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身投げするホタルイカ。不思議で悲しい春の味覚

こんばんは、クラフトビア子です。

3月も中旬に近づいて、スーパーの鮮魚コーナーにホタルイカが並ぶようになりました。ビア子的に、春の山菜(タラの芽とか、ふきのとうとか)に次いで季節を感じる食材です。

しばらく店頭でみかけるけれど、夏の兆しとともになくなってしまうホタルイカ。見かけたらとりあえず買って、パスタにしたり、酢味噌につけたり、アヒージョにしたりと、せっせと食べています。

ちなみに沖漬けも好きだし、干したものも好き。
調理も簡単だし、お酒のつまみにもピッタリなホタルイカについて調べていたら、「身投げするホタルイカ」という記述が。

幻想的なホタルイカの群游をいつか観に行きたくて、今晩はホタルイカについての話です。

ホタルイカはアメリカやニュージーランドでも獲れるようで、日本だけで獲れるわけではないようです。ただ、3月頃から見られるホタルイカが発光して泳ぐ”群游”は、富山湾だけで見られるのだそう。

但馬など兵庫県の日本海側の方が、近年ではホタルイカの水揚げ量が多くなっています。というのも、海水温の上昇や海流の変化が生態に影響していると考えられるからのようです。

身投げするホタルイカの謎

ホタルイカが大量に海面で光るのが見られるのが富山湾だけの理由は、ホタルイカが身投げする、富山湾の特徴にあるから。

と、ここまで調べて、ビア子は「ホタルイカって身投げするの?」となりました。

富山ではホタルイカは「まついか」と呼ばれていたのだそう。というのも、浜辺にホタルイカが大量に打ち上げられているのを、地元の人はよく見かけていて、そのホタルイカたちを松の肥料にしていたからなんだとか。

ホタルイカたちが打ち上げられてしまうのを、地元のひとびとは「身投げ」と呼びました。ホタルイカたちが身投げをするのは、どうやら富山湾の地形の特徴に理由があるのだそう。

富山湾は1000メートルを超える水深を持ち、湾に近い陸には立山連峰があるため、高いところから一気に4000メートルほどの高低差をくだって、雪解け水が注ぎこみます。

深海から水が循環しているため、海中の栄養が豊富で、豊富な漁獲が期待できる土地なのです。

それだけに、産卵のために海面近くまで浮上したメスたちを、海流の波がボウルのヘリに打ちつけるように浜辺に運んでしまうのだそうです。

明治時代にイカを調査していた東大の教授によって、海面で発光するイカはまるで海のホタルのようだと、ホタルイカと名付けられたといいます。

びっくりしたり、痛い目にあったりすると、驚いて発光するのがホタルイカ。だから富山湾だけで美しく光るホタルイカが見れるのです。

観てもよし、食べてもよし。観光資源になるホタルイカ

ホタルイカの発光する様子が幻想的・神秘的だとSNSで話題になり、海外からもホタルイカたちが光る様子を見に来た人が大勢います。

まさにホタルイカは観光資源です。このホタルイカを使ってもっと全国に名前を売り込もうと躍起になる事業者はたくさんいますし、ホタルイカ漁を体験するツアーもたくさん組まれています。

この流れはとても良いことだと思いました。ホタルイカによって、地元経済が潤います。ビア子も漁の体験にはいつか行ってみたいです。ホタルイカが少なくなる前に。

もちろん食べてもおいしい。
傷むのが速いそうで、昔はほかの地域では販売されていませんでした。

この時代、スーパーで東京でも入手できるのが本当にありがたいです。調理も楽で、わたごと食べておいしくて、栄養価も高い――と、素敵すぎる食材。

旬が過ぎても、お酒を飲む人には「ホタルイカの沖漬け」や「ホタルイカの干物」があります。

イカの旨味が凝縮されたホタルイカ、一度現地に行って味わってみたいです!!どなたか連れて行ってください!もちろんサポートも可!お待ちしていまーす。

身投げするはかないホタルイカとともに暮らす、富山の人々にも話を聞きに旅に出たい!

春でかゆい目をこすりながら、ホタルイカの故郷へと想像を羽ばたかせています。


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