見出し画像

リピート購入者が急増した回数券の価格改定のお話

こんにちは。コワーキングスペース茅場町 Co-Edo田中弘治です。
Co-Edoは2013年1月7日から年末年始(大晦日も元旦も)含め毎日オープンしています。(年明けで7周年となります。感謝。1/7に7周年交流会イベントやります🍺)

この記事はコワーキングスペース運営者たちの Advent Calendar 2019の19日目(12/19)の記事です。
昨日はベースキャンプ名古屋山本一道さんによる「2019年のベースキャンプ名古屋を振り返ってみました」でした。新しい取り組みがいくつもあって参考になりますね。

いつもはCo-Edo 公式ブログで書いているアドベントカレンダーですが、今回はテーマ的に、公式ブログよりも note のほうがふさわしいかなと思いこちらを選択しました。

例年のアドベントカレンダーの記事へのリンク一覧
「雑談OK」から考えるコワーキング文化の変遷(2018年)
第4世代型をはじめとするコワーキングスペース業界の状況(2017年)
「1日店長」イベント(2016年)
コワーキングスペース利用が初めての方向けの話(2015年)
無料のコワーキングスペース(2015年)
コワーキングスペースの世代論(2014年)
コワーキングスペースの物件選び(2013年)
コワーキングスペースでの飲み会(2012年)

2018年より回数券を販売開始

約1年半前より、Co-Edoでは回数券を販売しています。
5回分の料金で6回の終日利用が可能です。割引率 17%なので、かなりお得なんじゃないかと思っています。

Co-Edoは1日利用1,000円2018年10月より外税化)ですので、ほかのコワーキングスペースと比較しても最安値の価格帯です。
回数券を利用すると、1回 833円で利用可能ですので、ランチ1回より安かったりということもあります。

もともと格安なので、そこからさらに割引をすることになる回数券の導入については、とても慎重に考えていました。
だって、noteじゃないとこんなこと書きづらいけど、売上大事🤑そして利益大事🤑
「コワーキングスペースに関わる人が物心両面で豊かになるよう支援する」って言ってるけど、自分自身が少なからず物心両面で豊かでないと支援できないだろうし、Co-Edoがなくなったら利用者は働く場所を失うことになるので困るでしょうから、永続的な場所であるためのリソースは重要です。

そのうえ2016年には電子マネーやクレジットカード等のキャッシュレス決済の環境を整え、利用者の利便性向上と引き換えにさらなる利益率の低下となりました。
PayPayのような特殊なケースを除くと、概ね3.5%程度の決済手数料と入金ごとの振込手数料がかかりますので、おそらく終日ドロップインの場合で、50円程度負担があるはずです。

回数券は、基本的に現金販売が(決済事業者から)義務付けられてますので、割り引いた後にさらに決済手数料がかかるということはありません。
しかしそれでも、回数券販売による利益がはっきりないと、安易に導入するものではないと思っています。

回数券販売のメリット・デメリット・それ以外

利用者側の視点ではなく、運営側のメリットとして想定できるものとしては

 • 回数券購入者の次回利用が確定する(回数券がなかった場合は、次回もCo-Edoに行こうと思っていたとしても、確定まではしない)
 • 回数券購入者の利便性が向上する(利用料の負担が減る。都度の決済が不要になる。領収証の計算が楽になる。複数人での利用に便利。などなど)

反対に運営者側のデメリットとして検討する必要のあるものとしては

 • 利益率の減少分
 • オペレーションコストの増加分(処理フローの確立と徹底。回数券の制作。などなど)
 • 月額会員の契約率への影響の試算(影響しない仕組みの確立など)
 • 回数券がなくても継続利用してくれる利用者への影響の試算

その他の考慮事項としては

 • 利用期限等の制限事項
 • 返金等のルール

これらを考慮してデメリットを許容できる場合については、利用者にとっては間違いなく歓迎できるサービスですので、導入して良いでしょう。(いずれにせよ安易に導入するのはオペレーションコスト増により真綿で首を締められていくので早計です)

継続購入率を上げたい!

そんなこんなで導入した回数券。ふたをあけてみれば、いろんな検討事項は杞憂だったと思えるくらいには、利用者に喜んでもらっています。

とはいえ、ひとというのは欲深いもので、回数券利用者というのはCo-Edo愛用者でもあるので、できれば継続して購入してほしいという思いが徐々に強くなってきました。(しまいには「リピート購入してくれなかった」と落ち込んでいる自分を発見したりするのです。これはいけないということで)自然とリピート購入したくなる仕組みを導入しようと思ったのです。はい。

きっかけは2019年10月にやってきた

2019年10月から、消費税率が 10% になりました。
このときの経緯は公式ブログの記事に書いたのですが、結果的には、このタイミングでの外税化(による値上げ)を決断しました。

