ホリエモン_堀江貴文氏_対談

スタートアップが投資家に行く前に見ておくべき9つのチェックポイント(エクイティファイナンスの注意点その1)

どうも。(公認会計士、税理士(税理士法人代表)、マーケティング会社経営、マレーシア法人ファウンダー、サッカー少年の)32歳小山です。

昨日は※CFOとして参画しているスタートアップ(シード〜シリーズA手前)に、VC(ベンチャーキャピタル)を繋いだので、初回の面談に同席してきました。

※CFO・・・CEOは最高経営責任者と訳されますが、CFOはその財務verだと思ってもらってOKです(最高財務責任者)。財務なので、単に経理部長というわけではなく、事業計画の策定に関与したり、ビジネスコンサルしたり、資金調達や税務知識、海外戦略に至るまで幅広い戦略立案と実行に関与する、CEOの右腕(場面によってはそれ以上)の参謀的役割になります。(小山の訳です。not Wikipediaです)

そこでは、皆さんも経験するであろう、(職人気質の)CEO社長のトークと、VCキャピタリストの(投資家的にドライに)聞きたいこととのギャップがしばしば見られたので後学の為に書き留めておきたい思います。(CFOの小山がもっと事前に対応してあげておいてくれよ!という批判も含んだ上で公開してしまいます。僕の気持ちとしては、「いや、これは社長が経営者として当然できていて欲しいことだろ!え、そうでなければ知っておいて欲しい」ので書きました。)

よくありがちな面談でのミスマッチ例

今回は特にエクイティファイナンスを想定して書きましたが、これはキャピタリストや投資家との面談もそうですし、ピッチ、営業、様々な場面でも言えることだと思います。

以下、挙げていきます。

①本題(サービス説明&ビジネスモデル&マネタイズ)までの話が長い

どうしても社長は、創業までの過程や身の上話を最初に多く話しがちです。

もっというと「設立はいつで〜資本金はいくら〜」とか会社の謄本でもわかるような情報を丁寧に語りがちです。これが悪いというわけではなく、”程々に”というアドバイスになります。あと、どうせ話すなら面白く(後述)です。

エレベーターピッチ(30秒〜1分プレゼン)のような短さではないものの、VCキャピタリストも腐る程多くの案件を見聞きしているし、最初のフックで心打たれないとなかなかその後もテンションは上がりません。1時間程度の限られた時間の中で相手(VC)が聞きたいことや、独自のビジネスアイデアで度肝を抜くようなことを話す時間に多くの時間を割きたいというのは頭では理解できると思います。

そう言った意味で、キャッチフレーズとまで大袈裟なものでなくてもいいので、導入時に刺さるキャッチーな自己紹介&会社紹介文を考えておくのがいいかもしれません。

(個人)「もともとAKBのバックバンドをしていて・・・」

(会社)「この会社はリアル版のYouTubeのような会社です!」

みたいな感じでも。はい、サクサクいきますよ→

②マネタイズポイント

これはビジネスモデルにも紐付きますが、上記の導入はスムーズに終わらせた上で、いかに自社が、ビジネスモデル的に面白く、またマネタイズポイントが「どのぐらい、どんなところにあるのか(数と量)」を明確に伝えられるようにするといいと思います。特にこれに限らずポイントなのは、

「他業界の人に話す前提で」

わかりやすくということです。当然ですが、社長はその業界の人でしょうし、その事業についてずっと本気で考え続けているから今のように理解してアウトプットできるわけ(本当はうまくアウトプットできていないのですが)で、それを初めて聞く人にも伝えなければなりません。ここをおいていきぼりにすると、理解のギャップが永遠につまらず、無用な質問対応に追われることになります。もちろんお金も出ません。

「例えば〜」、「具体的には〜」、「◯のようなものとイメージしてもらえれば」

や、”図や資料を用いて”伝えることも重要だと思います。

③スケール感

次にスケールについてちゃんと触れられるかも、外せないと思います。

この事業をすることで、どれだけのマーケットを取れるのかという点も大事ですが、これまでになかった客層も取れることにより、そもそも”マーケット自体が広がる”という”新創造”の点も視野に入っているか、触れられるかもポイントだと思います。

