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【#18】 十字架職人

正面には無い十字架

 前回、紋別の教会の前に神様がドラッグストアを誘致されたことを記しました。買い物に来る多くの方々が、教会の存在を目にすることを期待していますし、きっとそのようになっていることでしょう。

 そこでふと、またよくよく考えてみると、紋別の教会の正面には、教会のシンボルである十字架がありません。実は正面ではなく、横に大きなステンレスの十字架が壁付けされているのですが、教会の隣地に建物が建ったために見えなくなってしまいました。

▲ 左側の側面にある十字架は隣の建物であまりよく見えません。
正面左にある電光看板は老朽化のために、今は取り外しています。(2020年12月28日撮影)

義兄の作る十字架

 十字架の設置には、それなりの費用がかかります。どうしたものだろうかと考えていた時に思い出したのが、義兄でした。私より2歳下の義兄は、休みの日になると自宅の外にある狭いスペースを改造し、様々な機械を購入し、木を持ち込んではせっせと十字架を作成しているのです。シンプルなもの、芸術的なものなどなど、いろんな十字架を作っています。

▲ 義兄の作る十字架

 神学部を卒業し、施設長をしながらチャプレンのような働きもしている義兄は、いろいろと思うところがあり、時には寝たきりの人が見るとちょうど見やすい角度になるように角度を考えて作った十字架もあります。そんな義兄の作った十字架を、姉はメルカリで売ったりしていると言うので、それもまた別の意味で驚きでした。

▲ メルカリでも売られている義兄の十字架

制作を依頼

 紋別の皆さんと話し合い、せっかくドラッグストアに多くの人が出入りしているのに、ここが教会だと分かってもらいたいということで、正面にも十字架を設置しようということになりました。そこで義兄に「田舎ということもあり、芸術的なものでなくて良いので、シンプルなものを」とお願いしたところ、快諾してくれました。自称十字架職人として、教会の十字架を制作することに、大きな意味を感じ取ってくれているようでした。

 そしてついに9月末、義兄から4本の十字架が送られてきました。シンプルで、味があり、重みもあり、私の想像を超えた十字架でした。

▲ 今回のメイン 会堂正面に設置する十字架
▲ 写真ではなかなか伝えきれないほど、重みと深みがあります。
▲ この十字架はオホーツクブランチ礼拝のcafeからし種に持って行きました。
▲ この十字架は小さめで、北見の教会で使うことにしました。
▲ 右2本を紋別に持って行きました。

十字架の重み

 紋別の皆さんに十字架の実物を見せた時、「触ってもいいですか?」と全員の方が触ったり、かついだり(?)していたそうです。十字架の重みを感じながら、もう一つの別の重み、主イエスの救いを思う重みも感じ取っているようでした。設置を頼んでいた大工さんに1度やり直しをお願いするなどしながら、10月末、無事に義兄の作った十字架が教会正面に取り付けられました。

▲ 2022年10月30日

 さあ、明日は主日礼拝です。紋別と北見はzoomで結んでの合同礼拝です。今週木曜日に神学生が実習(インターンシップ)のために北海道入りし、金曜日に紋別へ連れて行きました。1月末までの実習が終わる頃には、すっかり紋別の教会も雪と寒さで覆われています。卒業を前にした神学生も、十字架の恵みと使命の重さを現場でさらに体験していくことでしょう。

今日も主の恵みと慈しみが追いかけてくる1日でありますように。 


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