ドロップイン利用料 1,000円が 1,100円になるということは、もちろん回数券の価格も 5,000円が 5,500円になるということです。

Co-Edoの場合、基本的な価値観として、古くから利用してくれてるひとは、可能な限り優遇するという方針を採用しています。
たとえば、PCロッカーの導入に伴い、既存のロッカーの価格を上げる場合、継続して利用している利用者の価格は据え置き、新規に契約する利用者からのみ利用料の負担が増えるとか。以前存在した「東京都以外の契約者はライトプランの料金でスタンダードと同様すべての時間での利用が可能」というサービスを辞めるときは、既存の利用者にはその特典を提供し続けるとか。

それからいくと、常連利用者たる回数券購入者に対して、外税化による値上げの負担を強いるというのは、Co-Edoの美学からいくと逆行すると思いました。

そこで思いついたのが、以前から導入を検討していた「継続購入によるさらなる割り引き」です。

回数券 再購入 割引制度

読んで字の通り、回数券利用者が再度回数券を購入する場合に、さらなる割り引きをするという制度です。

具体的には次のような料金体系です。

回数券(通常時)・・・5,500円(税込)
回数券(再購入)・・・4,950円(税込)

再購入時は、税抜き4,500円で購入できるようにしました。

これにより、これまで回数券を買ってくれているCo-Edo利用者は、ほぼ同額で回数券を利用し続けることができます。
(この施策自体は2019年10月以降の利用者であっても適用していますので、純粋に再購入かどうかだけで価格が変わります)

回数券の最後の1枚(Co-Edoの場合、本券と呼ばれる、一番上の大きな券)を利用するときに、スタッフが「もし回数券を引き続いて購入しようとお考えの場合は、このタイミングで購入すると4,950円と割り引きになります」と声掛けを行うようにしました。

これまで回数券購入者に対する声掛けというのはしていませんでしたし、購入するかどうかはあくまで利用者の自由意志に任せたい(=営業したくない)という思いがありましたが、この「最後の1枚の利用時に案内できるもの」を用意したことで、心からのご案内が可能になりました。

これによりリピート購入率は100%近くに!(再購入をしなかったケースは、おそらく1~2件)

いやーこの施策まじ頭いいわー(自画自賛)

この施策による利用者のデメリットが見当たらない

このような新しいサービスというのは、少なからず、利用者メリットとのトレードオフがあったりします。

しかし、この施策、いろいろ考えても利用者側のデメリットが見当たりません。(運営者側もリピート率の向上が割引によるマイナスを上回ることが期待できる限りデメリットがない)

もちろん、利用者にとっては、前倒しで回数券を購入する必要があるのですが、あくまでこれは「再購入前提の利用者」を対象にしたサービスですので、再購入前提の利用者にとっては、次のような違いしかありません。

スクリーンショット 2019-12-14 17.17.54

左が従来の再購入。右が再購入割り引き適用。

単に1回分、購入タイミングが繰り上がるだけであり、継続して利用するかたにとっては、時間が経てば経つほど、その差は微細になります。(反面、割引適用額は増えていくので、継続購入するモチベーションは高まる)

ということはつまりこういうことですね。

継続利用前提のひと・・・・・・・得しかない
継続利用するか迷ってるひと・・・再購入割り引きで購入したくなる
継続利用しないひと・・・・・・・損しない

アイディア自体は思いつきに近かったのですが、これ、世間的に同じようなことをしているひとを寡聞にして知らず、なにか気づいていないデメリットあるのか?と逆に不安になります。

考慮されてなさそうな、運営者側および利用者側のデメリットがありましたら、ぜひご教示ください!
改善できることであれば改善したいと思います m(_ _)m

画像2


あしたは、fabbit の 白石真依 さんですー 🐇

🍵 🍵 🍵 🍵 🍵

再購入割引制度を採用したコワーキングスペース

大阪は梅田と中津の2箇所のスペースを運営しているコモンルームさんが、「1日利用回数券」再購入制度を採用しています。お近くの方はぜひご活用くださいませ!


🍵 🍵 🍵 🍵 🍵

ことしはコミュニティマネージャー Advent Calendar 2019「薄着」で「リラックス」してコワーキングを楽しもうという記事を書いていますので、ぜひそちらもどうぞ!

1月7日(火)に7周年記念の交流会をやります。
いつもご利用いただいているみなさまも、しばらくCo-Edoにこれてないという方も、これからCo-Edoを使いたいと思っていたという方も、どなたさまもぜひどうぞ。気軽に交流しましょう。

\ Thanks a lot! / いただいたサポートを励みにして、次回も良いコンテンツにしていきたいと思います。少しでもみなさんの一助となりますように🙏 シェア や B!はてブ も大感激😊