例えば、これまでエンタメでお金を稼ぐといえば、芸能人になるかテレビ局を作るぐらい(制作会社、PR会社も)でしたが、インターネットやSNSなどの発達によって、メディアが民主化したことにより、YouTubeなどに動画投稿してそこでファンがつけば、広告収入を得られたり、企業案件の依頼がきたり、さらに企業側では、そこに人が集まるのでCMではなくて、YouTube広告を打つみたいに、、、これまでお金が回っていないところに経済圏を作ってお金が回るようにするというマーケット自体を生み出す事業もそうですよね。

そして、これで一番儲かるのはプラットフォーマーである

”YouTubeそれ自体”

だということはお分かりかと思います。広告収入も入りますし、ビックデータという換金可能な価値も粛々とためていることかと思います。

このようにこれまでそもそもなかったマーケット(市場)を創造して、新たなマネタイズを生めるのであれば、しっかりと把握してアウトプットしたいところです。

④独自性

独自性も重要ですね。強みや参入障壁とも言い替えられます。

これは、今の時代はインターネットも、頭のいい人もたくさんいるので、いいものはすぐにパクられます。なので、そのパクられにくさや、仮にパクられるとしても時間がかかったり、ここだけは守れるみたいなものがないとそもそも厳しいです。
(逆にパクられる前提で、パクられればパクられるほど自社のバリューが上がるみたいなモデルがあったらそれはむしろ評価されます。どんなのだろ。。)

なので、独自性(参入障壁)と、それが続くモデルはしっかりと組み込みましょう。独自性=特許というわけでないこともご注意を。

⑤マーケットサイズなどの”数字”は欲しい

上記までは、言葉でのアウトプットだと思うのですが、やはり”数字”も欲しいところです。公表されているデータやリサーチができるのであれば、数字的根拠は出せるようにしておきましょう。

当然、事業計画は作っているでしょうし、この数字は事業計画でいうKPI(KGI)レベルのものも含みますし、より大きなマーケットサイズ(潜在・顕在・新創造)などもあろうかと思います。

⑥その会社&ビジネスで”三方よし”の話

これも昨今では資金調達サイドでも投資サイドでもとても”重要な”視点だと思います。

いわゆる、「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の概念です。

びっくりなのが、実は、投資家サイドとしては、正確にはもう”三方よし”では時代遅れ感があり、特に「世間よし」の部分が、地域社会(国)だけではなくなっているのです。その理由は・・・、

”SDGs”

”CSR”

の登場です。

そう、いわゆる世界的には”SDGs”や”CSR”にも配慮したビジネス設計でないと今の社会では受け入れられなくなっているのです。ここら辺の視点は個人的にはエクイティファイナンスを受ける側には超重要になってくると思っています。

SDGsは「持続可能な開発目標」とされ、これまでの企業や一部のファンドや投資家の「儲かりさえすればいい(三方良しで)」という視点だけではお金も集まらないし、すなわち事業も伸びないよということです。

環境よし、マイノリティよし、ジェンダーよし、エネルギー良しなどなど、世間よしの”世間”が地球レベル、もっというと”宇宙レベル”で配慮・視野に入っていないといけないということになってきています。三方良しではなく七方良しとかの発想です。(世界ではすでにそうなりつつあり、あのGPIFのCIO水野さんの講演でもハッキリとこの点は言っていました。ので間違い無いです。)

僕自身、一丁前にnote書いてますが、この点は本当に”自分自身”考えさせられている点になります。単に1人の公認会計士、起業家として生きるのではなく、もっともっと大きな視点で生きていかないといけないなと。ネガティブな意味ではなく、そう生きていきたいと。自分の人生・会社で世界をどこまでより良くしていけるか。次の世代によりよくして引き渡せるか。

以上より、三方よしの概念にSDGsを軸としてしっかりと地球規模で考えられているか、それ以前に旧三方よし(買手・売手・世間)が入っていないとそもそも論外。ということになります。

⑦いくら欲しくてどうしたいのか

資金使途(需要)ですね。

面談でここまで大きな話をしてきたのは、もちろん「上記素晴らしいアイデアやノウハウ、実績があるんだけど【カネ】が無い」からですよね?

