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2022年おすすめ新譜アルバムVol. 110: J. Ivy「The Poet Who Sat By The Door」

新譜アルバム紹介Vol. 110です。

今回紹介するのは、シカゴの詩人のJ. Ivyがリリースした「The Poet Who Sat By The Door」です。

J. Ivyはシカゴ出身の詩人です。

2000年代前半に登場。2001年には1stアルバム「Down at the Loose Skillet」をリリースし、その後John LegendやBlitz The Ambassadorなどの作品に参加していきます。2010年には2ndアルバム「Here I Am」をリリース。以降も2017年の「My Daddy's Records」、2020年の「Catching Dreams」などのアルバムを発表しています。

ヒップホップのビートやネオソウル系などのサウンドに、ラップっぽいグルーヴを備えた朗読を乗せるスポークンワードのアーティストです。かなりヒップホップ的な音楽性なので、スポークンワードに馴染みのない方も楽しめると思います。

今作は生演奏と思しき音も多用したオーガニックなサウンドに、その力強い朗読や客演アーティストのソウルフルな歌が絡む快作に仕上がっています。


1. Listen with Sir the Baptist & Abiodun Oyewole

ガツンと鳴るドラムが印象的なヒップホップ路線。

ソウルフルな歌フックを挟み、ラップっぽい要素のある朗読が堪能できる好曲です。シリアスなムードで哀愁たっぷりに入るサックスも絶妙。


2. Running with John Legend, Slick Rick & VERSE

John Legendがフックを歌う穏やかな曲。

落ち着いたシンセのループに軽めのドラムを合わせたビートで、寄り添うような歌やエモーショナルな朗読を聴かせる良曲です。Slick Rickもラップではなく朗読で参加。


3. Lay Down with Omari Hardwick & Ursula Rucker

今作のハイライトの一つ。

涼しげなギターやタイトなドラムが効いた、リラックスしたネオソウル路線の曲です。J. Ivyも歌うフックが沁みます。


6. A Mile in His Soul with Tarrey Torae

TenseiのChris Kramerも関わったシリアスな曲。

クールなエレピや低い位置で動くベースに、スナップ音やノイズなども絡めたビートが美しい佳曲です。Tarrey Toraeのソウルフルな歌も抜群。


9. Learn You A Lesson with PJ Morton, Sunni Patterson & Tarrey Torae

優しいネオソウル路線。

手数の多いハイハットを使いつつも、エレピやベースなどの生演奏と思しきグルーヴが際立った哀愁メロウ曲です。J. Ivyと同じくスポークンワード系のSunni Pattersonのヴァースも見事。


11. Buffalo Soldier with Yaw

ブーンバップ的な骨太ドラムの曲。

フックを担当するYawの歌声やウワモノのギターに枯れたような味わいがある哀愁路線です。J. Ivyの力強い朗読に静かな迫力があります。


13. Vibrations II

Chance the Rapper周辺がやりそうな曲。

ふうわりとしたエレクトロニックなシンセを基本にしつつ、後半ではフューチャーベースっぽいモコモコとしたシンセや高速ハイハットも入ってきます。客演の表記はありませんが、Tarrey Toraeと思しき女声シンガーも参加。


14. Pass The Plate with Musiq Souchild & Ledisi

ゴスペル風味の壮大な曲。

美しいピアノに乗せて力強い朗読を聴かせ、客演二人のソウルフルな歌も絡む好曲です。後半にはクワイアも入ってきます。

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