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男性ブランコ浦井さんへの感謝

2022年11月12日のことだ。自分は千葉県で用事を済ませて急いで電車で東京に戻り、着替えてまたムゲンダイホールに向かうために一旦家に戻る道の途中だった。

ほぼ毎日通るような、近所のなんてことない横断歩道を渡っている時だ。一台の自転車とすれ違った。その自転車に乗る人はマスクを着用していたのだが、目元を一瞬見ただけで自分はあれ?あの人じゃないか?と思った。

「浦井さん。」

心の中でつぶやくつもりが、びっくりしたのもあって少しだけ声に出てしまった。とても小さな声だったはずだ。仮に自転車に乗っている人が本当に男性ブランコの浦井さんだったとしても、その人には聞こえてないであろう声量だったので、自分はそのまま横断歩道を歩きながら、さりげなく振り返った。すると、その方は自転車から降りるとともに引き返して自分の方に向かってきている途中だった。その姿を見て確信した。

「男性ブランコの浦井さんですよね?」
「そうです。」

この後、自分はお笑いオタク丸出しで、コントめっちゃ好きです、感動してます、などと一方的に愛を伝えたと思う。もう漠然としか覚えていないが、浦井さんは優しく受け答えしてくれていた印象しかない。浦井さんもどうやらこの後に予定があるようだし、芸人さんの時間をたくさん奪うのも申し訳ないので、話が長くなりすぎないようにした。そして、図々しいとは分かりながら「写真撮ってもいいですか?」と勇気を出してお願いしてみた。浦井さんは快諾してくれた。上京したてのお笑いオタクなのがバレバレだったと思う。その時撮った写真が見出しの画像だ。自分にとって思い出の一枚になった。

その日、ムゲンダイホールでのライブも観終え、家に帰る頃には夜中になり、自分は季節柄M-1グランプリのホームページで予選の日程をチェックしていた。

(ふーん、今日から準々決勝始まったんだ。誰が出てたんだろう。ん!?男性ブランコ!)

なんと浦井さんはあの時、ルミネtheよしもとへ準々決勝を受けに向かう自転車に乗っていたのだ。これは自分としたことが無知だった。このことを知ってたら気づいていても、気を遣って声をかけられなかっただろう。知らなかったが故に声をかけることができたから、ある意味幸運だったのかもしれない。

浦井さんは準々決勝前の貴重な数分間を自分のようなものに割いてくれたのだ。緊張している、あるいはイライラしている素振りなど全く見せていなかった。本当に素晴らしい方だ。改めて感謝を伝えたい。今も男性ブランコを心のどこかで贔屓して見ている。これからももっともっとご活躍されてほしい。

ちなみに男性ブランコの二人は、この日の準々決勝を無事通過し、後日の準決勝も通過し、決勝4位という素晴らしい成績を残された。これももちろんとても嬉しかったし救われた気がした。

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