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【2023年4月】相場の季節は晩秋!?冬に備えて買うべきものは○○

3月中に起こったこと

  • 3/10:SVB破綻

  • 3/19:クレディ・スイス買収

金融セクターの信用不安がどこまで波及するか恐る恐るだった相場ですが、月末にはもはや何事もなかったかのようです。

今後の懸念事項は銀行の貸出態度悪化による弱小企業群の倒産をきっかけとした景気悪化ですが、それが起きるまでは数ヶ月単位がかかるのは想像しやすいところ。

もう一つの懸念は水面下で誰も気づかないうちに大きなリスク事象が発生することで、銀行システム外のファンドなどで変なポジションを持っていたところが突然死して、それが他にも波及することも可能性としてはあるわけで、誰にも読めないこのリスクが最も怖いところです。

相場の季節判断

3月に起こったことを確認したら次は2023年4月時点の相場の季節感を見ていきましょう。いつものように、トレンドに特徴のある下記項目の現在の動きを見ていきます。

  • 米国のセクター別の推移

  • 米国金利の状況

米国のセクター別の推移

ヘルスケアセクター&生活必需品セクター

生活必需品セクターとヘルスケアセクターのS&P500に対する比率は年初来減少傾向

逆業績相場のときには利益安定性が高いこれらのセクターが買われるところ、現在は逆に下がっている状況

セクターの動きを見る限りだとまだ不景気を意識した動き方は起きていないように見受けられる

米国の金利状況

米国10年債と2年債のイールド差

米国債10年、2年のイールド差は以前として逆イールド
SVB破綻を期に短期債の金利がより大きく落ちたので逆イールドは小さくなっている

FF金利が下がることを見越しての金利低下であれば逆イールド解消が不景気突入へのサインになりそうだが、まだそれほどではないと考えるべきか?

米国2年債と1年債のイールド差

米国債1年、2年のイールド差
逆イールドが深くなっており、1年後から2年内に金利が下がることをマーケットが予測している状況

これを見ると景気後退までまだ1年程度はあると市場が見越しているように見受けられる

突発ショックさえなければまだ猶予はあるのだろうか??

逆業績相場まではもう少しかかるので、季節感で言えば晩秋にあたると思います。


晩秋 - 冬に向けての仕込み

今が晩秋にあるとすると、今すべきは晩秋に旨味のある投資対象の物色ではなく、冬に旨味を得られる投資対象へのポジションを構築していくこと。
つまり、逆業績相場という冬の時期に相対的な強みを得られるポジションを作っていくことだと考えます。

マーケットは冬までにあと半年から1年程度あるように見込んでますが、その間に誰も知り得ない突発性ショックが起きる可能性もあるので、景気後退までのチキンレースに参加して利益を狙うか、冬を見越して冬支度をしていくのか、投資家によって行動が大きく変わりそうです。

冬の時期に相対的な強みが得られるポジションは以下の通りで、あまり選択肢が多いわけではありません。
個別銘柄で言えば逆風でも成長する企業はあるでしょうが、季節感とは関係ない事象ですのでここでは触れません。

  1. 日本円

  2. 金(ゴールド)

それぞれ、現時点での状況をみておきましょう。

日本円の現在地

ドル円の年初来の状況を改めて確認すると、年初来若干のマイナスですがほぼ変わらずというところ

日銀のYCC解除や米国の利上げ完了など、一方的なドル高が続く環境ではなくなっているようには思えますが、風向きが逆転して円高に動いていくまではまだ時間がかかりそうドル円の年初来の状況を改めて確認すると、年初来若干のマイナスですがほぼ変わらずというところ

逆業績相場に入るころには、金融緩和期待で金利が下がり始めることから円安ではなく円高方向に進みやすくなると考えるのが自然ですが、現時点ではまだ円安方向へのトレンドは起きていません

ドル円も6ヶ月後に注目か?

金(ゴールド)の現在地

ゴールドは年初来8%の上昇
その間ドルインデックスは2%マイナスで、実質金利も下がっている状況

ゴールドとドル・実質金利の動く方向は教科書通りのものですが、注目すべきはドルの下落幅よりもゴールドの上昇幅が大きいところ

銀行の信用不安から徐々にゴールドを買っている人がいるように思える

2月はインフレ高止まり懸念(=金利上昇)の影響で1,800ドル近くまで落ちましたが、2022年10月頃の1,600ドル台にまでは下がっておらず、相対的には需要が強いとも読み取れる状況でした。金利やドルに左右されない金需要が強まっているのは2月から引き続き継続。

逆業績相場が見えてくると金への資金逃避が如実に表れるのが歴史が示すところなので、逆業績相場まであと1,2年ありそうではありますが、今のうちから徐々にポジションを作っていきたいところ

2023年4月の結論

  • 現在は、逆金融相場終期の晩秋にあたる時期にある(3月と変わらず)

  • 冬に強い円とゴールドは未だに低い水準にある(先月よりゴールドは10%上昇だが、本領発揮はまだ先)

  • 時間分散で冬に備えたポジションを作っていくべき(3月と変わらず)

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