ここでの注意点は、お手盛りにならないことです。

しっかりとシリーズ(マイルストーン)を分けて、

・いつまでに

・いくら

・何に使いたいか

・そうするどどのぐらいのリターンがあるか(IRR)

をしっかりとアウトプットすることです。

「なんとなく大きくやりたいので2億円ください!」はナシです。

もちろん事業計画に根拠はあるでしょうし、事業計画という文字を言葉に変えて話して”伝わるように”練習をしましょう。

⑧条件(相手のメリット)

上記まで伝えた(伝わった)上で、投資家サイドのメリットもしっかり明示的に示せているか?が漏れている人が多いです。

投資家もボランティアではないわけで、これも同じように

・いつまでに

・いくらのリターンになりそうか

・出口の選択としては何パターンぐらいあるか

・ポジティブな想定だとどれぐらいになりそうで

・ネガティブ展開になる可能性はあるか

・ネガティブな場合にはどういう手立てがあるか

・他にはどのぐらい声をかけていてその確度はどれぐらいか

など数字的な根拠も合わせて検討できているといいと思います。

⑨みんなやってると思うけどなんで「今・あなた」がやるの?

最後に、

『”今””あなた”がやる意味(理由)』

です。”今”と”あなた”がポイントです。

よくあるのが、あまり事業が伝わっていないと、

今の時代、サービスも溢れているし、ユーザーもお腹いっぱい感あるのに、なぜやるの?しかも”あなた”がなぜやるの?

ということを聞かれてしまうことがあります。

僕としては、そもそもこの質問をされてしまった時点で、プレゼンは失敗しているというのが結論なのですが、(伝わっていないということです)聞かれた以上は、これに対する答えは持っておくようしましょう。

・その業界で苦しんだ自分だからこそわかる、できる

・IT、SNS、IoT、ブロックチェーン、5G、AI、RPAなどの周辺のテクノロジーが揃った今だからこそ、その掛け算で組み合わせれば、◯◯の事業ができる

・独自性、参入障壁、私だけ知っているヒミツがある

などなどです。

先ほど述べたとおり、本来はこれらが上記までのプレゼンの中に盛り込まれておくべきで、資料や会話の中で理解してもらわないといけないと思います。

そのため、最後らへんでこういうのが聞かれてしまったらそもそもプレゼンが破綻している可能性があるので再度見直しておくといいと思います。

じゃあ、どうすれば??

これまで9つのポイントをあげさせてもらい、改善点も書きましたが、とはいえ「どうすれば?」となるのもごもっともだと思います。

それはなぜか?

実践が”面談の現場”のみになっているからです。

これでイケる!という鉄板パターンや感覚がないからです。

そこに対する僕なりのアドバイスは以下2つ。

・壁打ち=アウトプットの練習をしてから挑んだほうがいい!

・壁打ちしてくれる人がすぐにいないなら”動画”で練習すべし!!

順に見ていきましょう。

壁打ち=アウトプットの練習をしてから挑んだほうがいい!

よくベンチャー・スタートアップ界隈では、ピッチイベントやスタートアップ支援協会のような、メンターがついて壁打ちをしてくれる場があります。
そういった場所に行くか、所属するかなどして面談=本番に向けて牙を研ぐのもアリだと思います。また、今回の僕の顧問先のようにCFOをつけて、毎回OJTしてもらったり、フィードバックをもらい続けるのもかなり有効だと思います。

やはりエクイティファイナンスもスキルだと思うので、”質より量”でまずは、練習するというのが王道かと思います。

壁打ちしてくれる人がすぐにいないなら”動画”で練習すべし!!

上記のようなコミュニティやCFO以外にも何かないか?と聞かれたら、個人的に超オススメなのが、”動画”です!

