュージシャンというケースもよく見る。近い世界で題材にしやすいのかもしれない。本屋もたまにある。学生もよくある。消防士が主人公とかは読んだことがない。もはや職業が主体の小説になってしまいそうだ。

小説ばかり読んでいると、小説家志望の人間がこんなに多いのかと思ってしまう。作中の主人公がそうだからといって、現実世界で小説家志望の人が多いことにはならない。実際どうなんだろう。小説家志望と言っている人は、身の回りにいただろうか。

小学生のころはいたけれど、それ以降聞いたことがない。でもそんなことはあまり公言しないか。内に秘めていたかもしれない。現在小説家志望、もしくは小説家であると公言している知り合いはいません(ネット上の知り合いには一人いた)。ミュージシャンも俳優も映画監督いない。職業として成り立ちにくい。

現実の知り合いの職業は、教師、会社経営者、美容師、シェフ、翻訳家、投資家、あとは圧倒的に何々業界の会社員が多い。現実はそんなもん。

1巻で第一章の第一部「コンブレー」は終わりだそうだ。2巻からは第一章第二部「スワンの恋」が始まる。コンブレーはそのタイトル通り、街の紹介、周辺とさまざまな人物の紹介だったように思う。同時にそこで生活した子供時代の主人公の日々。コンブレーの登場人物たちは、おそらく第二部にも出てくるだろう。注釈で簡単に紹介されていたが、レオニ叔母の隣人スワンが結婚するくだりが第二部にあたるそうだ。

プルーストを読む生活

40ページまで読んだ。「本を読むのはワーク」とあった。ワークなのか。ワークという言葉をどう捉えているのだろう。

「プルーストを読む生活」でもコンブレーを読み終え、今更ながらに「プルーストを読む生活」のルールが説明されている。項目はそこそこあるけど、あってないようなルール。そういう意味で言えば、僕のこの日記には本当にルールがない。 5回目からは最初に読み進めたページを表記することにした。これは「プルーストを読む生活」の方にも表記しておこう。ということで今回から入れた。

文フリの話が出てきた。先ほどの小説家志望うんたらの話にも通じるけれど、文フリに出店(出展?)している知り合いなら、ネット上の知り合いが二人いた。彼らは飽くまで趣味なのか、それとも志望なのか知らないけれど、今のところ稼ぎ口は別に持っている。

僕は文フリに行ったことがない。知り合いが出店していれば一度は行ってみたい。京都でも開催されていたから、そのうち行くかもしれない。どんなもんか全然知らない。コミケにも行ったことなく、同人即売会はまったく未経験。あまり興味がない人生だった。多分イベントごとが苦手なのだと思う。人が集まっているのが、あまり。

そもそも現場で物を選んで買うのが苦手だった。衝動買いしたものは大抵、見向きもしないまま存在を忘れ去る。現場で選ぶのではなく、事前に情報を仕入れて吟味したい。現場中心のイベントごとはあまり向いていないのではないか。

ON READING という本屋が出てきた。名古屋に住んでいたとき、ときどき行った。僕は現場派ではないから、WEBページに至っては毎日見ていたかもしれない。写真集をたくさん取り扱っている。こういう店は、今住んでいる京都にはないんじゃないか(あったら教えてほしい)。

僕がよく買っていたのも写真集だった。当時は写真を撮ることにはまっていて、旅行に出かけては写真ばかり撮っていた。その参考にするわけではないけれど、今よりもたくさん写真を見ていた。写真を見るのは今も好きで、ときどき写真集を買っている。欲しいと思うのはたくさんあるけれど、でかくて高いから滅多に買えない。日本のはいくつか図書館にもあり、そうだ、図書館を活用しよう。

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