見出し画像

クレイジータンク通信 vol.192 『生成AI共存時代の「人間保護領域」の創造の必要性について』

クレイジータンク通信(通称:クレタン通信)は、2020年7月よりスタートし、現在まで毎週つづいている「クレタンの今」をお届けする2000-3000字程度の通信です。2021年10月までは、クレタン関係者やファンクラブの方、十数名の方に限定的にお送りしてきました。しかし購読者の皆さまからのフィードバックもあり、2021年10月下旬より、有料にてnote公開を行うことになりました。さらに、2023年10月からは、試験的に無料公開をスタートすることにいたしました。

毎週、クレタンが何をしているか、また、何を考え行動しているのかについてお伝えしていく場です。クレタンは常に未来に向かって自分たちが「挑戦をつづける当事者」になることを大切にしています。変化する社会を生きるみなさまにとって、挑戦へのきっかけや原動力となれば幸いです。気になったときにふと立ち寄ってみてください。


◆クレイジータンク通信 vol.192◆


あたたかな気候に包まれた週末でしたが、花粉が猛威を振るい、非常に辛い日々を過ごされている方も多いようですね…
今後、花粉の時期と真夏の猛暑時期の過ごし方を考えていけない、と思い知らされます。

さて、今週の通信では、生成AIが進化・発展を遂げた未来で人間が必要とされる仕事の分野とはどういうものなのか?について一度冷静に考えながら、人間だけが行うべき仕事領域の設定などが必要になるのではないか?といった考察について書きました。

ぜひ、ご一読ください。

【生成AI共存時代の「人間保護領域」の創造の必要性について】


クレイジータンクでは、18年以上前より、代表の竹鼻が、人工知能(当時はユビキタスと呼ばれた)に出逢い、その可能性(および危険性)について、独自で研究を進めながら、

AI時代が来ても人間の価値が求められる仕事づくり

に実践的に取り組んできた経緯はこれまでも本noteでもお伝えしておりますが、それは現在進行形で続いています。


2016年に大阪のグランフロント大阪にて開催された「35歳以下の若手建築家による建築の展覧会2016」にて、竹鼻が発表した「無意識へのシナリオ」は、その時点における、生成AIの発展予測とそれに伴う人間の価値や可能性について記しています。


そこからもうすぐ8年が経とうとしていますが、2022年のchatGPTの登場以降、以前はSFとすら言われたような世界も現実化をイメージできるまでになって来ました。

弊社クレイジータンクでは、日々進化しリリースされる生成AIの情報を取得するだけでなく、自分たちで触り使いながら、知見を常に蓄積すると同時に、

「今後、生成AI時代における「人間の価値」はどこにあるか」

ということを日々思考しながら、その時代に向けて仕事を創る、という意識で行動をしています。

最近、クレタン内のディスカッションで、「AIが進化した後にもAIに代替されない人間の仕事とは何か?」について、具体的に挙げていきました。


例えば、こちらの「無意識へのシナリオ」でも具体的なフィクションストーリーとして記載をしているような、【タクシーコンシェルジュ】のような職業は残る可能性が高いだろう、との意見が出ました。

タクシーコンシェルジュではなく、運転だけを行う従来のタクシー運転手ならは、AIの発展も去ることながら自動運転がスタートすると激減するだろうと想定されますが、たとえば

・その土地にとても詳しくて、他では聞けない情報を提供してくれるとともに運転をしてくれるタクシーコンシェルジュ

・美味しい食事やその土地の名物を知っていて提供してくれる(そのタクシーに乗ると食べられる機会を得れる)タクシーコンシェルジュ

など、こういった【付加価値】は、AIでなく、人間が創っていくだろうと考えます(ですがそれらもデータ蓄積されればAIに置き換えてしまうことは可能になるでしょう)。

その他、基本はAIで何でも作れることはできるけれど、

【開発されたサービスやシステムが、本当に(あらゆる視点から見て)問題ないのか否かを「判断」したり、緊急事態が起きた時など知識と経験値をもって「判断」してくれるアナログな人】

という需要は一定量残っていくだろうと考えています。ただこのポジションには、その分野に精通した知識や経験を持ちつつ、危機管理(リスク)能力と、ある種の経験値から培わられるセンスのようなもの、をバランスよく持ち合わせているような人材でないと、選ばれていかないでしょう。

つまり、私たち人間は、今後AI台頭時代には、危機管理能力とセンスをより磨いていく必要がある、とも言えます。

いずれにせよ、文中に書きましたが、人間が提供する【付加価値】の分野においても、時間の経過とともに、AIが取って代わることは可能になっていくはずです。

それをどこで人間がラインを引くのか?、が、今後AI時代を生きていく人間にとって重要な「選択」と「判断」になるだろうと、私たちは考えています。

たとえば、この領域に関しては、人間以外がやることはできない、という、いわば「人間保護領域」の仕事分野を設定することこそ、人間がAIと共存しながら生きていくためには必要になるのではないか、とクレタン内では話しています。

皆さんは、生成AIがあらゆる分野において人間と同等かそれ以上に効率的・合理的に仕事を処理する未来がきたと想像するとき、それでも「人間がやるべきだと感じる仕事」とは何だと考えますでしょうか。

私たちは誰もが、

「生成AIと共存しながら人間が生きる状態とはどういう状態か」

を一度冷静に想像し、人間保護領域が生まれることがあると仮定するとき、そこに残る仕事や人間にとっての生きがいとは何か、を、思考と行動を続けながら創り出していかなくてはいけないと考えています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?