これはファイナンスに限った話ではなく、営業UPにもセミナースキルにも超有効な方法で、自分の話す姿を動画で撮影して見返してみることをお勧めします。

自分でも気づいていない目の泳ぎや話のスピード、イントネーション、姿勢(猫背)、スライドの使い方、ホワイトボードに書いている最中は黙ってしまうなどなど挙げたらきりがないぐらい効果があります。

僕自身、監査法人トーマツでサラリーマン会計士をしているときには人前で話すなんてやったことないしイメージもつかないし、緊張するわでしたが、独立する間際に夜な夜なカメラに向かって、1人でホワイトボードに書きながら死ぬほどアウトプットする練習をしてから独立しました(まじでめっちゃやりました)。おかげで今では急にマイクを渡されても、決められたジャンルで1時間ぐらいはノーパワポでも話すことができます(笑)

また動画なら、CFOやメンター、知人にも送ることができるのでフィードバックをお願いすることもいいかもしれません。

とにかく自分でもこのようにできることはあるので、しっかりと準備していきましょう。

よくある巷のアドバイスで、「はじめのうちは練習のつもりで投資家(銀行)に会いましょう」みたいな話を聞きますが、これは至極失礼な話で、練習相手にされた方の命と同じぐらい大切な時間を奪っていることになります。そんな無責任な人の経営がうまく行くはずがないと思っていますし、当然お金なんて集まりません。

厳しくいってしまいましたが、

相手も本気です。あなたに関わってくれている人も本気です。自分も失礼のないように”それ以上に”本気で。やるようにしましょう。

最後に〜とは言ってもCEOには人間味溢れるストーリーテラーであってほしい!

ここまで散々数字だの、スケールだの、テクニック集的なことも書きましたが、最後に想うことは、

「それでもやっぱり経営者にはストーリーテラーであってほしい」

ということです。

ストーリーテラーの正確な定義はわかりませんが、

ビジョンだったり、目指す世界、こうなったら面白くない?とか常日頃みなさんが事業を通して成し遂げたい胸躍らせている想いでいいと思います。楽しそうに話しているかどうか。覚悟とか。

最後はどこまでいっても会社=社長=関わっているメンバー=”人”にお金を出すものだと思うので、やはり、どんな困難があっても立ち向かえる熱い想いを持った経営者の想いを伝えてほしいと思います。そしてそれが実現される最中や、実現された後の世界観をこれまで挙げた事項を使って伝えられたら最高だと思っています。

普段から思っていることが正確にアウトプットできているとは限りません。まずはその認識を持つことだと思います。

正確にアウトプットするためには戦略と練習が必要不可欠です。

それに気づいたら、本タイトルである「投資家に持って行く前に見ておくべきこと」は自ずと行動に移せると思っています。

・ファイナンスには優秀なCFOがいればいい!

→もちろんそうです。我々も頑張ります!業界としても日々研鑽に励みます!

・でもやっぱりあなた(CEO)が一番重要です!

→全ては自分のことです。資金調達も事業もサービスも、従業員も。その軸というか”覚悟”がないとうまくいかないと思います。たった一人残されてもやり抜くか?

私も今回はCFOの立ち位置で書きましたが、自分でも経営しているのでCEOです。やはり自己責任・当事者意識で挑戦していきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

小山晃弘

『資金調達X.0〜事業を軌道に乗せる新・資金調達 現代のスタートアップ法』
http://urx3.nu/Hwgn

【代表経歴】
1987年05月 大阪府大阪市生まれ
2010年03月 同志社大学 経済学部 卒業
2010年12月 有限責任監査法人トーマツ(Deloitte Touche Tohmatsu LLC) 入所
2014年07月 株式会社Peace Project 設立 代表取締役就任
2015年01月 公認会計士登録(登録番号33592)
2015年01月 税理士登録(登録番号128873)
2015年04月 税理士法人 小山・ミカタパートナーズ 代表社員就任

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☆書籍
①『これ1冊で大丈夫! 仮想通貨の確定申告がわかる本』〜堀江貴文氏推薦〜
http://ur2.link/PxzE
Amazon「所得税」「ビジネスの法律」「税法」3冠達成

②『資金調達X.0〜事業を軌道に乗せる新・資金調達 現代のスタートアップ法』
http://urx3.nu/Hwgn

☆DVD
①『成功事例に基づく~ 公認会計士が教える3年で年商1億円の起業法』
http://ur0.link/weHO

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