Zackey Force Funk & XL Middleton「Blue Blade Piranha」全曲解説
西海岸のラッパー兼プロデューサー、XL Middletonにメールインタビューしました。Rolling Stone JapanのWeb版に掲載されています。
XL Middletonはラッパーでプロデューサーというだけではなく、キーボードも弾きDJも行い、さらにレコードショップのオーナーでもあるという多彩な顔を持つ人物です。Gファンクから出発して現在はブギーやモダンファンクといった言葉の方が似合う音楽性に変化し、さらに2021年には変名のDelmar Xavier VIIとの一人タッグ作で日本の音楽だけをサンプリングしたアルバムをリリース。Gファンクとほかの音楽の共通点を探るような活動を行っています。
インタビューでは、その多岐に渡る活動それぞれのルーツや西海岸のモダンファンクシーン、最近気になる音楽などの話を聞きました。アリゾナ出身のモダンファンクアーティスト、Zackey Force Funkと組んだ最新作「Blue Blade Piranha」にまつわるエピソードもあります。そこで今回は同作を全曲解説します。インタビューとあわせて是非。
1. Commando
ブヨブヨのベースや煌びやかなシンセが光るファンク。
歌の隙間に入ってくるキーボードも素晴らしく、二人の持ち味が見事に噛み合っています。途中のベースソロも絶妙。
2. Jam Likely
Suga Free風の喋りも入った曲。
歌とラップの中間を行くZackey Force Funkの持ち味が光る、軽快なファンクです。見事なコンビネーション。
トロトロのスロウなファンク。
ブリブリのベースや例の高音シンセを巧みに用いたGな曲です。キーボードの動きに悶絶必至。
4. Ego Check
Zacky Force Funkがラップ寄りの歌を聴かせる曲。
透明感のあるシンセやブヨブヨのベースが最高にファンキーです。この曲もキーボードソロがあります。
5. Glide Through Galaxy (Beat Knock Remix)
ヒップホップ経由らしいループ感のある曲。
ここで聴けるミニマルなシンセの使い方は、ラチェット的にも聴けると思います。とはいえ基本的にはやはりモダンファンク。
ハウス系の四つ打ち曲。
XL Middletonがインタビューで語っていた「モダンファンクとハウスはすでに『従兄弟』だと思う」という言葉を裏付けるような仕上がりです。Zackey Force Funkのラップでも歌でもないような乗せ方もばっちり。
7. Tie Me Up
清涼感のあるファンク。
ブヨブヨのベースや弾けるスネアが印象的なサウンドの魅力を、Zackey Force Funkがファンキーな乗せ方で引き出した曲です。ヴォコーダーも飛び出します。
ブリブリのベースをミニマルに用いた曲。
メロウなエレピも心地良く、今作で最もヒップホップ好きの方におすすめできる曲です。キーボードソロもたっぷり楽しめます。
ちょっと1980年代エレクトロヒップホップっぽい曲。
軽めの808や不穏なシンセが効いたサウンドに、Zackey Force Funkが声色を多彩に変えて乗る曲です。Pファンクの妖しい側面が出ています。
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